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EP.34 綱渡り施策、創業以来最大の危機を乗り越えろ!

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いつもお読み頂いてありがとうございます。今回は、EP.32 迫ってきた崩壊の序曲、急拡大の陰にコミュニケーションミスマッチ⁉から続くエピソードです。こちらも確認ください。

 現在は、財務体制は盤石にしており、全く不安のない中で事業活動をしていますが、当時は財務戦略とは名ばかりの浅い知識と経験不足の中、過剰投資、加速度出店に対して成果が付いてこず一気に収支悪化。

失敗できない状況(失敗すれば倒産・・・)で経営の立て直しに向け事業の再構築するためのアクションプランを確実に実行するためには一枚岩にする必要がありました。どこか他責傾向である幹部メンバーをまとめるためには衝突不可避。本音トークバトル(EP33)の末、前に進む準備が整いました。
 いざ、アクションプラン発動!今回はそんなエピソードです。


◆出血止まらず、減る資金・・・。

※テーマ項目でまとめているので若干、EP33と時系列が前後しますがご容赦ください。いろんな施策を同時進行で進めていた関係です。

 出店展開を加速させ進んでいく中で、収支計画が追い付いてこなかった話を先に書きました。人材投資が過剰に進む中、資金のやりくりの為支出削減を裏では同時に進めて行きました。まだ、倒産の2文字は頭になかった2013年夏頃のことです。

 この当時、人材投資の他に各分野にコンサルタントを依頼し様々な取組を実施。そのおかげでいろいろなノウハウが作られていたのは間違いありませんが、中には成果・効果の見合わないものも多数・・・。

 コンサルは、社長が依頼をしていた為、幹部メンバーも面と向かって反対や終了を提案することもできないようでした。社長は、2011年頃からは、社外活動が加速。人脈も多岐にわたり一気に情報の量と質が変わっていたのです。その反面、社内に目を向けることも少なくなりミスマッチの取組導入が増えていました。

 この状況で私が行ったのは、ほぼすべてのコンサル契約の解約です。見えない成果の中、収支悪化している状況で行う優先順位は経営に一番影響のないものと判断しました。とは言え、こちらから依頼したコンサル契約を解約するとなればそれ相応の労力が・・・。社長と関係者の今後の関係を考えれば、うまくまとめるのが私の役割。
 各コンサルタントに個別に話をし、平身低頭の謝罪。皆さん事情を理解してくれて円満(たぶん)に契約を終了させて頂きました。
 あんな失礼な話をした私と今でも、個人的なお付き合いを続けて下さってくれて感謝しかありません。

 この交渉の最中に、非公開のメガトン級の事件が勃発します・・・。ここにも多額の資金が必要になりました・・・。この対応も私が陣頭指揮をとることに・・・。今となってはこれらの経験も私の血肉となり、現在の活動をする上での力に変わっていますが、当時は生きた心地はしませんでした。

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 会議報告内容とは裏腹に、まったく上がっていかない売上・・・、積みあがる赤字、激減する資金・・・。支出削減策が間に合わない。

何かがおかしい。(この直後がEP33です)

◆綱渡りの資金繰り! 冷や汗交渉の制度融資!!

 経理担当者から「お金がありません、このままだと給与支払いができなくなります!!」との悲鳴が・・・。
通帳残を確認すると、マジか!!!資金繰りを考えるとギリギリラインとなっていました。支出削減を強化するとともに、経営の立て直しに向け時間を稼ぐ必要がありました。

 資金捻出については、メインで行ってきた金融機関融資が王道。この外には、ファクタリングが出来ましたが、ファクタリングは私の中で下の下の策。一度利用してしまったら中々抜け出せないものです。これは、本当の意味での最終切り札と考えていました。
 今は、さらに他の施策を複数持っていますが、経験の浅い当時の私には打ち手が少なく、幹部メンバーも私以上に知識を持っている人はいませんでした。

「出来れば、ファクタリングは使いたくない・・・」

 社長に資金繰り、金策の宛があるかと聞いても「う~ん、特段ない」とつれない返事。いよいよ相談する相手もいない中、自宅を担保に借入を起こすことも考えてました。ただ、現状でそんなに融資を受けられるかどうかわからず、さらに時間もない中で次の1手を思案。

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 思い出したのは、「経営革新計画」の制度融資!(EP31をご確認ください)実は、店舗展開に向けて経営革新計画の承認をもらったのですが、プロパー交渉で金融機関から融資を受けていたので、まだ手付かずだったのです。

「これだ! 出店に伴って今の状況になっているのだから使えるはず!!」

そう考え、すぐに銀行担当者にアポをとりました。
 もちろん実情をそのまま伝える訳にはいきませんでしたが、依頼があった必要書類を揃えて提出。

交渉の場では、背中に冷たい汗が常に流れていたのを記憶しています。焦りは禁物、確実に融資実行に持って行く必要がありました。今後の展開計画や将来性についてもしっかり説明し、ヒアリングが終了。

後は、運を天に任せるのみ・・・。

すぐに融資実行の返事は来ました!

「よし、つながった!!」

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 これまで銀行担当者とは、丁寧に関わり、定期的に情報報告とビジョン共有をしてきたことが信頼関係に繋がっていました。

そして、この経営革新計画の制度融資は、赤字であっても企業の価値評価がなされて融資実行されるものでした。1銀行1000万を2行から受けることになり2000万を調達!これで、従業員への給与遅配を免れることができる、そう思ってもただの時間稼ぎです。

◆背水の立て直し改善策発動!

 次は、支出削減です。世の中では、こういう状況下ではリストラ策の実行を聞かれますが私たち介護の仕事では、人材が全て。出来る限り人員削減と給与削減は取りたくない、そう考えていた私は幹部に任せていた業務の徹底的な洗い出しを行いました。

 当時ゆるゆる管理だったフランチャイズ(FC)部隊の経費を最小限にし、生産性の見えない出張の禁止(報告書の提出の義務化)、店舗支援に無駄に2、3名で行ったりしていたところを担当の責務を明確にし1人で対応させることに。(当たり前にことですが、それすら管理できていない状況)

 すぐにこの体制に移し、さらに次は直営店舗の立て直しに移ります。こちらもモデル事の適正人員の指標の明確化と管理の徹底。余剰人員は全員営業PR活動に移し、集客活動を強化。収支悪化の原因は、人員コントロールの指揮官の不在とみていた私は、シフトコントロールと業績関連KPI管理の徹底を行いました。
 さらに、幹部メンバーに担当事業所を割振り、各自2~3店舗の管理強化。私は、不採算の下位店舗を担当することにしました。なぜならば、私でできないことを他の幹部任せても上手くいくわけがないと考えていたからです。

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 2014年2月から、これらの施策を矢継ぎ早に実行!
 資金繰り状況から3カ月で立て直しが出来なければ、切り札をきるしかないと考えていましたが、それは杞憂に終わります。

 幹部メンバーとの握り合いは事前に済んでいます。もともと力のあるメンバーでしたので、一気に改善に流れが変わりました。
5月には、状況は改善。6月には一先ず利益が確保できる状態になりました。現在の運営管理、経営管理はすべてこの時の指標をブラッシュアップして行っています。情報の透明性をテーマに活動しています。

 本編では、ホッと息つく間もなく今度は社長との衝突、辞表を提出することになる話はまた別のエピソードでご紹介します。

 実は、この経営立て直しの最中である2014年3月に行政トラブル事案も勃発。こっちはこっちで・・・、メガトン級!次から次にどうなっていることやら。発生から終息まで6カ月を要し、こちらの解決も引き受けることに。

上手くいっている時こそ慎重に、ピンチの時ほど大胆に!!腹を括って逃げずに活動することの本質を体感した出来事です。

 今回のエピソードは、この辺で終了ですが、どんなことを感じ、何に気が付かれましたでしょうか?
 よく若手メンバーに日下部社長のストレス解消は何ですか?なんて聞かれますが、最早何がストレスなのかよくわからない状況です(笑)。

為せば成る、為さねばならぬ何事も! 行動こそ真実です。

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