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【棚から1冊】最高の組織をつくるには

目下、書棚の断捨離を敢行中ですが、その中途今手元にある本は、

最高の組織ーー全員の才能を極大化する』です。

株式会社フライヤーCEOの著書です。

以前読んだときに付箋を貼っていた場所を中心にまとめてみました。


人材を採るということ

人を採用する際に重要視する要件についてのくだりは興味深いものでした。

重要な点を順に挙げると、

1. カルチャーフィット → 2.ポテンシャル → 3.スキル

となるそう。

カルチャーフィットがないと、組織内で問題が生じる可能性がある。

またスキルがあっても、周囲に過剰な負担やネガティヴな影響を与え、他のメンバーを辞めさせてしまったり、モチベーション低下を招くコトになる場合がある。これはその者にカルチャーフィットの能力がなかったことに起因するという。

ポテンシャルは、新たなコトへの好奇心、ポジティヴな感情の強さ、地頭のよさ、成果を出す習慣があるか、ということだと著者は述べる。

新たな領域にチャレンジして、一流になれるようになるには、このポテンシャルが大切だという。

カルチャーフィットが最重要で、さらにポテンシャルがあれば、スキルはなくとも次第に人は育つという。

また採用においては、一次面接をトップが行うとよいという。

その結果、時間単価は高くなってしまうが、周囲のメンバーのモチベーションが保たれるのであれば、費用対効果は充分である。

採用というイベントの重要性からもコストは見合うものだというのが著者の主張。

面談に際しては、そのような人に応募してもらえて、オフィスまで来てくれてありがとう、という気持ちをまず持たなければならない。

という意識は人を育てることについて、その原石をいかに丁重に扱おうとするかの心意気だと思う。

そして、面接では、

この会社を成長させるためになにをすべきかを聞く。(中略)ポテンシャルを図るのにとても良いケーススタディになる。地頭の良さも見える。

と判断材料となる質問を挙げている。

将来のビジョンが描けていることが、より具体化された目標へと短期間で到達出来るのだろう。


人を育てる

人材を育てられない組織に対しては、実に辛辣だ。

社員を雇おうとする以上、その人を長期にわたって育てる、あるいは育つ環境を提供することにコミットしなければならない。つまり、人を育てられないのは企業として致命的な欠陥であり、決してそれを前提にしてはいけない。


そして成長のためには、

・自らを異なる環境においてみると、イノベーションが生まれるために効率的となる。

・複雑なものは複雑なものとして、そのまま理解する

・複業や子育ての時間を確保する

ということを挙げている。


例えば子育てに集中すると、

大人と子どもはそもそも本質的に変わらず、大人の不完全性や自分勝手さ、について理解が深まる。

それによって、他者への理解を深める努力へとリンクすることによって、自身の仕事の質を改善出来るようになる。

ゆえに、会社や組織は、複業、子育て、趣味などを最大限に応援するようにし、成長の機会を準備することが大切。

この一見、非合理的に見える複業の解禁は、長期的にみても実に合理的だと述べる。


大志を抱く

理由は

1,できるだけ、高い目標を目指すことで、到達点が変わる

2.参加メンバーの生きる目的と合致しやすい


また本を読む習慣の重要性も挙げて、

ライフネット生命創業者の出口氏は、

人は本か人か旅からしか学べない

という名言を引用している。


運というものについて

運についても以下のように記しており、

運はいいと思い込んだもの勝ちだ。運がいいと思えたら、あとは自分達の努力次第となって、自分にベクトルが向く。運が悪いと信じている人は、いつまでたっても人のせいにする。

と考えさせられる。


泣こかい、飛ぼかい、泣こよか、ひっ飛べ!

こちらは薩摩藩の郷中教育で子供達が学んでいたフレーズですが、

挑戦することについて、以下のように記されています。

チャレンジの結果は成功か失敗かのどちらか、ではなく、成功か教訓を得るかのどちからである。

本気でチャレンジしたなら、思わしくない結果であっても自身を成長させる教訓を得たと思えば貴重な機会なのである。


「魚と組織は頭から腐る」

組織のトップに無能の人がいると、下位の人がそれ以上の成果が出せない。挽回するには、トップが変わるしか方法はない。

トップとしてのあり方は、

組織全体のトップは、メンバーが自律的に動いた結果の最終的な責任をトップ自身が取るという覚悟があり、それを伝えていること

明言はあえて避けますが、日夜耳にする事柄と合致しそうで脱力感を感じます。


おわりに

ほとんど以前に読んだ時の記憶がない状態でした。

しかし、当時貼っていた付箋を足がかりで読むと、あらためて全体を俯瞰的に読むことが出来、助かりました。

やはり、読んだ時の足跡をなにかしら残しておくことは重要であるとあらためて思いました。

本書は組織を構築したり、見直したりするシチュエーションの方にはとくにオススメかもしれません。

組織といってもその最小単位、家族においても適応できることは少なくないと思われます。

ということからも、他者となんらかの関係性が生じる場に身を置く方々全てに、参考になるかと思います。


おしまい

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