すれちがいは減らしていこうできるだけ
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
「本人は“聞いていない”って言ってますが、実際には一番最初に伝えているんですけどね」
組織の中で、仕事や人間関係でトラブルやアクシデントが起きた際に“こんな話”をよく聞きます。
AさんがBさんに対して“伝えたはずの話”を、BさんはAさんから“聞いていない”と言っている。
いわゆる“言った言わない”の水掛け論であるこんな状況を、これまでに数限りなく見聞きしてきましたし、実際に自分自身も“伝えた側”にもなりましたし“聞いていない側”にもなったことがあります。
これが起きた全てのケースに言えるのは、その当事者の内側に生じた“感情”が問題をややこしくしているんですが、その“感情”にフォーカスせずに問題の状況だけを観察すると“言った言わない”が起きないようにすることは案外と簡単に可能になります。
それは「やりとりを文字にして残す」というだけです。
“言った言わない”が起きるのは、その全てが“口頭でのやりとり”で発生します。
“口頭でのやり取り”であれば、やり取りをした直後から、と言うか、そのやり取りをしている最中から既に“やり取りの内容”についての“お互いの記憶だけ”が頼りになります。“口頭でのやり取り”で交わされた言葉以外には“形のあるモノ”としては何も記録されていません。もちろん全ての言葉は発された瞬間から消えていきます。
その状況についてもう少し考えてみると、この状況の中にはこんなことも含まれてしまっているはずです。
それは、「“口頭でのやり取り”で交わされた言葉が“伝えた側”と“受け取った側”の双方の中で“同じ意味”としてやり取りがされていない可能性がとても高いのではないか?」ということです。
この「やり取りで使用された言葉が“同じ意味”でやり取りされていない可能性」によって、冒頭のようなことが後々に発生してきているとうことが“口頭でのやり取り”の中では見落とされているんじゃないかと思っています。
特に、組織の中では“仕事”を進めていかなければならないので、こんな“すれ違い”が起きてしまうと関係する誰もが困ってしまうわけです。
何しろ、組織の中で他者とコミュニケーションをとるということは基本的には“仕事で必要なやり取り”が存在しているからですし、冒頭のような“言った言わない問題”が発生して困るのはいつだってその“口頭でのやり取り”の後の仕事が思うように進まないことによって起きたトラブルやアクシデントの存在によって表面化してくるわけです。
だからこそ、「やり取りを文字にして残す」ということをやっておくと“言った言わない問題”は起きづらくなってくるのは間違いありません。
もちろん「やり取りを文字にして残す」際には気を付けないといけないことは幾つかありますが、その最たるものが「一意になるように書く」ということです。
“口頭のやり取り”であれば極めて曖昧な表現や“こそあど言葉”を使ってもコミュニケーションがそれなりにできてしまったような気になる場合が多々あります。
でも、そんな“なんとなく通じた気になるコミュニケーション”だと当然ながら“相手にとって欲しい行動”を相手にとってもらうことはなかなか難しくなってきますし、そもそも、“伝えた側”が「相手に受け取って欲しい」と思ったことは受けとってもらえていないことが多くなってしまうけれども、“受け取る側”は「相手がこういうことを伝えようとしているんだろうな」と受け取りたいモノを受け取りやすい形で受け取ってしまいます。
そして、「自分と他者との関係性」についての“そもそも”から考えてみると、「自分には他者の言動を変えることはできない」という大前提が存在しているので“受け取る側の受け取り方”について“伝える側”が何かを言ったりやったりしたところでそこに変化を起こすことはできません。
そんな大前提が存在しているんですから“伝える側”がやれることと言えば基本的には一つしか存在しないわけです。
それが「一意になるように伝える」ということです。
一意とは「一通りの意味になるように伝える」ということです。
「こういう解釈もできるしこういう風にも考えられるよね」というのは「一意ではない」わけです。
そして、冒頭のように「本人は“聞いていない”って言ってますが、実際には一番最初に伝えているんですけどね」という状況が起きているということは「一通りの意味になるように伝える」ができていないということが起きているわけです。
だから“仕事”においては、まず「やり取りを文字に残す」ということが重要ですし、それに加えて、“こそあど言葉”は使わずに、固有名詞と数値を用いて「可能な限り具体的に伝える」ということに取り組む必要があるわけです。
それでもまだまだ「本人は“聞いていない”って言ってますが、実際には一番最初に伝えているんですけどね」ということが起きる可能性がゼロにはならないかもしれないので、「伝えたいことを文字にして表しているモノを相手がいつでも見返せる状態にしておく」ことや「同じことをある程度の期間毎に複数回伝える」なんてこともしておくと相手との間に起きる齟齬をとても小さなものにすることができるのかもしれません。
冒頭のような話が出た際に、ここまで書いてきたようなことを伝えたりする場合もありますが、そうすると「そこまでする必要があるの?」なんていう質問を受けることもあったりします。
もしも「そこまでする必要がない」んだとしたら、その時はきっと“組織内のコミュニケーション”には何の齟齬も起きていないし、ほとんどの人達が「一意で伝える」ができている状況なんじゃないかなと思っていますので、当然ながら冒頭のような話を聞かせてもらうことも無いでしょうし、冒頭のようなことを組織内の誰もが感じることも無いんじゃないかと思っています。
なので回答する言葉自体はその時々で変わるかもしれませんが、結論としては「必要です」ということを伝えることになってしまいます。
「本人は“聞いていない”って言ってますが、実際には一番最初に伝えているんですけどね」
こういう話が出てくるのであれば、これは明らかに「組織内のコミュニケーションがうまく機能していない」という事実が存在していることの証になってしまっているので“何か”を変えていかない限りは“うまくいっていないコミュニケーション”がいきなり急に“うまくいく”なんてことは奇跡でもない限りは起きることは無いのでやっぱり結局は「そこまですることが必要です」ということになるだろうと確信しています。
その結果として「相手にとって欲しい行動をとってもらえる」のであれば、それはそのまま「仕事の成果に繋がる」ということになるわけですから、やらない理由はありませんので頑張って取り組んでいくしかないんじゃないかなぁと思っています。大変だと思いますし、大変なことも起きるでしょうけど、一緒に頑張っていきましょう。
あかね
株式会社プロタゴワークス
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