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雑草という草がないのと同じように

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

他社の経営者や社員の方々と話をしている時に、

「会社の中に存在している“やる必要のあるコト”は全て“仕事”じゃないんですか?」

なんていう質問をさせてもらうことがよくあります。

この質問をするタイミングは、大抵“とあるキーワード”を相手が口にした時だったりします。

その一つが“雑用”という言葉だったりします。

「自分は他の人みたいに“仕事”が速くないから他の人がもっと効率よくやれるように“雑用”を引き受けることにしています」

例えばこんな感じに“雑用”なんていう言葉を使う人の話を聴かせてもらうことがあったりした際に冒頭の質問をしたりします。

そうすると最初はこんな反応をされたりします。

「いやまあ仕事と言えば仕事だけど、特に“お金”を生んでるわけじゃないからそこまで“仕事”って感じでもないかなと・・・」

というような具合です。
こんな返答があったりするとさらに質問をしてみたくなるので、こんなことも問いかけてみたりします。

「あなたの言うような“お金を生まないコト”が“仕事”じゃなかったとしたら別にやらなくてもいいんじゃないですか?何のためにその“雑用”をやるんですか?」

「だって、そういう“雑用”を誰かがやらないと結局は“仕事”の合間にみんながそれをやることになってしまって、せっかく“仕事”が速い人達の効率が悪くなっちゃうので」

「その“雑用”と呼んでいるモノも社内の誰かが必ずやらないといけないコトなんですか?」

「そうですね。誰かがやらないと勝手に片付くことは無いので」

「なるほど。ということは、会社の中に存在している“必ずやるべきコト”なのであれば、それって重要な“仕事”じゃないんですかね?」

「そうなんですかね。でもウチの会社で“仕事”っていうとみんな“〇〇をすること”って認識なんですよね。自分がやってるようなことを“仕事”だと思っている人ってほとんどいないんですよ」

業種も職種も役職も相手の年齢も問わず、“こんな感じの話”になることが案外たくさんあったりします。

こうやって文字になった状態で読んでみると「何を当たり前のことを言っているのか」と感じる人の方が圧倒的に多いんじゃないかなと思うんですが、これがなぜか“自分が身を置いている環境・状況”の中ではこんなに“当たり前のこと”に気が付かないで毎日仕事をしている人達がとってもたくさんいるという現実があるわけです。

そして、自分が身を置いて働いている環境の中に“雑用”と“仕事”という区分を持ち込みつつ、しかも、自分自身が取り組んでいるコトを“雑用”だと思い込んで働くことが如何にその人の自己効力感をすり減らしていくのかということに誰もが無自覚なまま“雑用”をしている人を格下に見たり、“仕事”をしている人を格上に見たり、なんてことが“当たり前”になっていることにすら気が付いていない状態になっています。

だけど、“そもそも”から考えてみると“こんなこと”が如何に不自然で不合理で不条理なのかということが案外と簡単に見えてきます。

「そもそも組織とは何か?」ということから考えてみると、そもそも組織とは「①目的を共有して②円滑なコミュニケーションをとりあい③協働する ことで、一人では成し遂げられないことを複数の人たちで成し遂げるための人の集まり」です。

であれば、組織の中で発生する“やるべきコト”というのはそのどれもが“組織として必要不可欠な仕事”であるわけなので、そこには“雑用”も“仕事”もそんな区分は必要無いし区分する意味もありません。

更にシンプルに考えるとするとこんなことも言えるわけです。

「飲食店の中にNC旋盤や3次元測定器が置いていないように、どんな組織の中にも“不必要なモノ・コト”は存在しない」わけです。

当たり前すぎて考えることもないかもしれませんが、「なぜ飲食店の中に加工機や測定器が無いのか?」と考えてみれば答えはシンプルで「それはウチの仕事には不必要だから(ウチの仕事ではないから)」に他なりません。

プロのサッカーチームでは、バットの素振りやピッチングを強化することは無いでしょうし、プロ野球のチームでサッカーやバスケのドリブルの練習を強化することもないでしょう(クロストレーニングはまた別ですが)。

考えるまでもなく、「その会社・その仕事に必要の無い“仕事”は存在しない」というのは、どんな会社組織チームであってもこれは必ず共通しています。

そうやってシンプルに考えてみれば「“雑用”なんて仕事は無い」と断言できるわけです。

もしも“不必要なこと”なのであれば、そんなことは早急にやるのを止めた方が健全です。

逆に、どれだけ他の人が見向きもしないようなコトであってもその組織にとって“必要なコト”なのであれば、それは誰が何をどう言おうとまぎれもなく“必要な仕事”であり“重要な仕事”です。

ウチは常にそう考えています。

だからキーワードが出た場合にはこれからもこうやって問いを投げかけていこうと思います。

「会社の中に存在している“やる必要のあるコト”は全て“仕事”じゃないんですか?」

そうしてよくよく考えてみて、そもそもからよくよく考えてみて、それでも“やる必要のあるコト”だったら、それがどんなコトであっても堂々と胸を張って“組織の仕事”として果たしましょう。

でも、もしも“やる必要のないコト”だった場合には、それがどんなことであってもさっさとやるのをやめた方がいいんじゃないかなと思っているので、時々はそうオススメすることもあったりします。そうした方がきっと“役に立つこと”になるんでしょうから。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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