昨日と明日と今とポコ
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
「あしたっていまさッ！」
あの名作漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第一部で、少年ポコが勇気を振り絞って行動した際に叫んだ一言です。
それより前の時間軸の事が、その勇気を振り絞った行動の前に語られます。
ポコは、臆病でいじめられてもいつもやり返せず家に帰って、姉にいつまでやられっぱなしなのか問われ、そこからのやり取りがあった事が回想されます。
ポコ「あ…あしたやって…やらあ」
姉「あしたっていつのあしたよ？」
ポコ「あ、あしたさ…」
姉「ポコ…あんたの一番こわいことってなあに？」
ポコ「……」
「パッシイァ」（姉がポコに平手打ち）
姉「一番こわいのはこの痛みなの？痛いのってこわい？あんた、いつまでも、大人になってもひとりじゃなんにもできない方がもっとこわいとは思わないの？」
ポコ「ウッ おっ…おれ…（泣く）」
この流れからの、
「ねーちゃん！あしたっていまさッ！」に、連載時リアルタイムで読んでいた小学生の僕は、主人公では無いこの少年にめちゃくちゃに心を熱くされたのを覚えています。今でも、このセリフは僕の頭の中に響く瞬間がよくあります。
そんなこのセリフが、つい先日も、頭の中に響き渡る瞬間がありました。
組織開発で関わらせてもらっているとある企業の従業員の方と話をしていた時に、こんな話を聞かせてもらいました。
「周囲から、“この会社の未来の話もいいんだけど、今を変えなきゃどうにもならないだろう”っていう声が聞こえてくるんですよね」
その企業では、経営者と社員数名から成るコアチームを編成してチームで“会社のこれからを考え作っていく”という大仕事に取り掛かっています。
どうやら、「未来もいいけど今を変えなきゃどうにもならない」というのは、そのコアチームに参画していない社員数名から聞こえてきている様子です。
その時、僕の中に、ポコの叫びが響きました。
「確かに、そう言いたくなるのもわかります。今を変えないといけないというのは間違い無いと僕も思います。ただ、そこで言われている“今”っていつの事なんですかね？」
「え？今は、今だと思いますけど」
「はい。今は今ですよね。じゃあ、“今”って言った“今”っていつの事ですか？」
「え？？だから今じゃないんですか？」
「今、あなたが言った“今”は、もう“今この瞬間”じゃないですよね。既に、過去の話です。さっき言ってた“今”は、もう既に“今この瞬間”じゃなくなって“今”って言ったそばから“過去”になります」
「はあ…」
「“今”と言っているその“今”は、次の瞬間には“過去”になりまよね？」
「はい…」
「という事は、周囲の人が言っているという“未来もいいけど、今を変えなきゃどうにもならない”という話の中で言う“未来”というのは、今ここで話をしているこの瞬間から見ると“未来”ですが、“その時その瞬間”が来ると“今この瞬間”になるんです」
「…」
「つまり、“未来を作る”という事は、ここから先の自分達が生きる“今”を作るって事になるんです。だから、実際には、その人達が言っている“今を変えなきゃどうにもならない”というその“現状”を変える為に、取り組んでいるのがコアチームのやっている事なんです」
「なるほど」
「（大きく息を吸って…）すなわち！ 未来（あした）って、いまさッ！」
ドーーーン！！！
「ブラボー！（スタンディングオベーション）」
もちろん、途中からは完全に妄想ですが、途中まではザ・ノンフィクションな気がしています。
上のやり取りでも書きましたが、僕たちは「未来というのは、いつかやってくる今この瞬間」だと捉えています。そんな“未来”は、まさに“今この瞬間”から作る事が可能だと考えています。
“未来”はかけ離れた“遥か遠い空想・妄想の時間”では無く、すぐに過ぎ去ってしまってあっという間に“過去”になってしまう“今この瞬間”から、ずっと“今この瞬間”が連続していって、いつかの“未来”になっていくんだと考えています。
“今この瞬間”に集中して注力することで、“未来”が作られていく。
だけど、その為には“今この瞬間”から見ると“遥か遠い空想・妄想の時間”に感じられるかもしれない“未来”を、もっとずっと手元にググっと引き寄せてきて、実感を伴って“今この瞬間”と地続きになっている“いつかやってくる今この瞬間”としての“未来”について、問い考え語るという事が必要ですし、仮説を立てて目標を立ててイメージを持ってそこに向かう為に必要な物事を作っていくという事が必要なんじゃないだろうか。僕たちはそんな風に考えています。
そんな僕のベースは、少年ポコの勇気です。
あした、あしたと言い続けてきた臆病者の日々を、いざという時にはかなぐり捨てて、自分以外の誰かの為に行動する。
そんな、怖さや逃げたい気持ちを乗り越えて意志をもって行動することで、“明日”を“今この瞬間”に持ってくる。
いつだって、自分が生きているのは“今この瞬間”であり“ここ”でしかないわけです。この体は“未来”に生きているわけではなく、もちろん、“過去”に生きているわけでもありません。
そんな、“今ここ”に取り組み続けることしか出来ない生き物なので、“今ここ”に全力で臨む事を前提に、「あしたっていまさッ！」って思いながら生きていこうと思っていますし、そうしようとしている人と企業のお手伝いをこれからも続けていこうと思っています。
あかね
株式会社プロタゴワークス
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