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辛いことあったの?

2.10 10:30。ぼくはスーパーの一角で倒れていた。
原因は分かってた。昨日21時にしたODだ。


9日の夜、ぼくは興味本位でかの糖衣錠を手にしていた。
飲んだ。おばあちゃんがくれたオレンジジュースと一緒に流し込んだ。

その日の夜は楽しかった。そう、このノートを綴り出したのもその夜。積極的になって普段自分からしないリプやフォローもいっぱいした。

翌朝。彼氏と泊まりの予定があった私は荷物を詰めて家を出た。この時点で何となく今回は薬の効きが長いなと感じていた。ただ気持ち悪さではなく心地よい感じだったのでその違和感は無視していた。

10時過ぎ私は彼氏と一緒にスーパーに買い出しに来ていた。初めてヤバいかもと思ったのはこの時。見る食べ物見る食べ物全てに吐き気がするのだ。気のせいかもと思ってもう一度食べ物と対峙してみるも様子が好転することはなかった。"大丈夫か"と声をかけてくる彼氏に、薬のことをバレたくない、それでも限界が来ていたぼくは、"気持ち悪い、薬を飲んで倒れた時に似ている"とほんの少しはぐらかして答え、それからカップ麺売り場の通路の上に倒れ込んだ。そこから先は記憶が曖昧だ。

此処から目を覚ますまでの話はあくまで後から聞いた話にはなるが、あのあと売り場で座り込んだ私は彼氏に引きずられて野菜売り場まで来てそこからは2.3人がかりで休憩スペースの椅子に座らされたらしい。看護師だという人が来て、脈や瞳孔、意識の有無を確認してくれたようだ。

目を覚ますと手には水を持って飲んでいて、看護師さんに話しかけられた。
"彼氏さんから薬大量に飲んだって聞いたけど、辛いことあったの?"
答えられなかった。"ないです、何となく"ってはぐらかしてしまった。そんなぼくに買ってきてくれたミネラルウォータを渡して、看護師さんは
"たくさん飲んじゃうと不整脈とか起こしちゃう薬らしいからほんとに体には気をつけてね、病院もできれば行ってね"
そう言って最後まで親切にしてくださって去っていた。
その後彼氏が事情を母親に連絡して、ひとまずお泊まりは続行することになった。

帰り道。ヤバイ。ひたすらそう思っていた。しとどに降っていたひどく冷たか感じられる雨に打たれて何か罰みたいだなって思った。
実はぼくが過量服薬で倒れたのは今回が初めてではなかったからだ。そしてもう一つ、ぼくにはこの春からの一人暮らし、家からの退職がかかっていたからだ。

去年の8月末、ぼくは駅の本屋で意識を失って救急車で運ばれた。その搬送自体は辞退となって無かったことにはなったのだが、その数日後には閉鎖病棟に二度目の入院となっている。
そしてもう一つの理由の退職。ぼくは主治医の助けもあって勝ち得た春からの一人暮らしの権利があった。冬に家族と色々揉めたななんて話は今は関係なくて。主治医との約束で、春までに退職(一人暮らし)が無しになるようなデカい事件は起こさないように他の約束があった。もし精神疾患のせいで一人暮らしは危険だとみなされたら、来年も実家暮らしになってしまうから。なのに、やらかしてしまった。

家に着いた後、母親に直接連絡して説明するよう彼氏に言われてぼくは電話をかけた。母親はひたすら
"彼氏さんに申し訳ない、ありがとうございますと伝えてください"
"生きててよかった、ただただ自分の体を大切にしてください"
そう言っていた。そうしていったん事は終息した。


そして現在、たくさん書いてしまったかな、そう思いながら泊まりの帰路についているぼくはこの文書を書いている。でもね。ぼくまたやらかす気がする。心配とかされたいわけじゃない。何なら薬飲んでることなんて知られたくない。でも、ツイートにもいっぱいある通り薬はぼくの一部だから離れるなんて考えられないの。だからぼくにできる事は多分隠し通すことだけなんだ。じゃあね、また次の記事であおうね。

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