見出し画像

習慣の怖さ (The poisonous impact of habits)

カウンセラーとして僕は普段から習慣の大切さを唱えている。

うつ病の治療の一つにとしても行動を習慣づける事のメリットは証明されている。

また、我々の普段の行動の約5割は毎日の習慣でできているとも言われており、毎日行う大切な事こそ習慣化する事で出来る事も増え、時間を有意義に使うことが出来る。

習慣とは、心理学用語でいう「学習」の一つで、同じ行動を何度も繰り返すことでその行動を神経レベルで体が覚え、意識しなくても出来るようになる事である。

例えば、自転車の乗り方をどのようにして覚えたかを聞かれてもおそらく覚えていないだろうし、誰も自転車の乗り方は誰も知らない。

自転車の乗り方を知らないのにも関わらず我々は当たり前のように自転車に乗っている。

それは、小さなころに何回も何回も練習したことで体が記憶したからである。

しかし、その記憶は意識的な記憶ではないため、それを言葉で説明しろと言われても出来ないのである。

また、お風呂で体を洗う順番はおそらく毎回同じだが、誰もそんなこと意識しながらやっていない。

毎回、ここを洗って、その次はここで、、、みたいなことはしないだろう。

でも、当然のように毎度同じところから同じ順番で洗う。

これも「習慣」の一つであり、このように我々の脳は習慣化する事で、考える事を極力減らしているのだ。

だから、めんどくさい事は習慣化するといいよと言われているわけだが、習慣化された行動は無意識の管轄になり、意識的にコントロールすることが出来なくなってしまう。

そのせいで引き起こされる問題があるのも事実である。

現代の人の集中力は昔に比べるとかなり落ちている。

同じ場所に座って勉強や仕事をこなすのが難しくなっている。

もちろん頭では分かっている。

仕事をしないといけない、勉強をしないといけない、意識的にはそう思っている。

しかし、いざ始めてみると色んな関係のない事が頭の中を流れては目の前のタスクを妨害していく。

「あ、この後買い物行かないと」「○○の支払いをしないと」「今日の夜ご飯は何食べようかな」「タバコ休憩はいつにしようか」「そろそろコーヒーでも飲もうかな」

泊まることなく頭の中では思考が流れている。

この思考は止める事が出来ない。

どれだけ頑張って目の前のタスクに意識を向けようとしても無意識のうちに頭の中には別の思考が流れている。

これも一つの習慣である。

このせわしない現代でマルチタスクが当たり前になり、多くの人が常に色んな事に追われ、様々な事を考えながら生活しないといけなくなった。

「これもしないといけないんじゃないか」「あれもしないといけないんじゃないか」と焦る気持ちを常に持ちながら生活している。

そうすると、頭の中で複数の事を考えているのが習慣になり、それが無意識の領域になる。

なので、いざ目の前の事に集中しようとしても、意識的にはしないといけないと分かっていても、無意識に様々な思考が頭を流れるのである。

もちろんそれにはスマホやSNSの普及などの原因もある。

現代の人間の集中力は5分も持たないと言われているが、それも習慣の賜物だと言えるかもしれない。

習慣の怖さ。


最後まで読んで頂きありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?