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中間管理職って何を「管理」するの?

この記事の文字数:5379文字


優秀でない中間管理職の見分け方

「今、何年目ですか?」
医療関係者あるあるだと思いますが、よく聞かれる質問です。

正直なところ、何の情報も得られない無駄な質問です。
この情報を聞く事により、自分と相手との実務経験年数の差や年齢の大まかな予想をしているのではないかと思います。

本文に入る前に、優秀でない可能性が圧倒的に高い「優秀な中間管理職でない方」の見分け方を紹介します。

それは、年齢や実務経験を聞いた後で言葉使いが変わってしまう方です。
(敬語から友達言葉に変わる、突然敬語に変わる等)
頭のどこかで、年齢や実務経験重視されている部分が垣間見えます。

他部署や他施設の同等の地位の方と名刺交換をしてもらえれば、色々と考察できる部分は多くあると思います。結構な数の方が該当するはずです。

しかし、重要な事は中間管理職としてしっかりと部署を管理できるのかという事であり、年齢の違いのみで管理できるか否かが決まるものではありません。

これは断言できる事実です。
20代で医療関係の職業で管理職になられて、組織として優秀な成績・売上を出されている方は、私の知る限り両手で数え足りないくらい知っています。

中間管理職や管理職が部下の何を管理するのかがわからない方ならば、何歳になっても中間管理職として、組織の力を発揮仕切れないでいる方も多いかもしれません。

単純な年齢より人として何を「経験」された方なのか、管理職として何年勤務されたのかに加えて、どのくらい修羅場を「経験」されたのかに関しては中間管理職として管理業務を行う上で、経験値は重要な要素です。

この記事では、中間管理職として部下の何を「管理」するのかを説明しています。また記事の内容と連動して動画とともに解説します。

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医療の単価は一般職員も管理職も同じ

医療関係者である以上は何年勤務していても、同じ医療を提供した以上、単価は同じです。
それは、院長や副院長という役職がついていても、新卒で実務経験が浅くても、非常勤で働いている方とも医療の単価は全て同じです。

何年目ですか?

という質問には色々な意図が含まれているかもしれませんが、概ねの理由が聞いた方の自尊心に関わる事だと、私は考えています。

そのため、実務経験よりも「何ができるのか」、「何を経験されたのか」という情報が非常に重要になってきます。
ここまでが動画で2分20秒かけて話をしていますが、私の単なる愚痴ではありません。中間管理職として管理するものに関係があるので、前置きで説明しました。

中間管理職が管理するもの

ここからがようやく本題です。
(動画内のスライドが非常に見えにくいですが下図です)

中間管理職が管理するもの図1

中間管理職が管理するもの=コミュニケーション
を管理する必要があります。

例えば、学校時代を思い出して下さい。
・中間管理職 → 班長
・管理職 → 学級委員長
・経営陣 → 生徒会
と置き換えれば、中間管理職の仕事の概要が見えるかもしれません。
(あくまで例えです)

もう一つ思い出していただきますが
班長を中心とした「班」は何人グループだったでしょうか?

・・・4〜6人くらいではなかったでしょうか?
なぜ6人くらいだったのかを考えた事がある方は非常に少数派なので、考えた事がなかったという方も安心して下さい。
カメラマンのクボちゃんは動画内で、机が合わせやすいからと答えていますが、それも正解だと思います。

「班」という小チームのコミュニケーションを管理するのが班長の仕事です。
つまりコミュニケーションを管理するというのは
1.意見を言い合う
2.時に議論し合う
3.集まった意見をまとめる
4.まとめた意見を簡略化して発表ないし紙に書いてアウトプットする
までが管理です。

管理工程1〜4まで行うとすれば、人数が多すぎると非常に大変になります。
4〜6人が丁度良いのは、直感的にも経験がないでしょうか?

また、コミュニケーションには一人一人の発言が重要になります。
40人クラスでも、40人の前で「おはようございます」は言いにくいですが、決まったグループでの挨拶ならストレスは少ないのではないでしょうか?

医療の研修会もグループワークは少人数

実際、医療関係者として働いてからも、研修に出る事があると思います。
社会人の研修でもグループワークは少人数(最大8人まで)くらいだと思います。

そして、何より午前中と同じグループで昼からも研修となれば、昼の研修のスタートは滑らかに進められる事は経験として感じた事はないでしょうか?

つまり、この少人数のグループの意見を管理する事が中間管理職の仕事です。

少人数(8名まで)のグループでの話し合いは小学校から経験しているわけで、班長の経験が人生で一度もないという方はおられないのではないでしょうか?

コミュニケーションを管理できるのは8人まで

経営用語でスパン・オブ・コントロールと言ったりもしますが、わかりやすく言えば、一人の上司が管理できる最適な人数です。

GoogleやYahooで調べてもらえば、相当数の記事を読む事ができると思いますが、私が研修会で習ったのは「管理できる最適数は自分を含めて8名」です。

(ネット上の記事では色々な数が書かれていますが、5名〜最大10名とされている場合が多く、やはり平均で8名くらいです)

実際に私の中間管理職経験からも部下の数が7名を超えたあたりで、「人」が見えにくくなり、意見の統一が難しくなる経験しています。

小学生〜高校生の間でも、8人以上の班もなかなか経験されてないはずですし、小学生の時には隣の人と話をする(2人)事から始めて、後ろの2人とグループになる事もあったと思います。
そして、給食の時には6人グループというように、数が増えていたはずです。

中間管理職が管理するもの図2


そのため、9人以上部下の数が増えるようであれば、意見をまとめる事が難しくなるため、自分に加えてもう一人の中間管理職がいないと組織がバラバラになる可能性が高まります。
(動画内では中間管理職をセミマネージャーやミドルマネージャーと表現しています)

組織内の人数が増えると小チームのコミュニケーションが取れなくなるので、〇〇派、△△派という派閥に分かれてしまうのも、自然の成り行きです。

コミュニケーションを管理する上で注意する事

8人の人間がいれば、同じ方向を向く事も至難です。反対を向いている人を力づくで同一方向を向かせたとしても、連携は取れません。

まずコミュニケーションを管理する上で大事な心構えとして、
自分から部下を尊敬する事です。
自分ができない仕事を部下にお願いするにも関わらず、相手を尊敬していない態度をとる人が良い人間関係を構築できるとは思えません。

今回の記事で最も重要でかつ現場で問題になり、注意する事は「価値観は全員違う」という事です。
ましてや自分と同じ価値観で、部下が物事を考えてはいないわけです。

医療関係者としてアプローチ方法や信念は違っても、「目の前の患者さんが元気になってもらうために、医療を提供する」というゴールは同じでなければいけません。

答えは同じでも、「部下全員の考え方」というプロセスが違うという事は忘れてはいけないポイントです。
考え方が違う事を理解した上でないと、コミュニケーションの管理、つまり中間管理職の仕事はできません。

中間管理職の評価はシンプルで残酷

8人よりも管理する数が少ない状態で、コミュニケーションが管理できなければ、中間管理職の管理能力を問われます。

これを説明すると、嫌な気持ちや言い訳をしたくなるかもしれません。
中間管理職の研修を開催させていただいた時に、よく耳にする参加者の声は

・うちの部署は人材が育っていない
・スタッフ同士の仲が悪い
・ベテランが言う事を聞かない
・若手が多い
・上司が部下のことを全く見ていない

これらに類するような内容が大半を占めます。
しかし、経営者側はスタッフに責任があるとは判断しません。
「つまり中間管理職であるあなたが管理できていないと言うことでしょう?」
とシンプルな判断をします。

・人材が育っていない
 → 育つ環境を整えていない
・スタッフの仲が悪い
 → 意見の統一や意見の落とし所が悪い、少数派のケアをしていない
・ベテランが言う事を聞かない
 → 発言や行動に年上の職員に対して失礼な関わりがある
・若手が多い
 → 人材育成の形ができていない
・上司が部下を見ていない
 → 管理職の仕事を理解していない
(上司(管理職)は中間管理職を管理するのが仕事である)

実にシンプルであり、正論であり、残酷ですが、これが現実です。

カメラマンのクボちゃんからの質問です。
「小学校時代に班長の時にはコミュニケーションを管理しようと思っていなかったですし、相談とかは他の班の仲が良い人にしていた。相談役とかリーダーシップで班長を決めてはいなかった。班長の決め方を小学校の段階で知っている方が良いリーダーが育つように思います。」

間違いありません。
班長の仕事を早くから理解する事は重要です。実際に小学校時代の班長経験が、仕事の「やってはいけない事」を直感で理解し、班長の経験を仕事に活かしている人は存在します。

仲の良い友人は同じ班でない方が良い

班というチーム編成の話もします。
班を作ってください。という先生から指示があった時に、真っ先に仲の良い友人と同じ班になろうとします。

自分が班長である事を想定しても、当然コミュニケーションを管理しやすい友人を選ぶ事は一見効率の良い手段のように思います。

友人は違う班にした方が良い理由列挙すると
・仲の良い友人のいる違う班の情報を得る
・仲の良い友人とコミュニケーションを取りがちになる
・仲の良い友人同士で班を作ると注意や指示系統が曖昧になる

等が挙げられます。
つまり馴れ合いの班からは革新的な成長は難しいと推測できるのです。

ここからは班長の話をしますが、
小学校の班長とは言え、〇〇君はムードメーカーだからうちの班にいて欲しい、△△さんはメモを取るのが上手だからいてくれる方が助かるなといった具合で、班員のトレードを含め、多少の人事権はあったはずです。

班長の人事権を使い、友人の1人か2人を自分の班に勧誘し、共に活動するのであれば、問題は起きにくい事もあります。
それはコミュニケーションを管理しやすいからです。

自分を入れて6人グループで5人の知らない方と組むよりも、6人グループで自分と想いのベクトルの近い2人友人に入ってもらい、残りの3人のメンバーに対して、コミュニケーションをとっていく方が、スタートダッシュを決めるというメリットあります。
反対に革命は起こらないというデメリットも動画では紹介しています。

話を中間管理職に戻すと
班に何を求めて、人材を集めていくかが重要です。

・じっくり時間をかけて着実な仕事を求めらている
自分から相談できる同僚や部下をチームに入れる

・起死回生の一手を仕事で求められている
自分と波長の合わないスタッフをチームに入れる
チーム内で反対意見を真っ向から伝えてくれる人材は非常に大切です。反対意見を言われた時は中間管理職として辛い思いもありますが、話をうまくすり合わせる事ができれば、大きな仕事が達成できるチームになります。

最後に、何度も言うようですが、中間管理職の仕事はチームのコミュニケーションを管理する事です。班長の経験がある人・部活でキャプテンの経験がある人、あなたが今まで戦ってきた経験が、中間管理職となった時に活きてきます。
大きな仕事をするためにチームがあり、チームが機能するために中間管理職が存在します。部下一人一人が力を発揮できるように、価値観の違いを想定しながら作戦を考える事が重要です。

是非動画を見ていただき
・コミュニケーションを管理する事の意味
・成功するチームの人数
・人選の仕方
をあなたのチームに置き換えて、考えていただければ嬉しいです。

中間管理職管理するものサムネ

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閲覧できる動画:【完全版】中間管理職の管理するもの

今回は中間管理職の管理するものは何かについて説明しました。
医療関係者の中間管理職に突然させられてしまった方へ、あなたが組織のいなくてはならない存在、つまり、中間管理職のあなたが「会社の関節」となれるよう情報を発信していきます。
ご感想をコメントや下記のお問い合わせメールアドレスよりいただけますと、大変励みになります。
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今回のまとめ
・チームのコミュニケーションを管理する
・チーム人数は8人までにする
・人の価値観は全員違う
・コミュニケーションを管理できないのは中間管理職に責任がある
・人選はチームの仕事が長期視点か短期視点なのか、目的によって変化する

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