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「都合の良い耳だね」カクテルパーティー効果

授業内容が難しく困惑している生徒たちに「お〜い聞いてるか?」と問いかけてもリアクションが無い時はこちらもお手上げになります。逆に帰りのSHRでクラス全体がざわついて大切な伝達事項を話していても、生徒たち同士の話し声でかき消されてしまうこともあります。こちらも困ります。時間割変更や検尿の注意事項など伝わっていないと忘れてきてしまうと学校全体に迷惑が掛かります。今はChromebookが1人1台貸与され、Classroomで伝達事項をスムーズに伝えることができますが「こちらに意識を向けてもらう」ということは教師の腕の見せ所です。かと思うと「はい、明日は台風接近で天候が優れないため休校になる可能性があります」と伝えると「え、明日休みですか?!やった!!」と都合の良い部分だけ聞き取る生徒が出てきます。これを心理学の効果で考えると



カクテルパーティー効果


と言います。人は雑踏の中でも自分の興味のあることや自分に親しみ深い言葉を聞くと無意識に選択し、頭の中で都合良く編集し認識してしまいます。自分の聞きたい言葉を常に探しているということですね。例えば仕事の帰り、電車の中で疲れて寝てしまった時でも、自分の降りる駅名を聞くと自然と目が覚めてしまうことがあります。これもこの効果の影響です。

「カクテルパーティー効果」は人間関係の構築にも活用できると言われています。例えば相手との距離を縮めたい時など、会話の中でできるだけその人が興味のある事柄を話すと無意識のうちに相手の注意が向きます。生徒が身に付けているぬいぐるみのキャラクター名やChromebookに貼ってあるシールなどヒントはたくさんありますね。実際にアメリカの実験でも男女に15分間会話をしてもらい、話の中で相手の名前や相手に関係のある事柄を話した場合とそうでない場合を比べると、前者の方が「フレンドリー」「社交的」「もう一度会ってみたい」など相手に好印象を持つ結果になったそうです。



白チームは何回パスした?


「音声の選択的聴取」という名前を持つこの効果は「選択的注意」とも呼ばれ、聴覚だけでなく、視覚などにも影響します。では意識と脳の関係が分かるテストを見つけたのでチャレンジしてみましょう!下記のYoutubeを再生して、途中で映像が停止するまでに、【白いシャツを着たチームが何回バスケットボールをパスするか】数えてみましょう。






正解は13回です。


しかし、お気付きでしょうか?白と黒のチームがパス交換をしている間をぬって実は映像の中で、黒い着ぐるみのクマがムーンウォークをしています。 「え、クマ!?」と思った方は、巻き戻してクマの姿を見つけてみてください。クマを探そうと意識を向けたら見えた! という方も多いハズ。この動画はロンドン交通局が車のドライバーに注意喚起を求めて「意識していないことには気付きにくい」というメッセージを込めたCMです。普段意識をしていない所に意識を向けるとまた違った見方や聞こえ方がするかもしれませんね。


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