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ぷらぷらり日記 2024.2.6 イズミヤ・トゥ・イズミヤを京都でやってみた

少し前のnoteにて、『定額制夫の「こづかい万歳」』の作中に出てきた「イオン・トゥ・イオン」に触れ、京都のイオンモールでこれを遂行する例を紹介しました。

そこで、久しぶりにやってみたくなったのですが、一度やったことを再びやるだけというのもつまらんなあ……、などと考えていると、ふと、とある考えが閃きました。

京都には、イオンモールもあるが、イズミヤもある。イズミヤというのは、物凄く雑にいえば、イトーヨーカドーの近畿バージョンみたいなところですね。だいたい1階はスーパー、2階は衣料品や日用品の売り場になっていることが多いです。

二条城と北野天満宮の近くを通るので、ふつうに京都観光にもなる。

あちこちに点在しているので、イオンモールよりも手軽にはしごができる。京都市内の地図を見てみたところ、これがまたいい感じの散らばりかたをしているので、散歩にはちょうどいい。しかも京都市内の北部なので銭湯が多い。

「イズミヤ・トゥ・イズミヤ」をやりながら、京都の銭湯めぐりをしてみよう。

『~こづかい万歳』の吉本先生のこづかいは月に2万1千円。今日はそれをリスペクトして、10分の1の2100円までしか使わない(※行き帰りの交通費は家計費扱いとするので含まない)ことを目標とする。

その前に、まず途中で職場の最寄り駅で下車して、5分だけ休日出勤をしてきました。データの確認的な作業なので、別にわざわざ休日に赴いてやらんでもいい仕事なのですが、『~こづかい万歳』の大石さんに敬意を表して、「会社推し」も実践。

モスバーガーが入っているイズミヤは珍しいかも。

さて、スタート地点のイズミヤ堀川丸太町店。

最寄り駅は地下鉄の二条城前駅ですが、JR二条駅からでも徒歩で行けないことはない。ルートにもよるが、所要時間はだいたい15分くらいか。

缶コーヒー(贅沢微糖)とビッグカツ(甘味)とキャベツ太郎(しょっぱ味)を購入。吉本先生に倣って、甘味の駄菓子としょっぱ味の駄菓子をひとつずつ。あ、でも、ビッグカツはどちらかというと辛味かな。

現時点での散財、計150円。

脈略がなさすぎるポスター群も、実にいい味を出している。

三条商店街を抜けてちょっと遠回りしたので、二条城まで30分くらいかかった……。

三条商店街は、めちゃくちゃ歴史の深そうな渋い店舗が建ち並ぶ、いかにも古都の風情を感じられる商店街なのですが、唐突にSEIYUが出現したり、煙草屋と着物屋を兼業している謎の店があったり、日本一安く売る自転車屋(?)があったり、カオスで好きなのです。

ただ、地元のみなさん、商店街では自転車は押して歩いてくれ。大阪の商店街も大概そうだが。京都の人の自転車のスピードは速いのである。ふつうに車より速い。本当に危ない。最近はLuupユーザーも多いので、京都の道を歩く時は細心のご注意を……。

荘厳な面構え。

それはそれとして、イズミヤの至近距離にある二条城も拝んでおこう。夜のほうが迫力があるのですが、昼でもやはり存在感が強い。

でも、周囲はわりとふつうの生活道路です。そもそもイズミヤがあるくらいだし。街の中にいきなり現れる(街のほうが後から作られたのだが)という点では、和歌山城とちょっと雰囲気が似ている気がする。

150円の娯楽。

二条城の向かいにある二条公園でちょっと休憩。久しぶりの三条商店街にはしゃぎすぎて、実はこの時点でけっこう歩いているのです。たぶん3キロくらいは歩いている。

まだイズミヤ1軒めだぞ……?

いい感じに晴れてきて、青空の下でのおやつは最高……というほどではないけど、まあまあ楽しかったです。

住宅地の中の素朴なスーパーという感じ。

カフェインとカロリーを補給したところで、東堀川通を北へとずいずい歩き、堀川商店街を抜け、中立売通で左折、北野商店街へと入る少し手前に、イズミヤ千本中立売店がある。

ここはあまり規模の大きくない店舗で、地元の人たちのための素朴なスーパーマーケットという感じ。

このあたりの西陣と呼ばれる地域は、かつては現在の四条河原町ばりに栄えていたらしく、映画館や劇場がいくつもあったのだという。

今では素朴な住宅地という感じで、自分も「イズミヤ・トゥ・イズミヤ」などという奇行を実践しなければ、ここに来ることはなかったろう。この一角は銭湯もないしなあ。それも昔はいくらでもあったのだろうが。諸行無常。

いつの時代に開業したのだろう?

とはいえ、断片的ではあれど、そのかつての風格を匂わせる景色はいくつかありました。たとえばこの医院。豪奢な面構え。これが耳鼻咽喉科だと……?

この医院がいつから存在するのかはわかりませんが、ふつうの街のクリニックでこれなのだから、かつてはとてつもなくオシャレでナウでヤングな一帯だったのでしょう。知らんけど。

手前はふつうに大通りでタクシーめっちゃいるので気をつけて。

その先には、ほれ、みんな大好きな北野天満宮だ。

本当なら中に入って散策したかったのですが、あいにく、このあたりでポツポツと雨が降ってきやがった。しかし、「イズミヤ・トゥ・イズミヤ」のゴールは近い。ここから5分もかからない。

すぐ横に京福電鉄の北野白梅町駅がある。

イズミヤショッピングセンター白梅町店。4階建てのクソデカイズミヤである。

自分の知る限りで、最も大きいイズミヤの店舗だ。広大な駐車場内にバス停があった和歌山のイズミヤ(※バス停は2021年に廃止されたらしい)も大きかったが、あそこは2階建てだったので、総面積はこちらのほうが上であろう。

言われなければ白内障の方の絵だと思わない。

「ましも としひろ」さんという方の絵の展示が行われていたので見てみる。幼少期から白内障を患っており、視力が著しく低いのだそうですが、それを感じさせないほど、表現が不適切かもしれませんが、「わかる」絵でした。

スナフキン好きなのかな、この人。

電源があるけど無断で使ってはいけない。

1階と4階には休憩コーナーがあるので、雨宿り場所として4階を利用させていただく。横にドトールの自販機があったので、110円のカフェオレ。

自販機は砂糖やクリームの量の調節ができるタイプですが、また先に商品のボタンを押しちまった。よくやらかすんだよこれ。

現時点での散財、計260円。

あんまり銭湯っぽくない外観。

雨がマシになってきたので、イズミヤの裏手にある衣笠温泉へ。立命館大学の衣笠キャンパスがすぐ近くにある。

実は行きしなに二条の朱雀キャンパスの前も通っているので、「立命館・トゥ・立命館」もやっている。深草キャンパスもたぶん頑張ればできるが、草津キャンパスは滋賀なのできつい。あと大阪の茨木にもキャンパスがある。「立命館・トゥ・立命館」をする人は参考にしてくれ。誰が何のためにするんだそれ。

さて、衣笠温泉。ここはたぶん3回めくらいの来訪。4階建てのビル型の銭湯。1階の部分だけでふつうの銭湯1軒ぶんのボリュームがあるのだが、2階にサウナ、3階に檜風呂、4階に石造りの露天風呂がある(※露天風呂は故障中らしい)。

さらに、檜風呂の奥には冷凍サウナ。ここは男女が日替わりであり、偶数日が女性、奇数日が男性となっている。あいにく今日は偶数日。過去に一度だけ入ったことがありますが、サウナと違う階で導線があまり良くないので、いまいち楽しみ方がよくわからなかったというのが正直な感想。ただ、おそらく京都市内で冷凍サウナを備えているのはここだけだと思われるので、レアリティはある。

立命館の近くということもあり、客層がわりと若い印象ですが、ドアや壁に貼られた注意書きが生々しい。「貴重品は番台へ」「タオルを湯につけないで」などの注意書きそのものはどこの銭湯にもあるものだが、ここのものはなんか生々しい。マジックで手書きだからか?

この地区の銭湯には、いわゆる彫り物をあしらえた方々はあまりおられない。どの地区によくおられるのかというとこの反対側、もっと具体的に言ってしまうと南のほう。いずれにしても、銭湯の男湯で他人が干渉してくることなどほとんどないので、そういう方々がいらしても大丈夫です。

ここでいちばん楽しいのはやはり檜風呂ですかね。毎日のように風呂に入るのは金持ちの特権だった時代の殿様になったような気分が味わえます。

現時点の散財、計750円。

それでも京都に来たら天一を食べたい。

風呂から出たら夕御飯。イズミヤに行く手前の天下一品の看板がなんか呼んでいたような気がしたので、有無を言わさずに入る。あっさり920円。……あれ?ちょっと前まで780円くらいじゃなかったっけ?

こづかい2100円生活的には厳しいが、まあ、ハメを外すことも必要だと『~「こづかい万歳」』の誰かも言っていたしな。

現時点の散財、計1670円。

うーん、一気に結構あがった。イズミヤの向かいのなか卯にしておくべきだったか、近くの別のラーメン屋にしておくべきだったか、しかし、天一が俺を呼んでいたんだ。仕方がない。やはり京都の天一は味が違う。別に大阪の天一がダメなわけではないが、なんか根本的に違う気がする。

保育園っぽい。

西大路通を南下して、インコがたくさんいることで有名な松葉湯へ。何十羽いるんだ、こいつら……。こんなにいてケンカとかしないのか?

でも、鳥のケンカってあんまり見たことがない気がする。猫のケンカとかはよく見るが。インコは適当な奴を突っついては離れていく。突っつかれたほうのインコは突っつき返しはしない。完全スルー。そしてまたこいつも適当な奴を突っついては離れていく。

露天にはクソ熱い風呂とクソ冷たい水風呂があります。交互浴も楽しいが、やはりサウナが楽しい。ととのい椅子が数点ありますが、人気があるためあまり空かない。

浴槽の縁に座るのは大阪風の銭湯の入り方なので、京都でそれをやると余所者まるだしではあるのだが、それでかまわん。

現時点の散財、2160円。オーバーしてしまった。

さすがに「片隅」に立って呑む度胸はない。

「会社推し」と「イズミヤ・トゥ・イズミヤ」(と京都銭湯めぐりと「立命館・トゥ・立命館」)をやったので、ここで「ステーションバー」も決めて仕上げるか。

松葉湯の最寄りの円町駅は小さい駅で、椅子も少ないのでステーションバーには向いていません。ならば京都駅。

暖かい時期なら駅前のファミリーマートの前のベンチが良さげ。この駅前のファミリーマートのイートインは一時期はバーになっていたのですが、撤退してしまった。本当の意味での(ほぼ)ステーションバーだったんだが……。

今は寒いので、駅構内で。特急サンダーバードが停車するホーム(0番線)のいちばん奥のベンチへ。

この先には喫煙所とトイレしかないので、いい感じに人が少ない。しかし、ちょっと遠くの待合室に目をやれば、人がぎっしり。いろんな人生がつまっている。生の映画を観ているような気分……にはならんな、別に。

今日は角ハイボールではなく本麒麟。すでにこづかいオーバーしているので2100円しばりにこだわらんでも良いのだけど、やはりステーションバーをやるには安い発泡酒よなあ、という謎の信念による。

昔の家屋を思わせるような休憩スペースがある。

おまけ。今日が定休日でなければ松葉湯の代わりに寄るつもりだった源湯。薄暗いですが、夜のほうが妖艶さがあって良い。小橋を歩いた先にあるのも風流だ。

5リットル100円という驚愕の安さ。

おまけ2。松葉湯の近くのコインパーキングになぜか併設されている天然水の自販機。しかし、京都ではなく鈴鹿山麓の水。三重県の鈴鹿の水を、なぜ京都のコインパーキングで売っているのか。

自販機はコカコーラというオチもついている。

おまけ3。「サントリーウイスキー」とだけ銘打たれた老舗っぽい酒屋。渋い。「ウヰスキー」と旧字体になっていたらなお良かった。

白梅町から円町にかけての一帯は、なんだかマイペースな雰囲気がある。さっきのクソデカイズミヤもあるし、大手の飲食チェーン店もいっぱいあるし、オフィスビルも建ち並んでいる。

いわゆる京都っぽい景観ではない。なのになぜか、いい意味で都市部っぽいせかせかした感じがない。また来よう。でもイズミヤは制覇しちゃったな。

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