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嘘ノ詩

誰かが
お前って馬鹿だなと言ったり 
あるいは思ったりすることは

大抵 その人が本当は
望むべきことだったりする

頑張ってね その後に続く言葉は
応援してるよ じゃなくて

あなたがどうなるか 私にはわからないけどね

みたいな無責任だったりする

さよならという言葉の代わりに
またね と言いたがるのは

会えなくなることがないと 
当たり前を想像するからだ

正義の味方は
悪者のその自由さが
本当は羨ましいのかもしれない

悪者は
正義の味方の持つ人徳と
そうなれなかった自分が大嫌いだ

嘘と嘘が
悲しくて孤独な世界の天秤に


真実のバランスを維持しているとしたら

私たちは
なんらかの嘘が削られたとき

また私たちは嘘を
皿の上に乗せなければならない

私たちが苦しむ前に

だから人は 誰も語りたがらないのだ

たったひとつの真実を

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