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ビジョンには、 "嘘"をついてはいけない #お店note

金曜日は中川政七商店取締役の緒方さんに『ビジョンファースト経営』をテーマにお話を伺いました。

そしてこの日たまたま打ち合わせで来ていた深津さんにも急遽登壇していただき(!)、noteのビジョン/ミッション設定も交えながら、いかにしてビジョンを核にした企業経営やサービスづくりにあたっていくべきかを語り合いました。

今回図らずも二社のミッション/ビジョンへの向き合い方を聞くことになったわけですが、それぞれアプローチは違うのに本質的な部分はとても似通っていたのが印象的でした。
中川政七商店はビジョンファーストですがnoteはミッションファーストだし、リッツカールトンのようにクレドが強い企業もあれば、P&Gのように『ブランドパーパス』を重視する企業もある。

『ミッション・ビジョン・コアバリュー』をセットですべて決めなければならないわけではなく、自分たちが何かを決める際に立ち戻る価値観としての『言葉』があることこそが、その組織を強くするのだと私は理解しました。

しかも企業の成り立ちや性格によってビジョンが強い企業、ミッションが強い企業などは変化し、そこに正解があるわけではないという話にも、トーク前にもっていた先入観を覆されました。

言うなれば、それは組織としての合言葉。

異なる価値観をもつ人間同士が一緒に何かに取り組むとき、立ち戻るひとつの強い言葉さえあれば、それがビジョンだろうとミッションだろうと関係なく、組織の中心にある炎として機能するということなのだと覆います。

またトークの中で特に印象的だったのは、中川政七商店のビジョンは作ろうと思って作ったものではない、ということ。

以前ビジョンファースト経営について整理されたnoteを書かれていたので、てっきりビジョンも戦略性を持って作られたのだと考えていましたが、実際には自分たちのやっていることを言語化するとこういうことだよね、という決め方だったとのこと。

なので『日本の工芸を元気にする!』というビジョンに関しては社員とのワークショップなども行なっておらず、普段の自分たちの口癖をきっかけにビジョンとして中心に置くことにしたのだそう。

面白いなと思ったのは、ある意味トップダウン的な決め方だったにも関わらず、普段自分たちが言っていること・やっていることを言語化したビジョンだったからこそみんなの納得感があったということ。

『私たちがやっていることってこれだよね』とすでにあるものに言葉という枠を与えて可視化すること。

遠い理想を掲げるだけではなく、すでにやっていることを言語化するというビジョンの作り方もあるのだな、という気づきがありました。

もうひとつ面白かったのは、二社ともに『普段からビジョン/ミッションワードを意思決定の場で使っている』ということ。

今回、イベント前にもらっていた質問でも『どうやってビジョンを浸透させればいいでしょうか?』というテーマが多かったのですが、こればっかりはウルトラCなんてなくて、地道に言行一致を積み重ねていくしかないのだなとお話を聞いて改めて思いました。

逆に言えば、普段から経営陣自身がビジョンをベースにした意思決定ができていない場合、ビジョン自体を考え直した方がいいとも考えられます。

つまりビジョンを考える際にはただ理想を掲げるだけではなく、自分たちらしさを振り返り、その延長線上として目指す世界を定めなければ絵に描いた餅になってしまうということ。

以前読んだ『ほんもの』の中でも、こんなフレーズが出てきました。

将来、できうることや、主張しうる事柄が、起源+歴史によってどのように限定されるか。こうした質問に答えることで過去をきっちりと把握し、現在の自分を明確に位置付けることができる。
(中略)
不可能な夢を見てはいけない。できることをして、できないことをしてはいけない。限界を知ることでのみ、現実的な選択の幅を広げることができるし、到達すべき場所を見つけることができる。

つまり自分たちが目指す場所は『ここではないどこか』ではなく、『これまで歩んできた道の先』にしかないということ。

ビジョンやミッションも、理想先行で綺麗な言葉を並べるだけではなく、自分たちがこれまで何をしてきたか、そしてどんな姿勢で取り組んできたかをベースに考えなければ日常の行動に落ちる言葉にはならないのだと思います。

驚異的な記録も圧倒的な成長も、結局は日常の積み重ねの先にしかないものだからこそ。

言葉だけが先行してしまって行動が伴わないという状態になってしまわないように、目指したいことに嘘をつかず、自分たちがやってきたことをまっすぐに見つめてビジョンを定めることこそが、ビジョンファースト経営の要諦なのではないか、と考えさせられたトークイベントでした。

***

当日のトークの様子は、#お店note のハッシュタグでたくさん実況ツイートが上がっているので、ぜひそちらもチェックしてみてください!

また、同じく #お店note のハッシュタグでnoteのレポートも!
ぜひあわせて読んでいただくと、今回のイベントについて理解が深まるのではないかと思います。

ちなみに10/31にはnoteでこれからの「お店」を考えるイベントも開催予定!

これからブランドづくりやお店のあり方がどう変わるのかについて興味がある方のご参加をお待ちしています!

★noteの記事にする前のネタを、Twitterでつぶやいたりしています。



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Retail Futurist / curator。「知性ある消費を作る」をミッションに掲げています。 将来は世界一の店舗メディアを作る予定。noteの有料マガジン「余談的小売文化論」とコミュニティマガジン「消費文化総研」もよろしくどうぞ!