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【 noteで学ぶ 世界の名画とアート思考 】 「真珠の耳飾りの少女」に隠された光の魔法—フェルメールが描いた"永遠の謎"

= こんな人におすすめの記事です =

「 “ アート ”や“ アート思考 ” ってどうやら大事そうなんだけど、アートの見方もそもそも何なのかも、全然わからない。…でも、我が子に“ アート教育 ”はさせたい! 」

これ、僕の欲求です(苦笑)。
でも、あるある、ですよね?

ですが、なかなかどこを調べたらいいか分からないし、これらの情報にたどり着けないことがしばしば。

…ということで、このnoteでは、『 世界の名画とアート思考 』を週に1つずつお届けしております。皆様の一助になれたら嬉しいです!

なお、『 他にもこんな展覧会がおススメですよ! 』というものがありましたら、ぜひコメント欄で教えてください。教えてくださった方に、1コメントにつき100円をnoteのサポート機能でプレゼント!


= そもそもアート思考って? =

色々と言われてはいますが、

「 過去の状況を理解し、その中にある問題点や疑問を発見し、これまでに無い新しい価値観や方法を提案する思考法 」

と僕は理解しています。ここを意識しての名画を観察すると、“ あ!この名画はこういう観点でアート思考を取り入れているんだ! ”と理解しやすくなるので、おススメでございます。


= 今週の名画:真珠の耳飾りの少女 =

はじめに

17世紀オランダで生まれた名作「真珠の耳飾りの少女」は、ただの肖像画ではありません。この作品は、まるで永遠に謎を秘めたままの宝石のように、観る者の心を揺さぶり続けています。特にアーティストやクリエイターにとって、この作品が持つ意味や技術的な側面、そしてその背後にある歴史的な背景を理解することは、現代の創作にも新たなインスピレーションを与えるかもしれません。

フェルメールの生涯と「真珠の耳飾りの少女」

「真珠の耳飾りの少女」の作者であるヨハネス・フェルメールは、1632年にオランダのデルフトで生まれました。彼の家庭は絹織物の商いをしており、後には宿屋も経営していました。このような商業的環境の中で育ったフェルメールですが、若い頃から絵画に強い興味を持ち、その才能を開花させました。しかし、彼の絵画教育や師についての詳細はほとんど明らかにされておらず、彼の生涯は依然として謎めいています。

フェルメールは1653年に結婚し、義母の支援を受けながら画家としてのキャリアをスタートさせました。当時、彼はデルフト画家ギルドの一員として活躍し、多くの画家と交流を持ちましたが、裕福とは言えない生活を送っていました。それでも彼の作品はその卓越した技術と美しさで高く評価され、特にその光と影の使い方は他の追随を許しませんでした。

「真珠の耳飾りの少女」に隠された光の魔法

フェルメールの作品は、その静謐さと内面的な美しさで知られていますが、「真珠の耳飾りの少女」も例外ではありません。この作品は、少女の穏やかでありながらも謎めいた表情を捉え、観る者に深い感情を呼び起こします。特に注目すべきは、フェルメールが光をどのように扱ったかです。彼は光の反射や影を巧みに描くことで、少女の顔や衣装、真珠の耳飾りにリアルな質感と立体感を与えています。

この絵画は、具体的な背景や物語が存在しないため、観る者が自由に解釈できる点が大きな魅力です。例えば、少女が何を考えているのか、何を見つめているのか、その答えは明かされることはありません。しかし、それが逆に観る者の想像力を刺激し、作品に対する個人的な解釈を促します。

フェルメールの革新的な技術とカメラ・オブスクラ

「真珠の耳飾りの少女」において、フェルメールが使用した技術も非常に革新的でした。彼は「カメラ・オブスクラ」という光学機器を使い、物体の影をキャンバスに正確に投影することで、極めて精密な描写を可能にしました。この技術は、当時の他の画家たちにはなかなか真似できないものであり、フェルメールの作品に独特の写実性と美しさをもたらしました。

また、彼が描いた光の使い方は、今日でも多くのアーティストに影響を与えています。彼の作品を通じて、光と影のバランス、色彩の選択、そして静謐さと内面的な美しさを追求することが、現代のクリエイティブな表現にどのように役立つかを学ぶことができるでしょう。

同時期の作品と比較して見る「真珠の耳飾りの少女」

フェルメールがこの作品を描いた1665年頃、オランダでは他にも多くの名作が誕生していました。例えば、レンブラント・ファン・レインの「夜警」(1642年)やピーテル・デ・ホーホの「小さな庭での情景」(1660年頃)が同時期に評価されていました。レンブラントの「夜警」は、劇的な照明効果と動的な構図が特徴ですが、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」は、対照的に静けさと優雅さを追求しています。

また、デ・ホーホの作品がオランダ市民の日常生活を描いたものが多いのに対し、「真珠の耳飾りの少女」は抽象的で、観る者の心に余韻を残す作品です。これらの違いは、フェルメールがいかに独自のスタイルを築き上げたかを示しており、その作品が今日まで愛され続ける理由でもあります。

「真珠の耳飾りの少女」を実際に鑑賞する

この名作「真珠の耳飾りの少女」を鑑賞するためには、オランダのハーグにあるマウリッツハイス美術館を訪れる必要があります。この美術館は、フェルメールの他の作品も所蔵しており、彼の芸術を深く理解する絶好の場所です。

マウリッツハイス美術館

住所: Plein 29, 2511 CS Den Haag, Netherlands
電話番号: +31 70 302 3456
最寄駅: デン・ハーグ中央駅

結びに

「真珠の耳飾りの少女」は、ただの絵画ではなく、光と影の魔法が織り成す永遠の謎です。この作品を通じて、フェルメールがどのようにしてその時代に先駆ける表現を追求したのか、そしてその革新性が今日のアートにもどのように影響を与えているかを再認識することができるでしょう。アーティストやクリエイターにとって、この作品は技術の探求心を刺激し、創作の新たなインスピレーションを得る貴重な源となるはずです。

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* 引用

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= あとがき =

noteをご覧いただきありがとうございます。

会社員の傍ら、上海で塗り絵本作家になりました、KENTA AOKIと申します。日本・中国を拠点に、個展をしたり、アジアやアフリカの子供たちと塗り絵イベントを行ったり、塗り絵本を出版したり、そういった作家活動を行っております。

作家活動を進める中で、美大卒でもない、若輩者の私は、“ アート ”に関して日々色々なことを学び、そのうえでアート作品を創るようにしております。というのも、“ 美大卒でもない ”というのが結構コンプレックスなんです。

ただ、そんなことを続けていく中で分かってきたのは、

「 アートを学ぶ方法って色々あって、美大の知識は勉強したらつけられるかも!? 」
「 アートって実は科学的かつ論理的で、むしろ理系向きかも!? 」
「 アートを届けるには、ビジネスの知識も必要なんだな 」

でした。

学べば学ぶほど、アーティストだけが“ アート ”を学ぶ・理解するのは非常にもったいないなと思ったのと同時に、もっともっと“ アート思考 ”を応用すると、おもしろいものやサービスが生まれるんじゃないかと思いました。

日々本を読み、実戦しながら、学んでいる僕がこれらを伝えていくことで、よりリアリティを持って、学びが共有できたら嬉しく思います。僕と同じ境遇にある方々に届き、共感頂けたら更に嬉しいです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

頂戴いたしましたサポートは、インドネシアやタイの子供たちに塗り絵本を送るための活動資金に活用させていただきたいと思っております。 何卒よろしくお願い申し上げます。