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よだかの優しさは永久に輝く

こんにちは。

みなさんは、宮沢賢治の、『よだかの星』という童話をご存知ですか?

たくさんの名作童話を残した宮沢賢治ですが、『よだかの星』は、もしかしたら少しマイナー寄りかもしれません。

ですが、私はそれを今回ぜひ紹介したい。
なぜなら、「よだか」とは「ヨタカ」のことだからです!

ヨタカとは、鳥の名前です。
フクロウに似た体つきに、カエルのような大きな口をしています。
決して美形ではありませんが、なんだか憎めない顔なんですよね。

そして私、少し前の記事で好きな鳥を紹介したのですが、その中の一つが、ヨタカの一種である「ガマグチヨタカ」だったんです。

これです。↑

よだかって何やねんと思いながらこれまで気に止めなかった私ですが、それがヨタカだったことが分かったとたん、俄然テンションが上がりました。

宮沢賢治の童話には動物がたくさん登場しますが、まさか、ヨタカが主人公のものがあったとは…

では、そのお話のあらすじを簡単にまとめます。
(台詞は私が勝手に書いたものです。素晴らしい文章はぜひ本文で。)

よだかはその醜さから、他の鳥たちに嫌われていました。鷹には、「お前に俺と同じ『タカ』って言う名前がついてるの嫌なんだけど。名前変えてくれない?」などと言われる始末。

そんなよだかがある日の晩に口を開けながら空を飛んでいると、口の中に虫が入ってきました。よだかはそれを飲み込みましたが、その時、なんだかぞっとするような気持ちを感じます。

そしてよだかは、大声で泣きはじめました。
「たくさんの虫が僕に食べられる。なんて辛いんだ。あぁ、もう、鷹に殺される前に、死んでしまおう。」
そう考えたよだかは、弟であるかわせみに別れを告げに行きます。かわせみは止めようとしましたが、よだかは聞きませんでした。

夜が明けるとよだかは巣から出て、太陽の方へ飛んでいきました。
「お日さん、どうか、あなたのところへ連れていってください。僕のような醜い鳥でも、焼け死ぬときくらいは小さく輝くでしょう。」
お日さまはこう言いました。
「よしよし、可哀想に。だが、お前は夜の鳥だろう。頼むなら星に言っておくれ。」

夜になると、よだかはまた空に飛び上がりました。美しい星たちに向かって、よだかは必死にお願いします。
「お星さん、どうか、あなたのところへ連れていってください。」
しかし、星たちには断られてしまいます。
がっかりしたよだかですが、諦めずに、どこまでも空高く登っていきました。

そして、いつしか気付きます。
自分の体が、青い光になって燃えていることに。
すぐとなりには、カシオペア座がありました。

よだかは、いつまでも夜空で燃え続ける、美しい星になったのでした。

……よだか!!!泣

よだか、君は醜くなんかないよ……自分に食べられる虫たちのことを思って泣くなんて、なんて綺麗な心を持っているんだ。

宮沢賢治のお話って、読むとすさまじいスピードで心が浄化されます。どれだけ自分が汚れているか、疲れているか、思い知らされますね…。清い心が何よりも輝いてるんだって、昔はちゃんと知っていたはずなのにな。

ちなみに、弟として描かれているかわせみは、こんな鳥です。

綺麗な鳥ですよね。
どうやら、かわせみとよだかは分類学的にも類縁関係が近いようです。宮沢賢治は知っていたんでしょうか。多才な人です。

また、星たちと会話する場面を読むと分かるのですが、宮沢賢治は天文学にも詳しかったんですね。私は星には詳しくないので、勉強したいなと思いました。

今回は、私の好きな鳥が登場するという浅い理由から『よだかの星』を紹介しました。

教訓と言うと堅苦しいですが、個人的には何か感じるものがあるような気がします。

「最後は星になりました」っていうラストはわりとありがちかなと思うのですが、なぜかいつも感動してしまいます……星が持つ神秘的な力のせいでしょうか。

弱肉強食の世界で疲れてしまったとき、また読み返したい作品です。

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