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【3分解説】スーパーシティ法とは?|#さくっと政策を知ろう

2020年05月27日、スーパーシティ法が成立した。
キャッチ―な名称、AI・データ活用などのバズワード、そしてつい先日頓挫したトロントでSidewalk Labs(※注1)が進めていた未来都市「IDEA」プロジェクトとの類似性からも、注目を集める。

一方で、「これで何が変わるの?」まではあまり報じられてはいません。
今回は、政府のソースを紐解いていく!

(※注1)Google親会社であるAlphabet傘下のSidewalk Labs

スーパーシティ法とは、なにか?

結論から言うと「スーパーシティ法」とは、広報上の通称であり、「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」の一部に盛り込まれた条文である。

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スーパーシティは、下記政府公式動画で具体イメージも公表されている。

なにが出来るようになる?|法改正のポイント

スーパーシティ法で実現することは大きく4つに分けられる。それが、指定されたスーパーシティ区域の「データ連携基盤の整備・活用強化」、「横断的な規制緩和」、「都市間連携のAPIオープン化を義務化」、「各府省の事業援助の強化」だ。

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スーパーシティになるには?

スーパーシティは、内閣総理大臣による認定を必要とする。

スーパーシティのスキームを活用したい地域は、認定を受けるために区域計画(通称:基本構想)を作成することが必要だ。

いまの方針は共同通信の下記報道に詳細が掲載されている。

"全国で5カ所程度の地域を特区に指定する方針で、秋までに募集を開始し、年内の決定を目指す。計画を具体化し、実現するのは2022年以降になる見込みだ。(情報ソース:共同通信)"

公募要領で詳細が伝えられるが、既定の路線で行けば「申請主体者は、自治体」となるだろう。

また、昨年度のアイディア公募に反応した意欲的な自治体についても、公式資料で掲載がされているので、「行政と先進的な取組をしたい企業」は要チェックだ。

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気になる方はまず「スーパーシティ・オープンラボ(リンク)」の入会を検討するのもひとつだ。すでに95社の大企業、ベンチャーが加盟している。

他にも、スーパーシティ構想の実現と別メニューになるが、「地域限定型 規制のサンドボックス制度の創設」も見逃せない。これは、特にドローンや自動走行の関連ベンダーに追い風になる仕組みになる。

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経緯、そして懸念|2度の廃案から、3度目の正直

スーパーシティ法は、昨年度国会で2度審議され、いずれも廃案となった

正に「3度目の正直」で、2020年05月27日に成立したと言える。しかし、昨年度に廃案された際に出た際の批判的な指摘が払しょくされたわけではない

"最先端の技術を活用して、快適な生活を送ることに誰も異論はないだろうが、代わりに自由とプライバシーを差し出すことはできない。(国民民主党の森裕子氏、情報ソース:毎日新聞)"

プライバシーだけでなく、スーパーシティの条件である「なにをもって住民合意とするのか?」といった課題もある。この技術以外の課題への言及は、昨年度の廃案時からあがっており、非常に重要な論点となりそうだ。

また、冒頭で触れたトロントでSidewalk Labsが進めていた未来都市「IDEA」の頓挫から、実装地域での市民とのコンフリクトへの懸念、どう対応するか、その地域のケイパビリティが試される

目指すもの|3つのベネフィット

スーパーシティ構想とは「まるごと未来都市」をつくることであり、「一種のショーケース」と言われている。

そして、これによって実現するのが「社会課題の解決」✕「イノベーションの促進」✕「国家的なデータガバナンス」だと、考えることができるのではないだろうか。

さいごに

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[ 執筆・編集:深山 周作 ]

情報ソース

スーパーシティ(内閣府|国家戦略特区)

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