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品ぞろえやメニューは多い方がいいのか?少ない方がいいのか?

Voicy No.181 2022年7月1日放送 

本日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓
https://voicy.jp/channel/2089/343945


最初に伝えることを絞り込む


品ぞろえが多くてもいいですが、最初に伝えるものは絞り込むことが必要です。

ブランディングのアドバイスをするときに、何のビジネスをどんな感じにやっているか、聞く機会が多いのですが、大概の方は、オレがナチュラルプレゼンと呼んでいる自己紹介の準備も練習もしていないので、大体何を言っているかわかりません。

でも、しゃべりのジャッジメントをするのは仕事ではありませんから、腰を据えて聴くわけですが、含める要素が多すぎて山盛りでしゃべっている方が本当に多いです。

これが今日の「品ぞろえやメニューが多いほうがいいのか?少ないほうがいいのか?」という話のポイントと完全一致します。

だんだん全体が好きになる。


ブランドや自分の説明をして理解者を増やしていくときに、最初から全人格を愛してもらうのは無理じゃないですか。人が人に興味を持つところは1個か2個ですから。

「なんか趣味が合いそうだな」「宮崎駿映画が好きなんだな」「この人の仕事って面白そう」「この男性はすごく収入がありそうだ」「笑顔がすてきだな」とか、最初はその程度ですよね。

そこから興味の対象に深さや幅が出てきて、得ている情報が増えてきて、だんだん全体が好きになるのです。

それなのに、自分自身とかブランドを説明しようとすると、とたんに、めちゃくちゃ山盛りの説明をし始めます。

そもそも感動するようなプロダクトでないとダメですというのもありますが、ただ品ぞろえを増やせばいいわけではないので、そこだけ補足しておきますね。


アマゾンと楽天 VS 中小企業


アマゾンと楽天が出てからは、中小企業や個人がやることがなくなってきています。

品ぞろえを増やせばいろいろな人にリーチして、お客さんが増えるという発想自体、大資本を持っていなかったら絶対にやるべきではありません。

複数のプロダクトとかメニューを持つのは全然構いませんが、ブランドとして出すときは1種か2種に絞り込んでアイコン化して、そこをキャッチしてもらわないといけないのです。

ブランド自体やコンセプトを伝えるときも、会った方にナチュラルプレゼンで1~2分で自分のやっていることを話すときは、編集したり一部に絞り込んだりすると、誤解が生まれるかもしれません。

かといって、聴いている側はいきなり山盛りの情報を出されてもキャッチできないので、情報は絞ったほうがいいのです。

コンビニに2000~5000種の商品があっても、1人がコンビニに寄って購入する種類は3種~5種といわれています。2000種類あるうちの500種類を買っている人は、なかなかいないですよね。

結局、人が認知して活用したいと思う情報や品ぞろえは、すごく少ないものです。

ブランドづくりをするときは、自分のファンになってほしい人を強烈に絞り込み、その人たちが愛してくれるもの、欲しくなるものを強調して配置して、見えるようにして伝えていくことがとても重要ですが、品ぞろえを増やしたほうがいいと思いがちです。

しかし、それは資本がなく、人的リソースが余ってない中小企業や個人事業主がやることじゃないのです。

品ぞろえがあってフルライン戦略で勝負できるのは、業界1位のところぐらい。

多方面攻撃は戦争でも勝てません。2方面攻撃でも無理といわれているので、やっぱり1点突破が大事です。

品ぞろえがあるのはいいですが、出していくときは絞り込んで、ブランドのアイコンとして出して行ってください。

でも、一番売れているものを出すのかというと違っていて、売れていなくてもシンボルとして自分のブランドや商売を象徴するようなものを中心に据えて出していく。

いろいろなものをそろえたら勝てるなら、飲食店をやったときにファミレスが一番強いことになります。

手打ちのそば屋とか、ピザなら手ごねして手で伸ばして釜で焼いているところとファミレスを比べたらファミレスなんて何でもあるわけで、ビジネスをやっていると、そういう悪魔のささやきがあるものです。

そばをやっていると、そば屋の前を歩いているカレーを食べたい人もいるだろうからカレーもやってみる。おそば屋でカレーはありますが、カツ丼も出したほうがいいなと思ってしまう。

カツ丼を出して、そばも出して、ピザもやったほうがいいとやっているうちに、何屋だからわからなくなってブランド力が下がっていく。

さまざまなことをやるのは悪くないですが、最初に認知されていくところは絞り込んでいったほうがいいのです。

コテツの情報も、結構絞っています。

オレは趣味がいろいろありますが、それをいちいち出していません。「ブランディングと商売的な話」に絞り込んで出しているわけ。

全面的に愛してもらうというやり方はオレの場合とは違って、ファンビジネスともちょっと違います。

絞ったものがアイコンになる


ミスチルとかB'zとかサザンは、シングル曲やアルバム曲でリリースしている曲数は数十曲数百曲に登りますが、アイコンとなる曲は2~3曲でしょう。

皆さんが知っているのも10曲、20曲だろうと思います。

でも、「ザ・ミスチルは?」となったときに頭から流れる曲を「せーの」で言ったら、大体同じような曲を歌いませんか。B'zとかサザンに関しても同じです。

なので、スーパー品ぞろえがあるところも、人々に浸透してしまうのはアイコンとなる一部。ですから、個人事業主や中小企業が多大なる広告費とリソースを使って「全部わかってもらう」などと考えないこと。

とにかく「あそこと言ったら、あれだよね」と言われるものに、絞り込んで出していったほうがいいのです。

「品ぞろえは少なくてもいいですが、多くてもいい」ではなくて、「それをどう打ち出していくかのほうが大事だよ」というお話でした。

以上、久々野智小哲津でした。

本文はコテツのVoicy「ブランディングと商売の話」を文章化し加筆したものです。
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