『金儲け』と『やりたいこと』のはざまで。
Voicy No.0220 2022年9月26日放送
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人は白黒つけたがるので、頭の中のモヤモヤを消したくなります。仕事や人生で迷ったら、この状態をどう使うかを考えてみてください。モヤモヤは宝です。「金儲け」と「やりたいこと」は両取りできます。
金儲けの技術
ビジネスの話を聞いていたり、X(Twitter)とかFacebook、YouTubeを流し見したり趣味のものを見ていたりすると、レコメンドされるものが目に入ります。
そんな中で1つのビジネスに対する捉え方として、金儲け技術や金儲け自慢が好きな人がいます。
先に言っておきますが、オレには金儲けが悪いという考え方はありません。
クオリティーを上げるにしても社員に給料を払うにしても、金儲けが下手な社長とか金儲けが下手な人とチームを組むって本当にきついから。
日本人はお金アレルギーです。「しっかり儲けましょう」というと、なんだか意地悪い人のようになりますが、金儲けが下手すぎる人には結局人が集まってきません。
ボランディアでやれというのか?ということです。
情報商材と「成り上がりコンテンツ」
金儲けの技術とか金儲け自慢が好きだという軸を強く持っている人は、オレが経営を始めた二十数年前から一定数いました。情報商材、もっと古くはマルチレベルで、いわゆるネズミ講といわれたものです。
情報商材とマルチやネズミ講は一緒じゃないという人もいますが、ざっくり大きなくくりとして言います。
「友達を紹介したら儲かるよ」という文脈でいくと、「YouTubeをやったら、仮想通貨、NFTを今からやったら儲かる」といった軸で判断するスタイルというか基準の人がいます。
そういう人の中には、X(Twitter)でも月収何桁とか、月収と月商をごっちゃにしてしまう素人を相手に、丸め込むようなやり方をする人もいます。
ほかにも、とても古典的ですが、札束の写真を出せば本当に興奮する人がいると思っていたりします。いわゆる「成り上がりコンテンツ」的なやつです。
「とても恵まれなかった私が、何々をやったおかげで自由とお金を手に入れた」みたいなビフォーアフターは、マーケティング的にはもう古典ですが、そういうものに興奮して、そこを中心にビジネスをやっている方がいるのです。
自己啓発と「勇気づけ業」
もう一方で、好きを仕事にとか、やりたいことをとか、自分らしい生き方が基準というか、そういうものに寄って集まっていくタイプの方がいます。「自分探しをして自分を好きになり、自分のやりたいこと、起業をしましょう」みたいなものです。
これは一部、自己啓発と重なりがあります。
本当に伸ばすメソッド、手順、ワークショップをする自己啓発もあれば、オレの言い方だと「勇気づけ業」と呼んでいるものに分かれるのです。
「君にもできる」「オレもできたので、あなたにもできる。人間みな一緒」みたいに、勇気づけられて気持ちがすっとするので、仕事として「それもあり」と思っています。
売る側と買う側で提供しているものの価値に納得して、買う側が求めているならいい。勇気づけてくれるだけで心が軽くなるときも、人によってはあるでしょうから。
頭の中のモヤモヤは宝。
ビジネスの話をしている、大体どちらか一方に寄っています。
拡大領域だからNFTとかは今後あり得ると思いますが、ただの儲け話が好きな軸か、それとも「好きなことでビジネスにする」みたいなものは対極という感じがあります。
それは悩みたくないからでしょう。
心の中にモヤモヤとした空気が充満して、白黒付いていない状態がイヤだという人が結構多いから。でも、そのモヤモヤ状態をどう使うかが、人生やビジネスをうまく乗り切るカギになるのです。
どっちも取り入れればいいじゃん。
やりたいことも儲かることもどちらもいいと思っているし、なぜどっちかに寄っていくのかと思っています。儲かるし、自分のやりたいことも入っているから、そのハザマで悩む感覚がオレには全くありません。
なんか意味深なタイトルを付けてしまったなと今になって思いますが、金儲けとやりたいことのハザマに、ビジネスが成立するからです。
お客様やファンの方のニーズを見ていくと、自分のやりたいことに多少寄せていかないと成り立たないじゃない?
ビジネスなんて最初はお客様やファンの方の需要を満たさないと成立しないから、自分のやりたいことを押し通さなくてもいいのです。
だから、どっちも交えて考えているし、正直、どちらもそんなに重視しなくてもビジネスは成立すると思っています。
だから「好きを仕事に」というより、オレ自身は使命感でやっているのです。
自分自身の能力、才能、興味はあっても、やっぱりお金をお支払いいただけて、自分が力になれることを仕事にすることになりますから。
好きなことはあっても、それはそれでいい。「好きを仕事に」と「ただの金儲け」とのハザマで、両方を取り入れてやっていくのがビジネスです。
最初は儲けよう
でも順番があります。最初は儲けて種銭をつくらないとしょうがない。
自分のやりたいことをやっているけど全然儲からないとクオリティーも上がらないし、競争にも勝てない、協力者も出てこないから、最初は儲けないといけません。
オレは儲けるビジネスに関して嫌いなものもありますが、儲けようと思ってやるという意気込みは、全く否定する気はないというお話でした。
久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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