今困っているこの現実を変えてゆく
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
「忙しくてなかなかできないんですよね」
ウチが手掛ける組織開発という仕事の中で、他社で働く方々の話を個別に聞かせてもらうと、この言葉を聞く機会がたくさんあります。
僕は、とても転職回数が多く色んな業種職種を転々としてきたいわゆるジョブホッパーだったので様々な仕事の体験がありますし、その仕事の大半がベテランと呼ばれるようになる前に辞めているんですが、そんな素人同然や経験が浅い状態でどんな仕事をしていても常に「忙しいなぁ」と感じていました。
そんな自分自身の体験があるので、「ほとんどの仕事で忙しくない仕事というのはあんまり無いだろう」と考えています(もちろん“絶対に無い”と考えているわけではありません)。
なので、冒頭のように話をしてもらった場合には「忙しくてなかなかできない」ということは必ずあるだろうし、本当に忙しいんだろうなと思っています。
一方で、「めちゃくちゃ忙しい」と感じながら仕事をしている日々の中で、絶対にやらなければならない仕事が新たに突然さし込まれてきたりするという状態も過去にはたくさん経験してきました。
新しい仕事が入ってくるまでも充分目が回る程忙しかったはずなのに、なぜか新しい仕事が純粋に増えても、どうにかこうにかやりくりできてしまった体験もたくさんあったりするわけです。「マジで忙しい」と泣き言を言いながら。
そんな時に、どうやって時間をやりくりしていたのかと言えば、とにかく“自分がやらなければならない仕事を書き出す”という作業をしていました。
ただでさえ「ああ忙しい忙しい」と気が急いている状態なんですが、その“気分”に自分自身が取り込まれるのを防ぐためにも、客観的に今の自分が置かれている状況を見つめるためにも、一度冷静になって“自分がやらなければならない仕事を書き出す”時間を作っていました。
そうすると、頭の中に渦巻いていた「ああ忙しい」という気分が一旦少し静かになります。何しろ「ああ忙しい」と思っている状態では、冷静になって“自分がやるべき仕事”を書き出す事は難しかったりしますから。
そうして書き出してみると案外と頭で思っていたような忙しい状況でも無さそうに見えて来ることがあったりします。
「ああ忙しい」と思っていた仕事が、実は“何度も繰り返してきた作業”だった場合にはそれにかかる時間が予測できますし、そもそも「やらなきゃいけない仕事」だとしても、自分の前に取り掛かっている人がいてそこから自分のところに回って来きたというような“あるタイミング”がやって来ないと取り掛かることが出来ない仕事である場合も多かったりするわけです。
そんな感じで、漠然とボンヤリ考えている時には「やること一杯で忙しい」と感じていたとしても、その日一日の時間軸の中で考えてみると「この時間帯でできる仕事」というのは限られている場合がありますし、「どの時間帯でもできる仕事」も意外とたくさんあったりしますし、その逆に「特定の時間帯じゃないとできない仕事」もあるわけです。
そうして、「どの時間帯にどの仕事をやるのか?」と「この仕事は大体このくらい時間がかかりそうだ」というのを割り振ると、色々と気付けることが出てきます。
例えば、「あれ?今日はこの辺りの時間が空きそうだから、そこでできることがあるんじゃないか?」とか、「実際には、結構息抜きしているなぁ」といった具合です。
そうやって「色々やらなきゃいけない仕事があるから忙しい」と“ひとかたまり”で捉えていた仕事を、細かく砕いていって分解してみることで、全然別の捉え方ができるようになるなんてことは毎度のことでした。
細かく砕いて分解してみて、時間を割り振って、一日の中のどの時間帯でやるのがベストなのかを考えたり、他の仕事と一緒にまとめて括ってみて片付けることはできないかを考えたり、そもそも本当に自分がやることが最も良い選択なのか?について考えて見たりすることで、それまでは「絶対に余分な時間なんて無い」と思っていたはずなのに、現実的に「時間をつくりだす」ということをしてきて、どうにかこうにか“新しくさし込まれてきた仕事”も押っ付ける。なんてことをやっていました。
そんな体験があったりするので、「今までやっていなかったけど、これから先を考えると確実にやっておいた方が良いであろうこと」について話をしていたりする時に、「まあ、やった方がいいのはわかるんですけどねぇ。でも、色々忙しくてなかなか…」なんて話になった時には、その「忙しい仕事」について一つずつ聞かせてもらうことがあるんです。
「今、忙しいと感じている“色々”について一つずつ聞かせて下さい」なんて具合に。
そうするとよくあるのが、「〇〇があって、◇◇があって、うーんと、あと何があるんだろう?えーと、あ、△△もあるかな。あとは、何だろ?あとは、突発的に入ってくお客さんの対応かな」なんて具合に、「忙しい」と言いつつも実は意外と出て来なくかったりするんです。
そうやって話を聞かせてもらっているうちに、実際には“仕事”というとても大きな括りでざっくりとひとかたまりにしちゃって認識して「忙しい感じがしていた」という状態に陥っていたことに段々と気が付いてもらえたりするんです。「ああ、こうやってやることを整理していくと、新しいことをやる時間も取れそうです」なんて具合に。
もちろん、こんなに上手く行く場合ばかりではありませんが、それでも「毎日仕事が忙しすぎる」と感じていて、その忙しさによって強いストレスを感じていたりするような状態だったりすると、本人が自分一人で“大きなひとかたまり”になっている“仕事”を細かく砕いて分解していくという作業に向かっていくのはなかなか難しいだろうなと感じます。
そんな時に、本人と一緒に“仕事”を細かく砕いて分解するという作業を一緒にやってくれる誰かが社内にいてさえくれたら、きっと「忙しすぎる」ということのプレッシャーをそこまで感じる必要が無くなるんじゃないかな?なんてことを思うんです。
そして、できることなら「忙しすぎる」と感じている本人の上司が一緒に考えてあげてくれるといいのにな、なんて思っています。
何しろ、その困っている当事者である人の仕事は捗るし、その人が所属している部門やチームの仕事が捗るわけなので、そのチームの業績に責任を持つ立場である上司の仕事も捗ることが約束されていて、それは結局、その人たち皆が所属している企業の業績アップに繋がるわけなので。
そうやって、「一人で気付くことは難しいけど、他者と一緒に考えることで、今まで無かった新しい気付きを得て次の段階に進んで行く」というようなことがあると個人の力も伸びていくし、組織の力も上がっていくことが約束されているからこそ、組織の中で“お互いに”他者のサポートをし合える環境があるといいのなぁ。なんてことを、冒頭のような話を聞かせてもらう度に考えています。
とは言え、冒頭のように「忙しくてなかなかできないんですよね」という話が多くの人から出て来る組織であれば、現状では「忙しくて困っている」という発信はできていないし、「忙しいならこうやってサポートするよ」という発信もできていないわけで、“相互に他者のサポートをする”という環境が無いということは明らかです。
当然、「そういう環境を作りましょう」といきなり言ったところであまり役には立ちません。
だから、まずは“大きなひとかたまり”になっている“仕事”を細かく砕いて分解する作業を一緒にやってみるところから始めることで、「こういう取り組みをすると、自分の仕事が今までよりも楽に進められる」ということに気が付いてもらうところから地道に進めていく。そんな遠回りこそが、実は一番の近道だったりしています。
そんなことを続けて積み重ねていくと、ある日突然“成長曲線”の角度が急上昇していく瞬間に立ち会えたりして、更には、あんなに「忙しい」と言って困っていた人が、急激に変化して一気に逞しく成長する瞬間に立ち会えたりもするんです。
そんな時、途轍もない面白さを感じたり、「この仕事やってて良かったなぁ」なんて思う事もあるんです。
「そんな日が、いつか来て欲しい」
いつだってそう思いながら、今日も明日も明後日もまだまだ奔走を続けます。
誰かが「そんなのムリだよ」「そんなの夢物語だろ」「どうせやったところで意味なんて無いよ」。そう言って、もう既に諦めてしまっていたとしても、もうすぐ諦めそうになっていたとしても。
それでも僕たちが諦めることはありません。「諦める」なんてことは随分前に諦めました。
諦めずに手を抜かず「役に立つこと」に取り組み続けてさえいれば、諦めたくなってしまうような“目の前の現実”は必ず変えられます。これはハッキリ断言します。
なにしろ、そうやって諦めずに「役に立つこと」に取り組むことで、当事者からしたら「未来に目を向ける気にもならないようなクソみたいな現実」を、「自分達の手で創り出せる未来に繋がる今」に変えてきた経験がたくさんあるからです。
もちろん、“すぐ”には変わりません。
“今の現実”に辿り着くまでには随分と長い時間がかかったはずですし、その間にとてもたくさんの人達の関与があって出来上がっている“今の現実”なはずですから。
それを変えるとなれば、当然それなりの時間は必要ですし、それなりの労力も必要です。
そして、何より、それ相応の“覚悟と勇気”が最も必要になってきます。
だけど、それさえあれば“目の前の現実”は必ず変えられますし変わります。
さながら、筋トレを継続することで、ちょっとずつ、でも、確実に筋肉がついて体型が変わっていく様にそっくりです。
そして、「はじめるのに今より早いタイミングは存在しない」というところも筋トレにそっくりですし、成果が出て(筋肉がついて)変化しているのが自覚できると(体型が変わると)ますます楽しくなってくるところも筋トレにそっくりだなと感じます。
「働く」を、「人生」を、「世の中」を、もっと楽しく。
誰もが、そんな風に「楽しんで」生きていけるようになる日を想像しながら、僕たちの特徴でもある“諦めの悪さ”をこれからも存分に発揮していきたいと思っています。
あかね
株式会社プロタゴワークス
https://www.protagoworks.com/
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