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紐解いて編み直してみたならば

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「相手の言うことを鵜呑みにしないことが大事なんだよなぁ」

そんな話をしてくれたのはお客さんのニーズを汲み取ってお客さんの本当の要望に応えるためのサービスを提供することを“仕事”にしている営業職のベテラン社員Aさんでした。

自身が仕事の中で心掛けて実践している“仕事のコツ”を後輩達に伝えていくとしたらどんなことを伝えていくべきなのか。
そんなことをみんなで考えていた中で、Aさんが言っていたのが冒頭のような言葉であり、その内容を詳しくするとこんなことでした。

「お客さんは、ウチが提供しているサービスについての専門知識があるわけではないので、お客さん自身が“こういう状況で困っているんだ”と話をしてくれたとしても、必ずしもその通りのことが起きているわけではなかったりするし、時には話してくれた通りのことだったりする。よくよく聞いてみないとホントのことはわからない。だからこそ、言っていることを丸々鵜呑みにせずに、よく確認して“実際のところ”を明らかにしないといけないんだ」

なんてことを伝えようとしてくれていたようでした。

“鵜呑みにしない”についてそんなことを話してもらったんですが、その仕事について素人である僕からするとAさんが教えてくれた内容が今一つ具体的に見えてきませんでしたのでこんな質問をしてみました。

「“鵜呑みにしない”っていうのは、具体的には何をすることなんですか?」

そんな僕からの問いかけがどうやら想定外だったらしく、「え?どういうこと?」というような反応が返ってきたので、もう少し違った言葉を使って、でも、同じ意味合いことを質問してみることにしました。

「“鵜呑みにしない”という時に、Aさんがとっているのはどんな行動ですか?」

すると「行動?その時とっている行動って何だろう…」なんて言いながら考えはじめてくれた様子だったので回答が返って来るまでしばらく待ってみることにしました。

「相手の言っていることを“鵜呑みにしない”行動とは何か?」

自分自身が普段の仕事の中で心掛けている“大事なコト”について、こんな問いを投げかけてみてそれについて考えてみる。それはきっと、普段は自分にとって極めて“当たり前にやっているコト”だったりするからこそ、それを客観的に俯瞰したうえで“行動”として分解して細かく見てみるということでもあるわけです。

何しろ、自分にとっては“当たり前”にやってしまっている行動であり、言わばナチュラルにそこまで「やるぞ」と思わなくてもごく自然にできてしまう行動なので、明確に意識の表面に浮かび上がらせることなくできてしまう行動とも言えるわけです。

だけどこの状態にある行動は、自分以外の他者に言葉として伝えて教えていくことが難しいですし、場合によっては「教えることができないコト」として扱ってしまうことにもなりかねません。

だからこそ、そんな時に自分がしている行動を自分自身で俯瞰して観察して言語化することで、これから社内の標準的な行動として再現性のあるモノとすることができるようにしていけます。そして、それが出来れば、それをみんなで実践していければ、今よりも会社全体として成果の出せる組織になっていくことにも繋がるはずです。

だからこそ、まずは“鵜呑みにしない”という時にしている行動を言語化してもらうためにウンウンと唸りながら考えてもらうことが必要になってくるわけです。

そうして実際に苦悩しながら考えているAさんに向けて更に幾つかの声掛けをしたところで、Aさんが普段している行動が言語化されて出てきました。

その行動は“言葉”にしてしまえれば極めて単純な行動でした。

だけど、それを日々実践していた本人からすると極めてナチュラルに無意識にしていた行動だったので途轍もなく“言葉”にするのが難しい行動だったわけです。

だけど、言ったん“言葉”になってしまえば自分の外側に抽象化して外化することができたモノとして客観的に眺めることができるわけで、その出てきた“言葉”を他者に伝えられるし他者が再現性を持って実用化できる状態にまで持っていくことができるわけです。

この作業をするまでは「鵜呑みにしない」という“何かを否定すること”としてしか存在していなかったので「それって何をすることなの?」という問いに答えることができず、他者が再現することのできない状態だったにもかかわらず“言葉”になった途端にAさん以外の人であっても「〇〇をするコト」として誰でも十分に再現することが可能になりました。

その瞬間にそこで起きたのはたったこれだけのことですが、たったこれだけのことが、その会社にとっての“営業におけるノウハウ”という財産に生まれ変わったのは紛れもない事実です。そして間違いなくこれからは“鵜呑みにしない”というAさんの中だけにあった“営業のコツ”がその会社の誰もが自在に使いこなせるモノとしてずっと残り使われ磨かれ続けていくことが確定したわけです。

そんな風に“財産”にとって代わるであろう“埋もれたモノ”が様々な組織のたくさんの人の中に山ほど眠っているんですから、それをどんどん発掘して磨いて渡して再現していけさえすれば、色んな“仕事”がどんどん前進していく燃料になるんですから、どんな組織の中でもみんなで“対話”をして“問い”を立てて“考えて”考えたことを“語る”ことで、沢山の可能性がどんどん開いていくんだろうなぁと思っています。

どんな組織であっても“対話”で未来は明るくすることができるんだって声を大にして伝えていきたいし、関わらせてもらえるところでは“こんな風に”全力で“対話”によってサポートしていきますので今後もよろしくお願いします。


あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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