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「真の変革には、プロテストと政治の両方が必要だ」 〜アメリカ抗議活動へのバラク・オバマ前大統領の声明の和訳〜

バラク・オバマ前大統領が6月1日、アメリカで起きている抗議活動に関して声明を発表しました。自己流自己満の訳だが和訳してみたので、ここに記します。

6月1日 バラク•オバマ

ジョージフロイドの殺害と、アメリカにはびこっている差別への応対を求めて、アメリカ国中の何万人もの人々が街頭に集まっています。声をあげています。どうやったら本当の変革へと想いを遂げられるのかと。

最終的には、時代に最も適した戦略を形づくるのは、新世代の若い人々の行動にかかっています。しかし、私は覚えておくべき過去の努力から導かれる、基本的な教訓があると信じています。

まず始めに国中のプロテストの波は、米国における警察の慣行と、広きに渡った刑事司法制度の改革に対する数十年にわたる失敗に対する、正当な不満を表しています。ほとんどの参加者は平和的で勇気があり責任があり、鼓舞的です。彼らは私たちの尊敬と支持に値するものであり、非難するものではありません。カムデンやフリントのような都市の警察は彼らを立派に理解したものです。

一方で、さまざまな暴力の形で訴えた少数派の人々は、純粋な怒りや単なるご都合主義であるにも関わらず、無実の人々を危険にさらし、すでにパンデミックでサービスと投資が不足している近隣住人を巻き込み破壊し、より大きな資本不足の要因を起こしています。
私は今日、インタビューに答える年配の黒人女性が涙を流しているのを見ました。なぜなら彼女の近所で唯一の商店が破壊されてしまったからです。過去の例から考えると、そのお店が元に戻るまでに何年とかかるかもしれません。、だから人種差別を理由に暴力を肯定したり合理化したり、参加したりしないでほしい。もし私たちの刑事司法制度やアメリカ社会全体に対して、より高い道徳・倫理活動を望むなら、私たちがその体系をモデル化する必要があります。

次に、私はいくつか話を耳にしてきました。私たちの刑事司法制度における人種差別の再発は、抗議活動と直接的な行動によってしか変えられないと。そして選挙への参加は時間の無駄であると。私はこれ以上反対できませんでした。抗議の争点は国民の不安を仰ぎ、不公平にスポットライトを当て、そして苦しい不快な力を作り出します。ーー実際、アメリカの歴史上で政治システムが注力を注ぎ対応に動いたのは、抗議活動と市民の不服従への対応だけでした。しかし結局のところ、国民の願望は特定の法律や制度的慣行に変換されなければなりませんーーそして民主主義では、それは私たちの思いに応えられる政府を選出した時にのみ起こるのです。

さらに、刑事司法制度と警察の慣行に大きく影響を与える政府はどこなのか理解することが重要です。政治について考えるとき、私たちは大統領と連邦政府だけに焦点を当てます。いやそうです、私たちは大統領、議会、米国司法省、および連邦司法部を確立するため戦うべきです。人種差別が私たちの社会に横行している問題を実際に認識しており、それに対して何かをしよう!という機関を。しかし、警察隊と刑事司法制度の改革に最も重要な選出された役人は、州や地方のローカルレベルで働きます。

ほとんどの警察署長を任命して、警察組合と団体協定を交渉するのは、市長と郡の行政機関です。そして警察の違法行為に関与した者を調査して最終的に告訴するかどうかを決定するのは、地区の弁護士と州の弁護士です。それらはすべて選出されたポジションです。一部の地域では、警察の行動を監視する権限を持つ警察審査委員会も同様に選出されています。残念ながら、これらの地方ローカルの投票率は通常、特に若者の間でかなり低くなっています。ーー社会的制裁に直接の影響を与えるこれらのポジションが、、たった数千票、数百票の投票で決まるのでは、意義を成さないのは言うまでもありません。

つまり結論はこうです。私たちが真の改革をもたらしたいのであれば、選ぶのは抗議と政治の間のどこかではありません。両方です。私たちは意識を高め、整理し、そして改革に取り組むであろう候補者に我々が投票するのを確実にするために、きちんと投票用紙を投じなければいけません。

最後に。我々が刑事司法と警察の改革をより具体的に要求できるようになればなるほど、選挙で選ばれた役人にとって、プロテストが過ぎ去った後にこの原因に対して単に口約束で済まして普段の仕事に戻るのは難しくなります。この改革アジェンダは、さまざまなコミュニティによって異なるでしょう。大都市では改革の一式が必要になるかもしれません。農村は別のコミュニティを必要とするかもしれません。一部の機関は大量のリハビリが必要となり、他の地域もマイナーな改善を行うべきです。すべての法執行機関は、違法行為の疑いの調査を行う独立機関を含め、明確なポリシーを持っている必要があります。各コミュニティの改革を仕立てるには、地元の活動家や組織が調査を行い、どの戦略が最も効果的かについての教育を彼らのコミュニティの市民に行う必要があります。

まずは出発点としてここに、私がホワイトハウスにいた時にリーダーシップ会議で作成された、市民権•人民権•そして21世紀の警察官の権力に基づいたレポートとツールキットを示します。もしあなたが具体的な行動に関心をお持ちの場合は、オバマ財団では地域や国のレベルで長年闘い続けてきた組織や有用なリソースを集めた、道を啓く専用サイトを設けています。

この数か月は辛くて落胆の日々だったことを知っています。ーー恐れ、悲しみ、不確かさ、、パンデミックの困難は、偏見と不平等が依然としてアメリカの生活の多くを形作っているという今回の悲劇的な再発端によって悪化しています。しかしここ数週間、私はそれぞれの民族、場所、多岐に渡って若い人々の行動が高まっているのを見て、私は希望に満ちています!もし今後、私たちの正当な怒りを、平和で持続的で、効果的な行動に変えることができるのなら、この瞬間は本当に最高の理想を実現するための、我々の国の長い長い道のりのターニングポイントにできるでしょう。

さあ、仕事に取り掛かりましょう。

2020年6月1日(アメリカ時間)  バラク•オバマ

NEW ERA OF PUBLIC SAFETY Tool & Kit
https://www.obama.org/wp-content/uploads/Toolkit.pdf


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