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「無意識にやってみよう」ナッジ理論

文化祭・体育祭を終え、生徒たちの頑張りに感激しました。出し物の準備や応援合戦の練習など以前の学校の様子が戻ってきたように感じました。これらの学校行事では「学年全体やクラス全体の協力する姿勢」が大切で、それをいかに醸成するかは教師の力の見せ所だと考えています。「生徒の自主性に任せる」は一見すると聞こえが良いですがなかなかそれだけではうまく行かないものです。「失敗から学ぶこともある」と言う教員もいますがそのクラスのメンバーでその担任で行う文化祭・体育祭は一生に一度だけです。どうせなら「生徒たちが主体的に取り組むように」陰ながらサポートできれば最高の思い出になると思います。これを最近話題の行動経済学では


ナッジ理論 “nudge”


と言います。これは「望ましい行動をとれるように人を後押しするアプローチ」のことを指します。多額のインセンティブや罰則といった手段を用いるのではなく、「人が意思決定する際の環境をデザインすることで、自発的な行動変容を促す」ことが特徴です。2017年シカゴ大学のリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞したことがきっかけでこのナッジは大きな注目を集めました。英語でナッジ(nudge)とは「ひじで小突く」「そっと押して動かす」の意味です。行動変容をそっと促すナッジは、母ゾウが子ゾウを鼻でやさしく押し動かす様子に例えられます。


小便器の「ハエ」のシールでお掃除がラクに


もっとも有名なナッジの事例は1999年アムステルダム・スキポール空港の小便器の「ハエ」のナッジです。これは男性用のトイレではしばしば見かけます。

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公共トイレを清潔に保つために、ハエの絵を小便器に貼り付けたことで、利用者の飛沫​​を80%減らすことに成功したそうです。清掃員が長年頭を悩ませていたこの問題をナッジでいとも簡単に解決した成功事例として有名です。


看護師ユニフォーム2色制にしたことで残業削減


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熊本地域医療センターでは、看護師の超過勤務が多く、離職率も高いという問題を抱えていました。超過勤務の要因の1つに、引継ぎ可能な業務を、勤務終了時刻が過ぎてからも引き受けてしまっている現状があったそうです。本来残業は指示業務なのですが、実際には明確な指示がなくても、暗黙の了解として使用者側が指示したことにしている組織がほとんどです。そこで「看護師ユニフォーム2色制」を導入し、日勤のユニフォームをピンク、夜勤のユニフォームを緑にしました。そうすることで周囲のユニフォームと違う色のユニフォームを着ている看護師は自分が残業をしていることを自然と意識し、帰宅する人が増えていきました。それにより前年度に1人当たり年約110時間あった残業が半減。18年度には約20時間と5分の1まで減り、19年の日本看護協会(東京)の先進事例表彰で最優秀賞に輝きました。


健康のために階段をピアノの鍵盤にしてみよう


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元々スウェーデンで導入された足元のセンサーに反応しピアノの音が鳴る「ピアノ階段」ですが健康西日本鉄道と福岡市が連携して、福岡県の西鉄福岡(天神)駅北口階段(ソラリアビジョン前)に、階段をピアノの鍵盤に見立てた巨大な「ピアノ階段」の取り組みが期間限定で行われていました。

これは近くにあるエスカレーターではなく健康増進のために階段を自ら選んで使ってもらいたいというナッジです。『猫踏んじゃった』を1人で演奏することは難しそうですが『かえるのうた』であればなんとかできそうですね。


クラス運営で一番難しいことは「生徒の心に火をつける」ことだと思います。学年主任の僕にとっては学年全体に火をつけ「やってみよう」という意識を引き出すことです。現在2年生の学年主任として来年は優勝できるよう、そして希望進路実現に向けて様々なナッジを考え、実行していきたいです。


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