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ドびっくりイギリス英語プチ講座 vol. 2 イギリスのクリスマス用語と当日の過ごし方「サンタさんは何という?」

クリスマスの夜に世界中の子供達にプレゼントを届ける白髭のおじいさん、それはサンタさん

で、万国共通だとイギリスに来るまで思っておりました。

ところが、所変われば、違うんですね。こちらでは

Father Christmas

となり、服も元々は緑色が主流で、生まれた起源もサンタクロースとは別物だそうです。私は見たことありませんが。このサンタさんは、イギリスどころか世界中でその呼称やクリスマス当日の日付まで違う国も結構あるそうですが、そこのところは下記の関連記事で少し触れているので省略します。

今日はあくまでも、イギリスのクリスマスだけに焦点を絞ります。

同じく緑色の服と言えば、

elf 妖精のエルフ

こちらでは、クリスマス当日までに各家庭の子供達の様子をサンタさんに逐一報告したり、配達のお手伝いまでするという、サンタさんの助手のような存在らしいです。だからでしょうか、毎年クリスマスシーズンになるとサンタさんとセットで慈善事業を行ったり、チャリティ・イベントで寄付を募る時などに扮する人が多いです。

クリスマスの訪れを感じさせる、欠かせないアイテム

クリスマスの本場であるヨーロッパ諸国のひとつとして、イギリスにはクリスマスに関連したものや用語が数多くあります。なかでも、まず始めにご紹介するのに相応しいのは、以下の2つではないでしょうか。

mulled wine
mince pie

mulled wine は温めたサングリアのような、フルーツやスパイスが入ったワインです。私は読み方も始めわからず、ミュールド?とか思ってしまいましたが、正解はマルド・ワインでした。

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mince pie とは、中に mincemeat と呼ぶ、ドライフルーツやナッツをお酒に浸して作られたジャムのようなものが入ったパイ(でも、生地はパイではなくタルトのような感じ。)です。こちらも初め、「ミート」と書いてありますし、そもそもミンス (mince) って、あのミンチ肉?!と思ってしまい、甘くないのかな、などとしばらく謎でした。

その名の通り、元々は羊肉などを実際に詰めた保存食だったようです。因みに、私は中のジャムが甘くてパイ生地はモソモソしているのであまり好きではありませんが、イギリス人でも好きじゃない人は多そうです。

論争にまで発展?!好き嫌いの分かれるあのデザート

同じような理由で、イギリス人ですら賛否両論なデザートが

christmas pudding

伝統的なデザートで、やはり洋酒がたっぷり効いたドライフルーツが入った保存食のような焼き菓子。初めてスーパーで見た時は、その可愛らしい見かけと「トフィー・プディング」などと書かれているものから、焼きプリンのようなイメージで購入したのですが、ワクワクしながら一口めを頬張ると・・

ネチョ。もそもそ、ドシンとした食べ応えで、生の小麦粘土に無理矢理砂糖で味付けしたような・・正直、不味・・や、あまり口に合わなかったのですが、これ、イギリス人たち自身も不味いと思っている人が多いようで、毎年雑誌などで「クリスマス・プディングは本当にいるのか?」なんて論争が沸き起こったりします。

その例え方もイギリス人らしくシュールで自虐的で、まず、見かけのことは

a thick slab of suet 脂肪の厚板
dark sugar、boozy 酔っ払った(ブランデーを表面にもドバドバかけるので)
heavy bowl(お椀をひっくり返したような大型のプリンのような見かけ)
in danger of choking on an errant 窒息の危険もある、常軌を逸したもの
fruit stone 果物でできた石
feeling like boa constrictor that has attempted to swallow a goat
ヤギを丸呑みする大蛇になったような気分にさせられる
it’s just some dark matter in a bowl, not much to look at really
特筆すべき点もない、ボールの中にある単なる黒い塊り

などと、散々な言われようです。それでもガーディアン紙のレストラン評論家である、Garage Dent さんは上記のように言いながらも、最後には「幸せをもたらす光の象徴だ」と締めくくっています。

他方で食ライターの Kay Plunkett-Hogge さんは、

simply monstrous stodge ただただ、モンスター級に胃もたれさせるもの

ロースト料理が多いクリスマスのご馳走の後に食べるデザートとしては重過ぎる。フランス人はデザートにもっと繊細なブッシュ・ド・ノエルなどを食べているって言うのに。(そのフランス人からすると、まるでコンクリートのようだ!となるそう。)

ridiculous rigmarole
硬すぎるだけでなく、作り上げるまでにも馬鹿みたいに時間と手間のかかる。
Dead grapes and old breadcrumbs held together with beef fat and sugar.
レーズンとパン粉を牛脂(まで伝統的には入っているんです!)と砂糖でこねくり回した物。
just a waste of good brandy or rum.
洋酒のムダで、伝統に則ってケーキの中にコインなんかでも入れられたら、ホントの意味で喉つまらせるワ。

と、始めのデントさんに負けず劣らずの酷評っぷりで、結局最後には

It is not a dessert, it’s a health hazard.
これはデザートでもなんでもなく、単なる健康を脅かす障害物だ。

とまで言い切っています。

替りのスイーツはいかが?

散々な言われ様のプディングですが、ご心配なく、他にも

Yule log

といった、イギリス版ブッシュ・ド・ノエルのような切り株風ロールケーキ。チョコレート味がスタンダードなようです。

trifle

といったジャムを塗ったスポンジケーキを、カスタードソースと生クリームでおおった冷たいトライフルという名のデザート、

gingerbread men

人形型のスパイスとジンジャーが効いたビスケット

chocolate coins

金貨銀貨をかたどったコイン型のチョコレートで、子供のプチギフトにカードと一緒に添えられることが多い

などのスイーツがあるので、選択肢は豊富にあります。

その他のクリスマス食材

料理でこの時期限定でよく登場するのが、

brussels sprouts 芽キャベツ
cranberries クランベリー

私は生のクランベリーなんてそれまで見たことがなく、食べ方がわからずそのまま果物のように食べようとしたのですが、綿のようで食べられませんでした。それもそのはず、煮込んで肉料理などのソースとして使われるのが一般的なようです。

芽キャベツも私は味、食感共に苦手なのですが、またか!とお思いでしょうが、これまたイギリス人も同じ考えの人は多いようで、ここでも出ます、

「それが伝統だから」

という理由で渋々食べている人も多いようで、なんだか笑えます。

他にも季節限定ではありませんが、

red cabbage
clementines

も、この時期らしい食材と言えます。clementines はミカンの一種で、ちょっと酸っぱめです。

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クリスマスに相応しいドリンクは?

日本にはお屠蘇と言って元旦の朝からお酒を飲む習慣があり、その後も三が日まで朝から晩まで呑み食いする家庭もあるかと思いますが、イギリスでもクリスマスは

bubbly breakfast

と言って、クリスマス当日の朝にシャンパンなどを飲む習慣があります。定番の朝食メニューはスクランブルエッグなどの卵料理にスモークサーモン。主食にはクロワッサンやイタリアのパネトーネなど。

更にランチがかなり重要で、14時頃からダラダラ飲み食いする模様。七面鳥のグリルにローストポテトなどのお供には

fizz
pop

という炭酸のあるジュースやお酒を。

ティータイムには

Madeira

というアフリカ産(マデイラ島)のワインを嗜むことも。

なお、このクリスマス・ランチやディナーの際に欠かせないアイテムがこちら。

cracker

食べる方ではなく、あの大きな音がするパーティーで使われる方のです。左右を捻った紙でできた、キャンディーのような形をしたこのクラッカーは、となりの人と端をお互いに引っ張り合いながら破裂させます。すると中には、薄紙でできた王冠の帽子やナゾナゾ、ちょっとした小さなオモチャが入っており、このナゾナゾを皆で解き合います。

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そして夜には子供達のお待ちかね、

stashed/stacked under trees

ツリーの下に置かれた沢山のプレゼントを、ようやく開けても良い時間となります。因みに、日本でもお馴染みのプレゼントを入れる靴下ですが、英語では

stockings

ストッキング(!)になるようです。socks も使っているようですが。

以上、思いのほか大長編になってしまいましたが、前回の記事ではクリスマスまでの準備についてご紹介しましたが、今回はイギリスのクリスマス当日に焦点を当ててみました。


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