「グリーンブック」を観て

ぼんやり気になっていて、勉強するのもやる気が出ない日だったので一人でグリーンブック鑑賞会。

想像以上に良かった。
今までなんとなく気になっていたけど手が出なかった作品。
実話ということも最後まで知りませんでした…(笑)

本当はあまりこういう言葉使いたくないけど、今回は物堅しの趣旨も汲んで、あえて黒人と白人という言葉を使わせていただきます。

すごく簡単に物語説明をすると、アメリカで人種差別が激しかった時代に、黒人のピアニストが南部にツアーに出かけ、その運転手を白人のトニーが務めるという話。
これだけ聞くと全く感動しなさそうだかた作品関係者に怒られそう…すみません。

想像以上の人種差別にかなり胸が痛みます。自分のルーツが違うからと、こんなにも不遇な扱いを受けることがあるのかと、もし自分が差別される側に立つことを考えると、ぶつけることのできない怒りで押し潰されるな…と思いました。

アメリカにおける人種差別も徐々になくなってきてはいるものの、なかなかクリアになったとは言い切れないのかな?と思ったのが、コロナ禍でのアジア人差別。
アメリカに住んでいるアジア人が突然暴行されるなどといったことが現在もあるのが現実です。アジア人も行く場所によっては差別の対象だし、日本人というくくりでの差別もあると思います。

だからこそ、歴史を知って、敬意をもって多くの人と接することが大事だなと。日本も差別をしてきてしまった歴史があることは事実だし、迫害をしてきてしまったのも事実なので…。

この歴史を多角的に知るべきだと思ったのは、一昨年、ゼミで韓国のフィールドワークに行った時です。
戦後最悪の日韓関係とメディアで取り上げられ、韓国の街を歩く日本人が韓国人に襲われる事件等も取り上げられていました。
何がそうもさせているのか。歴史も現在の政治も複雑に絡まった結果なのだと思います。
実際に現地を訪れた際には、そんな日韓関係など全く感じられず、温かい韓国の人たちに囲まれ、本当にいい時間を過ごすことができました。

それでも、日本へのヘイトを目にしたのは歴史博物館。
出口の感想をぺたぺた貼っていくコーナーに「NO JAPAN」と書かれていました。
覚悟はしていたけどこれを目にするのはつらかった。
知って歩み寄ることができるのではないか、文化も近いし、もっと仲良くなれるのではないか、と思っていた自分の軽率さを思い知らされたものです。

「日本」や「日本人」みんなが韓国を嫌いなわけではないし、逆もまたしかりだと思います。だからこそ、大きな主語でとらえるのではなく、客観的に、多角的に物事を知ることが重要だと感じます。
こう考えると、歴史教育って、すごく重要だし、伝え方で子どものとらえ方が大きく変わってしまうと思い、その後の塾講ではかなり責任を感じて仕事していました(笑)

きっとちゃんと個人として相手を知れば変わるよねっていうことを今回再認識させてくれたのもこの「グリーンブック」です。
最初は黒人への偏見を持っていたトニーやその家族の変化にぜひ注目していただきたい。

人種とかってすごく根深いものだと思います。しかし、自分のアイデンティティの中で最も変えることが難しいものにもなります。(私がアメリカの国籍をとってもルーツが日本であることを変えられないのと考えるように)

だからこそ、歩み寄りが大事なのではないでしょうか。

すごくいい火曜日の夜になりました。
ほかの人とも感想のシェアをしたい映画です。

それでは!

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