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プロダクトマネージャーの「動きの質」を高める方法

ある時コーチングをしていて気がついた

日本でプロダクトマネジメントの裾野が広まるにつれて、良質な書籍や情報など、学びのコンテンツはここ最近急速に増えた。(私のUdemyをご愛用の皆様、いつもありがとうございます🙇) 数年前より始めやすく、学びやすくい環境になっている。一方いざプロダクトマネージャー(PM)になってみて学んだ通りにいざ動こうとしても、カバー領域の広さから一体何から手をつければいいかがわからない、からもう一度本を読んでみよう・・となる人が多いようだ。ただ、万全と読み返していては意味がない。そこで、日本のPMの方たちをコーチングしていて気がついたことをまとめてみる。

まず、「何から手をつけていいかがわからない」のは、PMに関する「知識」としては頭の中にあるのかもしれないが、体の動作に結びついていない状態。 サッカーに例えると、パス出しにはインサイド、インフロント、アウトサイドキックが「ある」と知っているが、実際にどんな場面でどう蹴りわけるか(使いこなすか)わからないのと同じようなこと。

そこで、最初に大事なのは「状況判断」。

プロダクトを担当する時、例えばPMは以下のような状況判断を行う。

  • プロダクトはどこを目指してる?

  • プロダクトは成長してる?滞ってる?

  • プロダクトは利益をだしてる?コストかかってばかり?

  • ユーザーは定着してる?離れている?

  • どんな情報をもとに意思決定してる?
    etc

これをサッカーに例えると、こんな状況判断を行う。

  • 敵は格上か互角か?

  • 残り時間は?勝ち点は?

  • ボールを持つと、誰がどこから寄せてくる?

  • 芝は深い?浅い?フィールドは平になってる?ボコボコ?

  • フィールドのどこでボールをもらったか?
    etc

つよつよなシリコンバレーPM達に見られる特徴

プロダクトマネージャーに求められるのは、置かれた状況における最適な「モーション」を選択して実行できること。シリコンバレーのPM界隈でつよつよなPM達の中にみられるのは、この「モーションの質 (=選択の速さと実行力)」が抜群に高レベルな人が多いということ。 的確な状況判断から今プロダクトがゴールに向かうためにすべきことは何かを選び出すことが非常にうまいのだ。

プロダクトマネージャーとして無数にあるモーション(後述)から、最も効果的なモーションを選ぶ、ときには自ら選択肢を作り出す。 それと同時に各選択肢に紐づくリスクを鑑み、どうダメージを最小化するかまで思考をめぐらす。 この「モーションの質」を高めるためには何をしたらいいだろうか?

高い状況判断能力を身につける

まずモーション以前に、PMとしての状況判断が的確にできなければどんなモーションも効果が薄い。下手するとマイナス方向に動いたり、周りが混乱する。状況判断といっても時間をかけて調べるという意味ではない。限られた時間の中で、プロダクトがうまくいっている、いっていないの判断とその根拠となるアタリを定性・定量・組織等の側面からつけていく。そして、そのプロダクトの状況はビジネスにどう影響を及ぼしているのか、鳥の目・虫の目・魚の目で文脈を理解する。

モーションの選択肢を振り返る

PMがとれるモーションは無数にある。思いつくままに上げても60個くらいある。

ぜひ自問自答してほしいのだが、

  • そもそも自分はどのくらいのモーションの中から選んでいるだろうか?

  • 自分は同じモーションを繰り返していないか?

  • おかれた場面で適切なモーションを選んでいるか?

  • それで本当にいいのか?

モーションの質を高める

望ましい結果が出ていない場合、自分のモーションの実行のしかたに問題があるか、そもそも適切なモーションの存在を知らない可能性がある。それを原因自分論で振り返る。モーションの選択・実行のどこを変えればいいか? さしずめ、ゴール前でボールを敵に奪われ失点しまった時に、あの時どうすれば奪われなかっただろうか?振り返るのと同じ。 この経験と振り返りの積み重ねが効いてくる。

まとめ

  • PMの強さ=PMとしてのモーションの質の高さ

  • モーションの質を高める前に、まずは状況判断能力を高める。

  • 自分がよく選ぶモーションとは?それ以外のモーションとは?

  • うまくいかなかった時、どのようにモーションを選べばよかったかを振り返る。

  • 書籍を読み返すなら上記の用途で読み返す。万全と読み返すのは意味がない。

ぜひ自分のプロダクトマネジメント力をあげる参考にしてみてください!

ちなみにトップ画の読書地図はここから使わせていただきました。


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