この書物の本番は第五章からです。第五章では、哲学者マルティン・ハイデッガーの退屈論に触れています。人間は、動物とは異なり、環世界に囚われていないから、自由である、という考え方があります。
第六章では、生物学者ヤーコプ・フォン・ユクスキュルが説く環世界に触れて、國分さんの考え方が示されます。人間も環世界を生きているが、環世界間を移動する能力が高いから、自由なのではないかと。環世界間移動能力があるから、環世界に留まれずに退屈するのではないかと。
そこで、私の関心は、本筋から離れて、ユクスキュルの「時間」の考え方に移動しました。人間の環世界における「時間の流れ」が気になります。
「時間の流れ」について、問い詰めつつある私の記事が三つあります。
以上、言語学的制約から自由になるために。