見出し画像

マインドフルネスストレス低減プログラム(MBSR):後半感想

全8回のマインドフルネスストレス低減プログラム(MBSR)も、残すところあと1回となった。
※MBSRについては以下をご参照ください。

8週間(1dayリトリートも入れると9週間)、あっという間に過ぎてしまって驚いている。はじめは「練習(毎日45分)長いし、練習よりもNetflix見たいし…大変…」、と感じていて、忍耐力が試される感じがした。そのたびに、「いやいや、お金払ったし!」みたいに、俗っぽいモチベーション(?)によって自分を引っ張り上げていた感じだった。でもそう思っていたのは最初の3~4週間くらいまでで、その後はあっという間だった。

私個人の後半の経験としては、以下、4つの「発見」があった。

① 自分自身が自分を支える存在になれるということ

私が今回8週間マインドフルネスの練習を毎日せっせとやり続けて、一番よかった、と思えたのは、自分自身が自分を支えるパートナーのような感覚が生じたことだった。

様々なマインドフルネスの練習をしているときは、常に、自分自身に目を向けている状態だ。自分の考えていること、体の感覚、気持ちに目を向ける。それを毎日毎日していくと、自然と自分の様子に気づいて、自分に語り掛けることが増えてきた。例えば、瞑想中に足がしびれてきたら、「今、足が痛くなってきていて、あと少しでしびれそうだけど、どうしようか。動かす?観察する?別のところに注意を向ける?」と自分に問いかける。(マインドフルネスでは、辛いことやしんどいことに気づいたら、それに対して自分が取る行動を選択するようにインストラクションがあった)それを繰り返しているうちに、最後の方は、どんな選択をして、どんな結果になっても「自分でした選択だもんね。」と思う自分ができてきた。自然と自分に対する労わりや支える言葉が湧いてくるようにもなった気がする。バリエーションも増えた。「頑張ったね」「よくチャレンジしたと思うよ」「不安だったんだよね」「それが辛かったんだね」…

もし感情に圧倒されたり、混乱したとしても、いつかは収まるし、自分が失われるわけではなくて、いつでも自分自身の感覚に戻ってくることができる、ということも、実感できるようになった。その感覚をインストールしていく作業が日々の練習なのだと思っている。
マインドフルネスを始める前の私が読んだら「何、ウェットなこと言ってるんだろう…」って感じるかもしれないけど笑
簡潔にいうと、自分自身に対して、少しずつ信頼感、安心感が持てるようになってきた、ということかもしれない。

② 好奇心をもって観察することの偉大さ

1dayリトリートをした日、最後の時間まで、誰とも話さずに、自分の体験に集中する、ということをしたのだけれど、最初は、周りばかり見ている自分がいることに気が付いた。頭の中は「私、間違ったことしていないかな?」「周りの人はどうやっているかな?私変じゃないかな?」という考えが浮かんできていた。その時に、「あれ?別に周りの人がどうしてようと構わないんじゃないの?正しいこともないし。今日は自分に集中する日だと思う。」と気付いて、「あ、いつもそうやって周りのこと気にしてるからねー。正しいことを探そうとするしね。癖みたいなものだよね。ここでもそうなったのね。面白い!」と思った。

1dayリトリートも含めて、自分を観察することは意外に面白かった。それが、嫌な体験であっても、その嫌な体験自体が観察対象になったのは新鮮だった。自分を観察対象にして、好奇心をもって観るという体験は、私にとっては、世界の観方が変わるくらいのことだった。嫌な体験が来たら「お、実験してみるチャンス!」みたいに少しわくわく(?)する感情も出てくる。もちろん、そういう余裕がないときもある。そういう余裕がないときでさえも、一瞬「あ、不快感、来た来た」と思っている自分がいたのに気付いた時は驚きだった。その時点で、不快感と少し距離をとれているのかもしれない。好奇心を持って自分の体験を観ることで、自分の「嫌な体験」や「嫌な感情」への態度や反応が変わってくる(変えられる)。これは自分にとって大きな発見だった。

③ チャレンジすることの楽しさと面白さ

これは、②とも関連することのような気がしている。最近は、チャレンジしてみることについて「楽しい」「面白い」と感じられることが増えてきたと思う。もともと、いろいろなことにチャレンジしてみる方ではあり、好奇心も強い方だと思うが、不安も強い。だから、リスクがあることについては、不安が勝つことが多かった。もちろん、現実的なリスク検討は今でもする必要がある、と思っている。それでも、自分が本当にやりたいこと、望んでいることなのに、「想像上の不安」が邪魔をしてなかなか手を付けられないようなことは、前より減ってきたのでは、と思う。というよりも、前は、自然と手を付けず、シャットアウトしていたので、自分がそれを「本当に望んでいる」と気付く余地もなかったのかもしれない。「少し怖いけど、自分がやってみたいこと」に気づいたら、②に書いたみたいに、実験だと思ってチャレンジしてみて、どんな感じになるか、好奇心を持って観察しようと思えている。

その一環として、1dayリトリートの昼食で、嫌いなシイタケが入っているお弁当を買って、シイタケをマインドフルに食べてみた。今まで「嫌い」と思っていたから、手を付けなかったし、匂いが苦手だったけど、食べてみたら意外と悪くなかった(というか、まぁまぁおいしかったし、面白い体験だった)。「嫌い」という価値判断が私をシイタケから遠ざけていたのかな…と思った。これは人間関係やその他の領域にも応用できることだな、と思っている。

④ マインドフルネスと少し距離を取りたい気持ち

マインドフルネスの体験は素晴らしかったけど、素晴らしいと思えば思うほど、「距離を取りたい」という気もちが出てきた。(ということに気付いて、「へ~面白いなぁ」と考えていた笑 考えにもいろんなレベル(層)があるのだと思う。)一つは、「信頼していいのか?」という、対人関係でもよく出てくる私のパターンだろうな、と思っている。もう一つは、これからマインドフルネスを強迫的にではなく、心地よく継続する方法を知りたい、という純粋な気持ちもあると思う。

MBSRは、私にとっては素晴らしかったけど、誰にとってもそうとは限らない。自分の体験だけではなくて、他の人の体験も知りたいし、マインドフルネスの難しいところも、欠点も知りたい。でも自分の体験は大切にしたい。その微妙な距離感が掴めればいいなぁ、と思っている。没頭しすぎず、けれど、自分の感覚や体験は大切にしつつ。今後も、マインドフルにマインドフルネスとも付き合っていきたいなぁ。

~最後に~

あと残すところ数回となって、クラスの人たちとのつながりがMAXで感じられた回が前回でした。MBSRでは自己開示もあまりしないし、侵襲的ではないので、そこがいいところだけど、あまりクラスの人たちとの交流もないので、物足りなさを感じていました。でも、密な会話をしなくても、感情的なつながりって作られるんだなぁ、としんみりしました。あの場所であの方々とMBSRを体験できた思い出がきっと、「安心の思い出」になって、これからも支えになるのかなぁ、と感傷に浸っています笑 最後の一回は、大事に大事に過ごしたいと思います。


#マインドフルネス   #心理学   #MBSR   #マインドフルネスストレス低減法 #ストレス #ストレス対処   #感情   #心理

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?