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ブランディングするなら、ファンとの関係をまず考えろ。

(Voicy No.0105 2022年1月13日放送)

ファンの方との接点をどうするの?


ブランディングという言葉の曖昧さ、用語の適当さがアクションのあいまいさを生み、結果につながらない不安定さの要因になります。ブランディングはファンづくりで、ブランディングとはファンがいるかいないかです。

ファンというのは顧客ではありません。「相対比較を超えて、競合と比べられたときに値段とか性能を全く比べずに特別指名で選ばれる」という状況が、ファンの方と関係ができているブランドです。

「こっちのほうがお得だよ」と言われても、「私はこれにするんだ」となっているとブランドです。ですから、ブランドは有名だからではなく、ブランディングは露出を増やすことでもなく、ファンがいるかいないかなのです。

また、ブランドという言葉は「ファンとの関係」とも解釈できるので、リブランディングでそのブランド自体のコンセプトも見直しますが、ファンの方との関係をどうするかというのが、かなり重要なテーマになってきます。

ブランドを考えることはファンとの関係を考えることだとしっかり置いた上で、今日は話を進めていきます。

コテツ流ブランドの本質。

ファンの方に何を提供して、どんなファンの方と、どういうコミュニケーションをするのか。というか、ここから行かないとブランドになど絶対になれないはずです。

集客策で露出を増やしたらブランドになると思い込んでいる人は、ファンとの関係をどうつくっていこうかという発想になりません。

ファンの方に何を提供して、どういう方と、どういうコミュニケーションをすればいいでしょうか。

コテツのブランド論と商売の根幹を「マーケットは必ず変化する」ということを元に考えているので、絶対にうまくいく方法のような法則やメソッドを提供するよりも、自分も含めて一般消費者ですし、ビジネスをやる側だと思っています。

今の世の中で物を買う人たちがどう変わっていっているのかを見つつ、そこに合わせていくヒントを得てもらうのが、コテツのブランド論とかビジネス論の根幹になっているのです。

ですから、「これとこれだけやればうまくいく」という手っ取り早いレシピみたいなものは、あまり提供したいと思っていません。

おかげさまでクライアントさんが結構多いので、いろいろなクライアントさんの商売の裏側を見る機会をいただいています。

「今は消費者の心理はこうなっているかもしれません。もしかしたら、ご自身の業種・業界・職種を参考にして、今の消費者に合わせていけるかもしれない」というものを提供し、ブランドに関しても本質論をお伝えした上で、枝葉のところは一緒に考えていくのがオレのやり方です。

そういう関わりをしたいと思っています。

コテツにおけるファンの方というのは、消費者、マーケット、あるいは変わりゆく競合(コンペティター)との動向をにらみながら、自分のビジネスを変化させていって、もっとよりよい関係をファンとつくりたいという人に向いています。

ですから一度つくったら変えたくないとか、昔ながらのやり方を変えたくないというパターンは、全然オレのやり方と合いません。

ほかにも、ブランドの話をしているときはブランドづくりをやりたいので、一時的にブームをつくるのとごっちゃにしないように、その辺に理解がある方と関係していきたいと思っています。

コミュニケーションの取り方としては、コテツラジオとか、このコラムとか、定期的なトークイベントでお話しする機会を得たり、コテツゼミという勉強会でコミュニケーションを取ったりしています。

コテツゼミは人数を増やさずにやろうとしているので、そもそも数千人、数万人は目指していないのです。それがオレの関わりにおける考え方で、何をやっている方なのかわかる範囲でやっていきたいから、そういう設計になっています。

ファンビジネスは、今のところやらないと決めています。

ファンビジネスというのは「コテツのブランド論」とか「ブランディングと商売の話」中心に最初は接点を持って、オレのライフスタイルにさまざまに興味を持っていただくのはいいですが、そちらを商売にしないでおこうと思っているのです。

オピニオンリーダーがいれば何でもお金になるみたいな感じで、要点を広げていくやり方というのが定石です。でも、あまりやりたくありません。自己啓発領域にも全然行くつもりはありません。

自己啓発に関しては思うところはいろいろあります。ビジネス的にも自己啓発という領域は、ものすごく広いです。社会人となり経営者になってから自己啓発のセミナーを30年ぐらい見たりしていますが、ちょっと引っかかりがあるので、あまりそちらに寄っていかないようにしようと思っているところです。


ファンとどう交流していくか。


どういうファンの方とどういうコミュニケーションをしたいのかという内容を、ざっくりとお話します。

ブランドになりたい、ブランディングをしたいときに、ただ単に目立ちたい、フォロワーを増やして自己顕示欲を満たしたいというのは全然いい。それなら、そう思ってやってください。

フォロワーが増えて喜んでいるのは、ブランドオーナー本人だけです。そういうタレント的な見られ方とブランドになることは全く別の競技なので、そこがごちゃごちゃになっているのが不幸を生んでいるのです。

タレントになるのは、ブランドになることかは最も遠くなります。どちらいいとか悪いとか、上だとか下だとかではないので、ここは補足しておきますね。

タレント的な立ち位置とインフルエンサー的な立ち位置というのは、「大勢の人が見ている」ということが最大の売りです。つまり有名になること自体を目指していって、有名だということ自体で説得力を持たせているのが、タレントやインフルエンサーの立ち位置なのです。

ブランドというのは「あなたじゃなきゃダメ」という人がいる状況なので、誰でも見てくれればいいということではありません。その時点で、第一歩が南極に向かうのか北極に向かうのかくらい真逆で、違いがあります。この辺がごちゃごちゃする原因だと思っています。

ファンとの接点の設計がまずあって、「ブランディング=ファンとのコミュニケーションの仕方の設計、関係の仕方の設計」です。ブランディングしようと思ったらファンの方との接点の設計がまずあって、それと並行して、集客とか広告の作戦がある。これは新規の方向けに言っています。

ですから、ここは分けないといけません。ブランディングとマーケティングは必ず2層構造で、連動はしていますが全く別の動きになります。

ビジネスでブランディングしている方を見て、とても強く思っていることがあります。もちろん商売というのは新規を取らないと成り立たたないから、新規を取りたくて集客なりSNSを頑張るのはいい。けれども、新規集客ばかり考えていて、既存のファンを軽視しすぎではありませんか。

ラグジュアリーブランド、ハイブランドが、なぜ長年にわたって成り立っているかというと、既存のファンとのコミュニケーションや関係づくりに最も時間とお金をかけ続けているからです。新規を取らないと成り立たないし、両面必要だということです。

以上、久々野智小哲津でした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
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上のVoicy音声は
こちらからどうぞ。


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