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第11回翻訳ミステリー読者賞は『辮髪のシャーロック・ホームズ』に決定&書店・図書館で使える拡材ツール配布中

2023年4月16日、第11回翻訳ミステリー読者賞の発表イベントをYouTubeで生配信いたしました。私も読書会世話人として参加しました。

そもそも翻訳ミステリー読者賞ってなんやねん?

と思われているかたもいらっしゃるかもしれません。

本を対象とする賞には、芥川賞に直木賞、三島賞、山本周五郎賞、本屋大賞……などさまざまありますが、翻訳ミステリー読者賞の大きな特徴は以下の2点です。

1)翻訳小説を対象としている(前年に刊行されたもの)
2)一般の読者による投票で大賞が決まる

1)の賞には、日本翻訳大賞や翻訳ミステリー大賞がありますが、この2つとも、一般の読者による投票を経て、その結果をもとに選考委員が最終候補作を決める手順になっています。

つまり、2)のように純粋な読者投票で大賞が決まる数少ない賞のひとつが、翻訳ミステリー読者賞です。(唯一の賞と書きかけましたが、「みんなのつぶやき文学賞」も読者投票で決まることに気づきました)

また、選考委員がいないため、なにをもってミステリーとするのかという定義もまったくの自由です。殺人など物騒な事件が起こらない作品に投票いただいても、まったく問題ありません。

前置きが長くなりましたが、そんなわけで、このたび2022年に刊行された翻訳小説を対象として投票が行われ、翻訳ミステリー読者賞が決定しました。

どの作品が受賞したのかは、ぜひこちらのサイトでご確認ください
……と言いたいところですが、サムネを見たらおわかりのように、
莫理斯『辮髪のシャーロック・ホームズ』(舩山 むつみ訳 文藝春秋)
が、めでたく受賞いたしました。

YouTubeでの翻訳ミステリー読者賞発表イベントでは、訳者の舩山 むつみさんと、文藝春秋の編集の荒俣さんにご出演いただき、翻訳から出版に至るまでの秘話や、今後要注目の植民地ミステリーについて……といった非常に興味深いお話を伺いました。
そしてなんとチャットに作者の莫理斯さんも登場するという、うれしいハプニングも発生しました。こちらからアーカイブを見ることができますので、興味のあるかたはぜひご覧ください。

ちなみに私も登壇して、第5位の『ロンドン・アイの謎』の紹介をいたしました。そこでも語りましたが、子ども向けと思って読まずにいたら大損するので、ぜひ読んでみてください。おとなになったからこそ気づく魅力がふんだんにつまった〝全年齢対象〟のミステリーです。

さて、この翻訳ミステリー読者賞の結果をより広く知ってもらうために、全国の書店や図書館で展開するための拡材(看板用印刷物2種+フライヤー50枚)を無料で配布しています。
すでに多くの書店、図書館からお申し込みをいただいていますが、まだまだ受付中です。翻訳小説をもっともっと盛りあげていくために、ぜひご参加ください。お申込みは、こちらのサイトからどうぞ。もしくは下のツイートにもリンクがあります。

なお、言うまでもありませんが、ランキングはあくまでも投票数の結果に過ぎず、作品の優劣を決めるものではありません。(last not but leastですが)

配信イベントやフライヤーでは、時間&紙面の関係で上位作品しか紹介できていませんが、読者賞のおもしろさは少数票の作品の幅広さにこそあります。読者賞サイトからダウンロードできる結果一覧には、一票の作品もすべて掲載しています。最後まで目を通していただければ、翻訳小説の奥深さと豊かさをあらためて味わうことができます。

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