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"何のスキルもない学生"が新規事業ではじめて顧客を獲得するまで。 社会に出たことがない私が学んだ「ビジネスのリアル」《前編》

こんにちは!QA事業部インターン生のシバタです。
今回は私が経験した紆余曲折の物語と感じた成長について書きたいと思います。

QAが成長してきつつある今、振り返ってみると、困難も多く「うまくいかない」と感じたことも多々ありました。結果を全く残すことができない時期が続き、失意の底にいたことも今となってはいい思い出です。

そんな私ですが、あるひとりのユーザーと出会ったことでかなり成長できたと感じています。このユーザーと出会うために知恵をふり絞った経験が私を成長させ、自信へと繋りました。

ちなみにQAチームメンバーの学びと成長についてはこちら

インターンとして働いていた私に突如舞い込んだ、新規事業に携わるチャンス

私がインターンとして入社したのは大学1回生の秋。社会に出る前にどんな仕事があるのか、そして自分にはどんな仕事が向いているのかを知りたいと思ったのがきっかけで、インターンに参加しました。

QA Heatmap Analytics(以下QA)の運営元は、Webコンサル事業を行っているウェブジョブズという企業。私の役割は社長の直下で日々発生するコンサル業務のサポートです。当時関与していた案件が終わりに差し掛かったある日、社長からこんなお声がかかりました。

「この案件終わったらさ、新規事業やろうとしてるんだけど、もしよかったらやってみない?」

このお話を初めて聞いたときは、事業内容の全てを理解しきれなかったのが正直なところ。それでも、何かすごいことをしようとしている!というのは、熱っぽく話す社長の表情や声のトーンだけでも確実に伝わってきました。

「いまやっている仕事でこのインターンは終わりだろう」。
そう思っていた矢先の大チャンス!!インターンとして仕事をしていて、これほどのワクワクを感じたのは初めてのことでした。

この当時の私は、新規事業=「華やかでキラキラした仕事」というイメージを持っていました。

VCにプレゼンして資金調達した後、事業を戦略に沿ってスマートに進めていく。外部のコンサルタントと協力して課題を解決していく。時には絶対失敗できない交渉があり、修羅場を乗り越えていく。

憧れにも似た、そんなイメージを持っていました。今までずっとあこがれていた仕事ができるかもしれない。新規事業に関われる自分はなんてカッコいいんだ!とすら思っていました。

いよいよ新規事業がスタート!

現在のQAがリリースされる前、β版のQAがリリースしていました。

β版QAがリリースされている一方で、正式版QAの開発は当初の計画より遅れている状況だったのですが、この時まさに”開発命!”というような社内の空気感を感じていました。

製品開発はもちろんのこと、ユーザに対するサポート体制もまだ検討途中でした。ツールについてエラーや疑問があった際に見てもらうサイトの設計など、サポートのことだけでも決めるべきことが盛りだくさん!
開発を進めていく傍ら、サポートについて決めるべきことを同時に決めていく。そんな慌ただしい状況でした。

私がこの時行っていたのは、サポート業務の企画。サポート業務といっても自分ができることなんて無いに等しかったので、自社の製品やサポートの大まかな考え方を勉強するところからのスタートでした。

どうやってサポートについての知識を吸収していくか迷っていた時に、チームメンバーから”The Model”という本を紹介していただきました。The Modelとはセールスフォースというアメリカの有名な会社が実践している営業の分業体制のことです。その分業体制のひとつに”カスタマーサクセス”というプロセスが紹介されていました。

この本に書かれていたことを手本して、一般的なサポートに加え、顧客に長くQAを使ってもらうためのサポート(カスタマーサクセス)を考えることが、私の主な仕事となりました。

しかし、サポート業務を考えてみたはいいのですが、本の内容を完全に実行するのは難しいと感じました。The Modelの内容は大規模すぎて、我々の事業規模に当てはめようとしてもうまくハマらないのです。

カスタマーサクセス以外にも、さまざまなビジネス書を読んでいきました。どれもそれなりの内容が書いてあるのですが、これもいざ実践しようと試みても思うようにできない。1→100にする方法論がある一方で、0→1にする方法はあまり確立されていないというのが、正しい表現なのかもしれません。まだ製品をリリースしてない状況で先を考えることにも限界があったので、サポート業務の企画は一旦保留に。目の前の振られた仕事を行うことになりました。

当初思っていた仕事と全く違うことを行うことになりましたが、それでもガッカリすることはなかったです。自身が関わっている製品が世に出て、有名になった時のことを考えると、ワクワクが止まりませんでした


QAついにリリース!しかし戦略通りにいかない現実

いよいよ製品がリリースされる時がやってきました。
チームメンバー全員が集まって”オンライン合宿”が開催されました。今後の方針と具体的な戦略が発表され、メンバーの士気は最高潮に!
それは直接対面していないZoom上の画面からも伝わってきます。

この合宿で特に印象に残っているのが社長が共有してくれたスライドです。

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通常の体裁が整ったパワーポイントの資料とは違い、全てが手書きで、思考のプロセスが一字一句書かれている極限まで考え尽くされたプレゼン資料の原型というのが正しい表現なのかもしれません。

このスライドを用いて、今後どういった戦略で事業を進めていくのかを私たちチームメンバーに丁寧に説明してくださり、社長の想いを改めて知りました。

合宿では戦略も発表されました。
詳細は明かせませんが、ざっくり言えばターゲット像がいくつかあり、そのターゲットを順番に攻めていくというものでした。しかしこの戦略が全く機能しません。そう、当初ターゲットとした人々から全くダウンロードされなかったのです。

チームメンバーが頭を抱える一方で、当時根拠なき自信を持っていた私はこの状況を何とかできると本気で考えていました。その時に私が思いついたのが、Twitterから想定されるターゲットにDMを送信するというものです。

Twitterの検索機能を用いることでアカウントを検索できるので、直接ターゲットになりうるアカウントにDMを送信できます。チャット形式でユーザーとコミュニケーションもできるので、一般的なメールを送信するよりダウンロードに繋がりやすいのでは?という仮説を立てました。

アイデアがあっても実行に移せない

SNSを使えばなんとかできるかもしれない。このアイデアが突破口になると確信し、自身が考えたことをある日の会議でチームメンバーに発表してみました。

「TwitterでDM送ってみるの、いいんじゃないですか?」

すると、
「DM送って返信くるの?」「非効率じゃない?」「悪いうわさが拡散したらどうするの?」と、どれもDMの問題点の本質をついたような質問を立て続けに受けました。

具体的な検証をしたわけではなかった私は、「やってみないとわからない」と回答をすることしかできません。

当時QAのTwitterアカウントのフォロワーは100人いるかいないかの状況。ツイートにしても何をツイートしたらいいかわからない、またアカウントがほぼ運用されていなかったので、メンバーを説得のしようもなかったです。

アイデアは一瞬にして砕け散りました。

それでも何もやらずに終わるのだけは避けたい。この業務がないとやる仕事がなくなってしまうので、なんとかしてでも実行に移したいところでした。コロナ禍ということもありここで仕事がなくなってしまうと、後々の就職活動にも影響が出てしまう。

自分のできることを提案し続け、最終的にはTwitterの業務をやらせていただくことになりました。行った結果……。

結果は我々の予想とはまったく違うものでした。
はじめは返信があったらラッキー程度の認識でした。しかし結果は予想以上の返信数!この業務をはじめたときの返信率は10~20%くらいと比較的高い数値で、一般的なDMではありえない返信率だという声もあったほど。

ダウンロード数が一気に伸びたわけではなかったですが、ユーザーをさらに増やせるかもしれないという希望が持てるようになりました。

その一方で返信があったとしても必ず製品がダウンロードされるというわけでなく、ユーザーが爆発的に増えることもありません。

ダウンロード数をどのように増やしていくかという課題は、根本的に解決できないままでした。


後編に続く……


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