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痛みを起こさない体づくり

 前かがみになって歩く人もよく見かますが姿勢がゆがんでいるためにエネルギーが分散し、ひどくなると下半身の関節に負担がかかり、痛みが膝にまで広がってしまいます。

 姿勢によって、これほど痛みやこりを引き起こすリスクが潜んでいます。

痛みを起こさない身体を手に入れる為にはどうすればいいか。一つ一つ身体をチェックしながら試してみて下さい。

 まずは、「正しい姿勢に矯正するための壁立ちポーズ」についてのお話です。



<正しい姿勢に矯正する為の壁立ちポーズのルール>

(1)肩甲骨と骨盤を意識して壁につけ、アゴは引いて視線は前に
(2)肩甲骨を寄せて胸を開く
(3)壁と腰の間の隙間がこぶし1つ分程度になるように腹部を引っ込める
(4)膝を伸ばす
(5)腕は体の前ではなく横に沿わせる
(6)体が真上に引っ張られているような感覚で、上半身を伸ばす

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…これが、理想的な姿勢です。

 このルールすべてを意識すると、かなり疲れます。ただ、毎日意識してこの立ちポーズを続けていれば、姿勢をつくる筋肉・腹筋や背筋が鍛えられ、腰を守りやすくなります。

姿勢はあくまで『クセ』その感覚で立つものだと、体に覚えさせることが大切です。

そのために、この『壁立ちポーズ』を普段から思いついた時に繰り返してください。続けていれば、壁を使わなくても正しい姿勢をつくれるようになります。

正しい姿勢をキープしたまま歩くコツについて

信号待ちの時間など自分の姿勢を正すクセをつけておけば、崩れにくく、歯磨きの最中に鏡を、外出時にはガラス窓などに映った姿を見て、積極的に姿勢をチェックするとよいです。



<姿勢をチェックするためのルール>

(1)「正面から見て傾きはないかをチェック」
⇒肩の左右の高さが均等か、首や顔が傾いていないかを見る。
「左右対称に筋肉を使っていれば、背中は真っすぐで肩も傾かないです。姿勢を保つ筋肉に左右差があると、バランスが崩れてしまいます」

(2)「横から見て真っすぐかをチェック」
⇒尻が出っ張ったり猫背になっていないかを見る。
「筋肉をきちんと使えていないと姿勢は崩れがちになります」

(3)「目を閉じて姿勢を正せるかをチェック」
⇒「視覚での修正」ができない状態で姿勢を確認する。具体的には、目を閉じて姿勢を正し、目を開いた時に姿勢が崩れていないかを見直しましょう。
「目を開いていると、平衡感覚がとりやすく自分の体も見えるので姿勢を修正しやすいです。目を閉じていても正しい姿勢がとれるように体に覚えこませましょう」

一つでもできなかったら、再度「壁立ちポーズ」で姿勢を修正しましょう。



ただ、体を痛めないようにするには、姿勢だけでなく、歩き方にも注意が必要です。

「『歩く時に必要な能力』を意識して使っていないせいです。フラフラ歩きはエネルギーと能力のムダ使いとなってしまいます」

「歩く時に必要な能力」とは、姿勢の良さに関わる「正しく筋肉を使うこと」に加えて、「バランス能力を働かせること」です。

「特にバランス能力は、加齢とともに衰えていく一方です。この能力を鍛えなければ、転倒しケガをしやすくなりますし、左右均等に筋肉を使えないので歩いていても効果的な運動にはなりません。体の軸もズレてきますから、腰痛や肩こり、膝痛を引き起こすことにもつながります」

「バランス能力」を使えているのか、チェックしていきましょう。



<バランス能力見極めのルール>

(1)「白線に沿って真っすぐに歩けるか」
⇒安全な場所を選んで、道に引かれている白いラインなどに沿って意識して真っすぐに歩いてみよう。ラインの両側に左右の足を置き、ラインと平行に進めるかを見極める。タイルの目や家のフローリングの板に沿って歩いてみるのもよいです。
行う際は、転倒には注意してください。

(2)「同じ場所で足踏みができるか」
⇒簡単に思えるかもしれないが、筋肉のバランスが崩れていると、同じ場所での足踏みは難しいです。

(3)「目を閉じて足踏みをしても、同じ場所にいられるか」
⇒30秒~1分間、目を閉じて足踏みをしてみよう。目を閉じると視覚での修正がきかないので、バランスが崩れていれば体は前後左右に動きやすいです。

 車道でやるのが心配な時は、家の中でフローリングの板を使って歩いてみるといいです。気を抜くとフラフラするので、やはり意識をして真っすぐに歩くことが大切だと感じるはずです。

ルール(2)と(3)では、足踏みのズレが分かるように床にA4サイズの紙を1枚置いて、その上で足踏みをしてみたりするとズレているかどうかがわかります。

「大きくズレる人には、偏った筋肉の使い方をしている人が多いです。背中や股関節のどちらかが曲がってしまっている可能性があります。」

 歩行時には段差や凹凸、傾斜を通ることもあります。普段から意識してバランス能力を使っていれば、筋肉を均等に使うクセがつきます。

 段差でつまずいたり足元の悪い場所でバランスを崩して転倒するリスクも減ります。自分を守るための能力ですから、意識して使って鍛えてください。


「あと2つのルールを守って歩けば、『移動のために歩く』だけでも、体を痛めないどころか運動効果もかなり高まります」

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