徳永兄弟「ブレリア・デ・パドレ」小説スペインの風 #曲からストーリー
小説 スペインの風
数年前の事だ。二人の娘たちが、古希の祝いに「ずっと行きたかったんでしょう?お父さんとお母さんで行ってきたら」とスペイン旅行をプレゼントしてくれた。どれほど嬉しかったことか。
しかし、ちょうど渡航直前に始まったコロナのパンデミックのせいで世界中がロックダウンされ、渡航計画は中止された。
あれから3年の時が過ぎた。朝、久々に届いた同窓会のメールを開くと、「コロナ禍も落ち着きましたので、あの年に中止された『古希同窓会』をします」という知らせだった。
俺は