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ウチに来るのは何択ロース?

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「嘘つきは泥棒の始まり」

子どもの頃、この言葉を周りの子ども達も大人もみんなが言っていたような気がします。

大人に対して嘘をついてそれが発覚して叱られる時にも言われたし、友達にどうでもいい嘘をついてそれがすぐに嘘だと見抜かれた時にも言われたし、自分も同じように言っていた記憶があります。

そんな経験をたくさんしてきておきながら、もしかしたら、僕は今、途轍もない“嘘”をついているかもしれません。

今、ウチの子どもの目下の関心事は、1ヶ月後にやってくるクリスマスです。
そこで貰うプレゼントの話をする機会が段々と増えてきています。
何やら欲しい物は決まっているらしく、それをサンタクロースにお願いするからクリスマスには貰えるんだと言っています。

ただそこで一つ問題が発生しました。
少し前に、“その物”が売っているお店に実際に足を運んでどういう物が売っているのかを見に行った事があったんですが、僕はこれまでにそれを買った経験が無かったので、店員さんにそれを購入する際に注意するポイントについて聞いてみたんです。

そしたら、子どもが欲しがっている“その物”は、実際に使用する人の体のサイズが大きく関係してきてしまう物だったんです。

つまり、実際に購入する前に、使用する本人が実物を実際に試してみる必要があるんだそうで。

そうなると、「子どもが、クリスマス当日の朝にふと目が覚めると、欲しかったプレゼントが枕元に置いてあった」なんて演出ではなく、「事前にしっかりサイズ合わせを行ったうえで自分宛に貰える前提の“その物”が、しっかり枕元に置いてあった」という、ちょっとサプライズとはほど遠い感じになってしまいます。

とは言え、ウチの家計からすると「大したことない金額の物」ではありません。サイズが合わなくなったらまた買い換えればいいよねとは言えませんし、まあどうしすぐ飽きるんだろうから飽きたらまた別の物を買ってあげればいいよねなんて言えません。

吟味に吟味を重ねつつ、「サンタさんは世界中の子どものにプレゼントを配っているんだから、あまり高価過ぎる物をお願いしても、お願いした通りの物は貰えないんだよ」なんて事も言い含めながらのクリスマスプレゼントのチョイスです。サンタクロースといえども決して万能ではありません。子どものクリスマスプレゼント以外にも用意しなければならない物があるわけです。主に、生活必需品とか。空飛ぶ橇のメンテナンス代も馬鹿にならないでしょうし、何しろトナカイの餌代だってやりくりが大変なはずなんです。

そんな事情がありつつ、サイズ合わせ問題についてどうするか考えた結果、やっぱりサイズ合わせをしないわけにはいかないという事になりました。

なので、子どもには「サンタさんにちゃんとサイズを伝えておかないと、他のウチの子どものプレゼントが間違って届いてしまうかもしれないから、ちゃんとお店に行ってサイズを確認しよう。そのサイズを、サンタさんにスマホで連絡しておくから」と伝えました。どうやら子どもから見ると「何でも出来る機械」という風に見えているらしいこのスマホが、サンタクロースへの連絡であっても可能にしてくれると思えたのは幸いです。

今や、サンタクロースですらDXの波からは逃れられません。きっと世界中の親たちからの連絡が連日“サンタクロースコールセンター”的な場所へ、スマホやPCからのテキストメッセージとして届いているのかもしれません。

こうして無事にサイズを確認し終えて、お店を後にしました。もちろん、“その物”のサイズと品名をしっかり店員さんに伝えて、秘密のカードを機械に差し込んで手続きをしたうえで、サンタクロースへの伝言をお願いしてきました。当然、子どもはその場面を目撃出来ないようにしておきながら、です。

事実では無いことを、そうと知りながら相手を騙すために、全く別の事をあたかも事実かのように話す。
もしもこれを“嘘”だと定義するとしたら、僕はやっぱり嘘を言っているのかもしれません。

そう考えると、数々の嘘を重ねているのかもしれませんが、これらに関して「嘘つきは泥棒の始まりだ」なんて言葉を思い出すタイミングは一度もありませんでした。

何しろ、僕は子どもを騙すつもりは1㎜も持ち合わせていないので、そもそもこれを“嘘”だとも、自分自身を“嘘つき”だとも思ってはいません。

僕にとっては、「サンタクロースとの間で行われるプレゼントのサイズに関するやり取り」なんかは、“嘘”なんかではなく“物語”だと認識しています。

例えば、演劇やドラマや映画や漫画やアニメや小説などのような“物語”です。

それらの虚構について、「あんなもの嘘の話だ。それを創っている者も演じている者もみんな嘘つきだ」なんてことを僕は思った事もありませんし、それが現実のお話じゃなかったからと言って悲しいと思ったこともありません。

あくまでもその“物語”を観ている側として、観ている間は没頭できている方が楽しいです。それに、その“物語”の世界の中で生きている登場人物達がその物語の世界観で生きて暮らしている事について、観ている側から「あーあ、あんな嘘の内容を信じて生きているなんて」と呆れたり落胆したりするなんて事はありませんし、そんな事を想像してみると、それはそれで別の意味で面白くなってきたりします。

そういう意味では、今の僕を含めた、クリスマスプレゼントとサンタクロースの物語に身を置く大人達の役割というのは、“物語”と“現実”の狭間を行き来出来て、尚且つそのどちらの視点も併せ持つ存在なのかもしれません。例えば、『世にも奇妙な物語』におけるストーリーテラーのタモリみたいな役割と言えるかもしれません。

多くの子ども達が信じている「サンタクロースの存在する“物語”の世界」に、今の僕のような大人の立場である多くの人達も元々お世話になってきている人が多いんじゃないかと思うんです。

だからこそ、元々“物語”の世界の住人だったからこそ、今この瞬間に“物語”の世界の住人である現役の子ども達の“物語”の事もよくわかるわけです。もちろん、今現在は大人になったので“現実”の世界のこともよくわかっています。

そのどちらも、「よくわかっている」からこそ、子どもの間にしか没頭する事の出来ない、「サンタクロースの存在する“物語”の世界」の貴重さがよくわかるのかもしれません。

そんな“タモリ風ストーリーテラー”的な立ち位置の存在として、“サンタクロースの物語の世界”と“現実の世界”の行き来をする事について、「嘘をついている」なんて思えるはずもありません。

ただただ、「物語の中の世界」と「物語の外の世界」を、と言うか、「ある物語の世界」と「それとは別の物語の世界」との間を行き来しているだけであって、そのどちらの「物語の世界」の中においても、「両方の物語の世界」について話をしているだけであって、嘘つきなわけではありません。

そして、そんな「ある物語の世界」というのを、どれだけたくさん自分の中に持てるか、どれだけたくさんの物語を自在に行き来できるのか。

それが、僕にとっての楽しい事なんじゃないかなと思っています。
そして、その物語の中においては、どの話も全て本当の事である。

これが、今の僕の心境に最も近い内容かもしれません。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/


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