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高級食パンブーム終焉に思うこと。

Voicy No.0252 2022年12月14日放送 
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ!

ブランドとブームの違いは「コテツのブランド論」のベースとなる、とても重要な部分です。まずそれを先にお伝えして、高級食パンブーム終焉で思うことをお話しします。


ブランドとブームは全く別物だ。


テレビで露出してみんなが知って
みんなが欲しがってブームになります。

ブームが続いていったら
いつの間にかみんなが知って欲しがって
人が群がったものが
その先成長したらブランドになると
思っている人が多いですが
なりません。

ブームは不特定の大多数
大衆がなんとなく今興味があることです。

それぞれの熱量が百点満点でいうと5%~15%で
ブームのときだけ一時的に30%~40%まで
上がります。

「時間があるから、あれを食べてみようかな」
ぐらいがブームなのです。

ブームは、多くの人がやや興味が
高まっている状況です。

ブランドは、ほかの人からすると
全く欲しいと思わないものが
ごく一部の人にとっては
百点満点の欲しい気持ちが
五百点、一千点になることです。

だから、「いくらお金を払ってでも欲しい」という
熱いファンの方がいる状態をブランドというので
つくり方が全く逆なのです。

オタマジャクシが大きくなっても
大人のオタマジャクシにならないのと一緒で
ブームを続けたからといってブランドになりません。


ブームをブランドにする方法。


ブランドになっているものが
ブームを途中でわざと引き起こした上で
新規のお客様と接点を持つやり方はあります。

グッチがドラえもんとコラボしてとか
ヴィトンが何かとコラボしてとか
六本木のミッドタウンの無料のイベントに
来てもらった人の中から
その先にブランドを愛してもらう人を
つくっていくやり方です。

ただ、ブームの延長線上にブランドはなく
途中からブームをブランドに変えていくという
戦略の変更が必要で
全くやり方が違います。

高級食パンブーム終焉に思うことは
今日の趣旨として
高級食パンだけを下げてたたくつもりはありません。

というのは、スイーツのお店を自分で
やっていたことがあるからです。

そのときは
ヨーロッパから持ってきた高級チョコレートで
ブランドづくりをした後
日本でスイーツブランド興して
ブームをつくってみようと思い
1年間で40回ぐらいテレビに出ました。

露出に対応できるような
タレントっぽい人を中心人物において
その方も一緒に
テレビとかネットメディアにすごく出たのです。

ブランディング、ファンづくりができるオレが
やってみて思ったのは
ブームはいいところ2~3年だということでした。


ダイレクトコミュニケーション。


皆さん、露出とか知名度がすごく好きですよね。

どんな病気でも治る万能の薬が
世の中にあると思い込んでいるぐらい
商売をやっている人は
「知名度さえあれば」と言います。

その時点で相当ずれていると思います。
露出だけしたところで持たないからです。

高級食パンもブームになったときに
本当にブランド化していこうと思うのであれば
コミュニティ化したほうがよかった。

コミュニケーションをして
人対人のつながりをつくるのが
ブランドづくりのベースです。

高級食パンをやっている会社さんの中でも
初期投資の回収も終えているし
3年、5年やったので
いいと思っているところもあるでしょう。

決して「間違いでしたよね」という話を
したいのではありません。

露出と多店舗展開することだけでは
ブランドのように長く続いていくことはできません。

ブランドには、コミュニケーションデザインが
必須だからです。

ですから、本当に強いタレントさんや
オピニオンリーダーの方は
本が売れようが何かで露出していようが
ダイレクトコミュニケーションを
めっちゃやっています。

テレビにあれだけ露出していた
ジャニーズレベルでも
コンサートは絶対に外せない
ファンの方との交流の場という位置付けで
実際にリアルで顔を合わせた
熱いコミュニケーションが行われています。

コロナ禍のとき
お店に行ったらお客さんは誰もいないけれど
業績が好調で
なんとか持っていた商売にデパートがあります。

デパートも外商の売上比率は
各店舗によって違いますが
かなりの売上を保ち続けているわけ。

それって担当さんが外商の顧客の家に行って
家族ぐらいみのお付き合いをしているからです。

結局、物の魅力なんて続かないのです。

高級食パンブームのときに
もしオレがブランド化していこうとするなら
コミュニティ化してパンを一緒に食べていきます。

つくり手だけではなくて
ファンの方同士の交流も含めてです。

ただ1斤2000円とか3000円で売れるからと
品物だけ売って
お金と物の交換だけをやっていては
ファンの方とかお客様が残り続けることは
ありません。

いい飲食店も、結局サービススタッフとかシェフとか
オーナーとのコミュニケーションが
心地いいことで残ったりします。

美容サロンのブランディングも
いくつもやってきました。

技術を上げたところで結局は美容サロンも
コミュニケーションや居心地の良さに付いてくる。
ダイレクトコミュニケーションの強さを
どれだけ大事にできるかです。

高級食パンの味は
コンビニのものと比べてどうとか
高すぎると言われます。

高くてもダイレクトコミュニケーションを取り入れて
普通に売った後にファンが集えるような状態にして
特殊な人間関係や
そのブランドに対する愛着をつくれば
残るブランドもあるかもしれません。


大企業とは違うビジネスモデル。


「そんなことを言っても、
吉野家とかマクドナルドだって
コンビニだってあるじゃん」と言いますが
それは「面で抑える」という量の桁が
5桁も10桁も違います。

個人事業主とか
ちょっと物販をやっているような
100億~200億、1000億ぐらいの中堅企業が
コンビニとか吉野家、マクドナルドレベルで
1週間町を歩いていれば
3回も4回も視認する状況に入ってくるなんて
無理でしょう。

そもそも大量露出で常に身近にあって
気付いたら手に取れるとか
歩いたら15分のところにビジネスを
成立させようというのが
中小企業とか個人事業主が目指すべき
ビジネスモデルではないのです。

高級食パンブーム終焉に関しては
そんなことを思ったりしていました。

コテツでした。

本文はコテツがVoicyの
「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして
『コテツ』で検索、無料で聴けます。
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久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
Instagram https://instagram.com/q.kotetsu/?hl=ja
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