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#ビジネスマンに必要な政策・社会の記事まとめ

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1歩先の社会を読み解くのに必要な政策情報をマガジンにキュレーションしていきます!
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記事一覧

著作権改正で変わるオンライン教育の在り方|#ルールを考える

コロナ禍により「学びの環境」は激変した。 突然の休学、自宅学習、暗中模索をしながらのオンライン教育。教育機関の改革を推し進めるGIGAスクール構想の前倒し。 一方で「やっといて良かった法令改正」が、2年以上前に成立していた。それは、平成30年に成立した改正著作権法改正だ。この法改正は、今後の教育改革を下支えするものでもある。 この意外と知られていない、しかし非常に重要な著作権法の改正内容について、経緯や制度の解説をしていく。 1.とても複雑な著作権まず著作権について簡単

個人向け給付の仕組みのあり方について(私案)

今日のCode for Japan, Digital Government Labによる「特別定額給付金事務の勉強会〜スムーズな給付に向けた改善点を考える〜」をYouTubeで視聴した。現在も給付事務で苦労されている自治体職員の方も多くおり、まだ過去のことではないのだが、問題が各所で出てきている今だからこそ、その課題を鮮明に認識できる面もあると思う。次に同じことを繰り返さないためにどのような点を改善すべきなのかも、現在の課題にどう対処するかと同様、重要だろう。今日の議論を聞い

マイナンバー政策を考える

「届くのが遅い」、「申請システム大丈夫なの?」。 コロナ禍に対する経済対策の目玉の一つである特別定額給付金、その事務業務やオンライン申請の問題が注目を集めています。 その課題の今後を考える上で欠かすことの出来ない「マイナンバー政策」について、最近の出来事からロードマップ、政策の動きを紹介しながら解説していきます。 1. 給付金狂騒曲 ~法も阻む行政事務~令和2年4月20日、国民1人当たり10万円を配布する特別定額給付金事業が閣議決定された。 ただ、この給付金作業でトラブ

【3分解説】スーパーシティ法とは?|#さくっと政策を知ろう

2020年05月27日、スーパーシティ法が成立した。 キャッチ―な名称、AI・データ活用などのバズワード、そしてつい先日頓挫したトロントでSidewalk Labs(※注1)が進めていた未来都市「IDEA」プロジェクトとの類似性からも、注目を集める。 一方で、「これで何が変わるの?」まではあまり報じられてはいません。 今回は、政府のソースを紐解いていく! (※注1)Google親会社であるAlphabet傘下のSidewalk Labs スーパーシティ法とは、なにか?結

混迷の先に未来を描け 識者が問う地域金融の真価 第5回テラロック

 いま必要なのは、見えない未来を信じる力—。新型コロナウイルスの感染拡大で多くの事業者が営業不振に陥る中、5月24日、公務員の寺西康博さんは「疾風勁草 試される金融」をテーマに第5回テラロックを開いた。オンライン形式の議論に登場したのは、日本資本主義の父と称される渋沢栄一の玄孫でコモンズ投信会長の渋澤健さんら3人の識者。危機的状況で金融の果たす役割は何か。渋澤さんは、実業界に偉大な足跡を遺した高祖父の言葉を借りながら、先の見えない状況だからこそ「できるかできないかではなく、何

令和2年度第2次補正予算案が閣議決定

 令和2年度第2次補正予算案が閣議決定されました。  令和2年度第2次補正予算案の概要は、以下の通りです。(補正予算の追加歳出計 319,114億円) 1.新型コロナウイルス感染症対策関係経費 318,171億円 (1)雇用調整助成金の拡充等 4,519億円 ※ 上記は労働保険特別会計への繰入や週所定労働時間20時間未満の労働者にかかる事業について、一般会計で措置した額であり、この他、同特別会計で8,576億円を措置している。 (2)資金繰り対応の強化 116,390億円

公衆衛生と行動経済学から考えるアフターコロナ【前】

行動経済学と公衆衛生を対立構造だけで論じるのはもったいないコロナ対策は経済vs公衆衛生の対立軸の文脈で語られることも多い。実は行動経済学と公衆衛生は「いかに人を動かして、幸福度を最大化するか」という共通のテーマを持ち、とても相性が良いことはあまり知られていない(注1)。両者は切り口やアプローチが違うので、途中では離れた道を歩むことも多い。実際にコロナの渦中では経済と公衆衛生のトレードオフは発生し、どちらを優先するのか決断が迫られる場面もあった。 しかし、どちらか一方だけで国

緊急事態宣言の解除で何が変わるの?

専門家有志の会の齋藤です。5月25日に、総理大臣から、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を解除するという発表がありました。 ここまで感染拡大を抑制する事ができたのは、市民の皆さまの努力の賜物です。しかし、世の中から新型コロナウイルスが消え去ったわけではありません。いわゆる「第二波」への備えが欠かせません。外出自粛や施設の使用制限なども、経過をよく見ながら、段階的に解除していく必要があります。 では、緊急事態宣言の解除で何が変わるのでしょうか? (本

行政とスタートアップの連動で市民の暮らしをより便利に。「ガブテック」で都市を活性化させる神戸市の取り組み – 前編

明治維新以来、外国との交易の窓口として栄えてきた港町神戸。2020年現在、神戸市は日本中のスタートアップの拠点地域となることを目指し、シリコンバレーのアクセラレーターと連携するなど数々の取り組みを進めている。世界に羽ばたくベンチャーを神戸から生み出すという、この「第2の開港」とも言うべきチャレンジを通じて、神戸市は人々の暮らしをどうバージョンアップしようとしているのか。活動の中心を担ってきた、神戸市役所新産業課の三嶋潤平さんにお話を伺った。(インタビューは、緊急事態宣言前に実

自治体デジタル化の本格化に向けて

総務省から「自治体情報セキュリティ対策の見直しについて」というレポートが公表された。 これまで自治体のIT環境は、マイナンバーに紐づく個人情報を取り扱うマイナンバー系、自治体の業務を取り扱うLGWAN系、外部へのアクセス可能なインターネット系の3層に分離されていたのが、見直す方向で今夏にもガイドラインの改訂がなされるというものである。これまで多くの自治体では業務環境が完全にインターネットと分離されており、非常に制約されたIT環境の中で業務を行っていったが、これを大幅に見直そ

次のスポーツマーケを考えるヒント。「日本は何故アクティベーション予算が少ないのか」

大坂なおみ選手の年収が、 女子アスリート史上最高額を更新(40億円超)。 その多くは企業のスポンサードによるもの。 凄まじいなと思いつつ、 ふと先日別のニュースで見た「日本はスポンサーアクティベーション予算が非常に少ない」という事を思い出しました。 (時間があるし)ちょうどいい機会と思い、日本がなぜが少ないのか、 つらつらとnoteすることに。 まず「アクティベーション」とは?スポーツマーケティングにおける「アクティベーション」の意味ですが、 ●スポンサーとしての権利を

【保存版】コロナ禍で取り組んだ、10のアクションまとめ

緊急事態宣言が解除される。あれだけ不安と混乱に満ちていたコロナ禍だったが、世界を見渡してもフェーズが変わりつつあるように思う。 やはりというか、残念ながら、世の中がBefore/Afterのようにガラッと変わることはない。コロナとは数年単位で付き合わなければならないだろうし、経済の落ち込みはそんなに簡単には戻らないだろうけど、何もしなければ、人も社会も慣れた元のあり方に戻ろうとする。結果的に、絶望は長期化する。 先行きが不透明なときこそ、『VISIOING(ビジョ

【解説】“教育”を考える親・事業者に知ってほしい、文科省の「学校の情報環境整備に関する説明会」。

2019年12月に『小中全学年1人1台を配備』することを目玉にICT教育の環境を整備するために閣議決定された「GIGAスクール構想」。OECD諸国と比べ、遅滞する日本のICT教育を大きく推進する教育分野の中核的政策です。 その矢先に起きたコロナによる緊急事態宣言。 教育全般にも多大な影響を及ぼしています。 これを受け、ICT教育政策を舵取りする文科省から「【5月11日】学校の情報環境整備に関する説明会」を学校関係者に2時間に渡るLIVE配信を実施しました。そこで説明された

マイナンバーカード・国民デジタルIDとは何か、給付と合わせて考える

個人向けの特別定額給付金や、事業者向けの持続化給付金などの給付スピードについて議論が巻き起こっており、申請が面倒、申請の処理プロセスが課題を抱えている、振込が遅いといった声が上がっている。また、少し前にはマスクの配給の仕方についても政府の手法に批判があり、台湾では電子システムやオペレーションが効率的に働き、うまくいったということが賞賛された。 このような問題の入り口は、我が国ではオンラインで手続するためのデジタルIDを国民全員が持っておらず、その活用のオペレーションが整理さ