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いまのまんまじゃもったいないぜ

こんにちは。

株式会社プロタゴワークスあかねです。

「ウチの会社は、どうして人が辞めちゃうのかな?」

『外部メンター』のサービスを導入してもらっていた企業の経営者の方から、こんな質問をされた事がありました。

その企業では、『外部メンター』を実施している部署の社員さん達では無い、別部署の社員の方が近々退職をするかもしれないという話を聞かせてもらった時の事でした。

ここでは、この時初めて聞かれた質問でしたが、ウチからするとこの質問は“中小企業あるある”の質問項目であると位置づけています。実際、これはよく聞かれます。

この時も、そこからよくよく話を聴いてみて、これまで関わらせてもらってきた話を総合して考えると、こんな風に見立てたられるんじゃないかと話をしました。

「“人手が足りないから”という理由で採用をしているから、採用の時点で本当に入ってきて欲しい人材では無いのに採用をしているのと、入ってからの育成方針が明確になっていないから早期退職に繋がっていんじゃないでしょうか」

すると、

「そう言えば、面接は各部門長に任せていて、判断基準は“自分と合うか合わないか”でやっている。最終面接は(経営者である)自分が入るけど、“ちょっとヤバそうだ”と思った時以外は、採用している。何しろ人手不足だから」というような話をしてくれました。

これを聴いた時には、「やっぱり」というのが正直な感想でした。

「どうしてすぐに人が辞めるのか?」という疑問が“中小企業あるある”なのと同じく、「採用時の判断基準が、面接担当者から見て“合うか合わないか”」なのも“中小企業あるある”だと、ウチでは捉えているんです。

というよりも、この2つの“あるある”は「表裏一体」というのが実際のところだと考えられます。

なぜなら、「面接担当者(この企業の場合は各部門長)が、“自分と合うか合わないか”で採用するかどうかを決める」というのが、その企業にとって「正しい採否の判断基準」だとした場合には、絶対に必要不可欠なモノが存在します。

それは、「面接担当者が自社の企業理念を全て体現でき、且つ、それを新入社員に伝承する事ができる能力」です。

これが存在するのであれば、「面接担当者が、“自分と合うか合わないか”で採否を決定する」という仕組みが十分に機能して、それによって採用された人はしっかりと企業理念に即した成長をするはずです。でも、もし“これ”が存在しないのであれば

、「面接担当者が、“自分と合うか合わないか”で採否を決定する」というのは、ただ単に「面接担当者が楽できるだけの仕組み」なんじゃないかなと思うんです。

なにしろ、このケースでは(というか、多くのケースでは)、「どうしてすぐに人が辞めちゃうんだろう?」という疑問を経営者だけじゃなくて、社内の多くの人が抱えているのが実情です。もちろん、その面接担当者も同様です(とは言え、面接担当者は、「アイツはすぐに辞める根性無しだったか…」なんて思っている場合もありますが)。

という事は、「面接担当者が、“自分と合うか合わないか”で採用する」という仕組みによってだけでは、「面接担当者が、採用した人の“定着と育成と戦力化を自分事化”する」という事は起きません。そして、当然ではありますが、これを期待するのであれば、「採用した人の“定着と育成と戦力化”」を採用した人(と該当する部門の)目標として設定しておかないと、当然ながら“自分事化する”なんて事にはなりません。

こんな風にして、「面接を担当する人(部門長)が、“自分と合うか合わないか”で採用する」という仕組みは全く機能せずに、「すぐに人が辞めてしまう」という結果に繋がる事が多く、結果的には、「会社の役に立つ取り組みにはなっていない」という悲しい“負の成果”として続いていってしまいます。

「じゃあ、どうしたらいいの?」

そんな質問を受ける事も“中小企業あるある”だと捉えているので、いつもの回答をしてみます。

「企業理念をベースに、“採用~定着~戦力化”の自社独自のやり方を、戦略的に立てましょう。重要なのは、この流れをしっかり考える事であって、“面接のやり方”とか“教育計画”とか部分的なモノではなく、流れを対話によって作るといいですよ」そんな風に答えています。

「自社にとって、戦力化した社員とは何か?」

例えば、そんな“問い”を立てて社内で対話をするだけで、確実に“今まで出てこなかったアイデアの材料になるモノ”が集まります。これは、「確実にそうなる」と断言できます(が、一回やるだけでそうなるかどうかはわかりません)。

そうなると、その対話は、“確実に”「自社にとっての定着とはどういうモノか?」「自社にとって、良い採用とは何か?」という事を考える必要が出てきます。これも「確実にそうなる」と断言できます(が、一回やるだけでそうなるかどうかはわかりません)。

こうすると、ある程度の時間はかかるのは当然ですが、その会社独自の採用基準も採用戦略も育成戦略も社員の戦力化も出来上がるので、当然ながら社内のキャリアパスも整備され、評価基準もしっかりと整理されていき、「どうしてすぐに人が辞めるんだろう?」という疑問を持つことなく、もっとずっと手前の段階で、困っている社員に対してフォローを細かくしていく事が可能な組織になっていきます。

もちろん、ここまでの事を全部一ぺんにやろうとすると、とんでもなく大きな負荷が急激に乗っかってくる事になりますので、徐々に進めるしか無いわけです。

「これから、こういう事に手を架けなければいけないのか」そんな風に感じてしまって、「やだな、やりたくないな、やらずに済ませたいな」そう感じるのは、至って普通の反応だと思いますし、だからこそ、これまでやらずに来ていたという企業もたくさんあるのを知っています。

でも、“ここまで書いたようなモノが整っている会社”と、“こんなのは全く存在しない、面接担当者が自分に合うかどうかで採用を決めて、その後のフォローもほとんどないような会社”とを比較して、「あなたは、どっちの会社で働きたいですか?」という質問をされたら、自分だったらどっちを選ぶんでしょうか?

僕は、「自分が入社するとしたら」と考えたら、もちろん“ここまで書いたようなモノが整っている会社”が断然良いです。間違っても、面接担当者が自分に合うかどうかで採否を決めるような会社では働きたいとは思えません。

仮に、「僕から見て、面接担当者が、僕に合う人」であり、「その面接担当者が、入社後に僕の教育を面倒見てくれる」のであれば、その会社への入社を決意するかもしれませんが。

もちろん、僕のように考える人ばかりでは無いでしょう。

例えば、「自分の知識や技術や能力に途轍もない自信を持っていて、確実にどこでも活躍できる」と考えている人からすると、どういう採用基準であっても問題無いんだと思いますし、きっとどんな企業でも活躍できるんだと思います。

でも、「どうしてすぐに人が辞めちゃうんだろう?」と経営者が感じている企業であれば、そもそもそれだけの自信を持って実力も伴っている人が入社してくるというのは、途轍もなく稀でマグレみたいな場合だけなんじゃないかなと思うんです。もしそんな事があったらラッキーです。

それに、しっかりと“戦略的・採用~定着~戦力化プラン”が仕組み化されている企業であれば、そんなラッキー人材にも活躍してもらう事はできるでしょうし、そうでない普通の人たちにも大いに活躍してもらえるのは間違いありません。

それに何より、「しっかり考え抜いて構築した戦略と仕組みによって採用した人が定着してくれて戦力になってくれた」という方が、経営者も関わった社員の皆さんも、それ以外の社員の方も、誰もが「やって良かった」と思えるはずです。当然ながら、入社した人も「入って良かった」と思えるはずですから。

そんな中小企業が、この社会にこれからもっと増えていけば、働き口を探す人にとっても有難いですし、働き手に来て欲しい企業にとっても採用がしやすくなるでしょうし、そんな取り組みをしている企業は当然業績にも良い影響が出ていますし、この社会は確実に「より良くなる」のが目に見えています。

大変だけど、必ず“やるだけの価値”がありますし、“やる意味”があります。

だから、

そんな中小企業が一社でも増えるように、中小企業で働く人達が一人でも今より働きやすくなるために、これからも「対話の力で、働くを、人生を、世の中を、もっと楽しく」を掲げ、中小企業の「理念の実現のサポート」をしていこうと思っています。

一人でも多く、“主人公”が、この世界に増えていきますように。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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