難易度はSASUKE級これが本当の姿かもしれない
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
色んなことの中に、「本当のこと」って、やっぱりあると思うんです。
そんな“色んなこと”の中には、ウチが手掛けている組織開発で遭遇する様々な事も含まれるんじゃないかと思っています。
組織開発は、「組織がよりよく回り、その力を存分に発揮するための、あらゆる働きかけを行う」という意味だと捉えているので、その組織が活動するありとあらゆる分野を含みますし、その組織が活動することで影響を与えていると考えられるありとあらゆる方面を含んでいます。
そんな、様々な物事の中には、一見すると「華やかに見えるモノ」がたくさん含まれています。それらは総じて、“外向けの㏚”として華やかさを纏っているように感じるんですが、その“華やかさ”と、その中身である“実態”は一体どれくらいリンクしているんだろうか?そんな事を考えさせられる事が、たくさんあるのも事実です。
以前の仕事では、新卒者の就職活動の場として“合同企業説明会”の企画・運営をしていた事があります。
毎年何回も実施するものだったので、運営をパッケージ化する事ができてからは、それほどの負担にはならなくなりましたが、そこに持っていくまでは本当に手数がかかる大変なイベントでした。特に、当日を無事に迎えるまでには本当に様々な大変さがありました。
僕が合同企業説明会の企画・運営を担当することになったのは、まだ“買い手市場”だった頃でしたが、買い手市場にも陰りが見え始めてきた頃の事でした。そこから急激に“売り手市場”に転換していき、“売り手市場最盛期”にはそれまで毎年のように「(このイベントに出れたことで)お陰様で計画通りの採用ができました」なんて言ってくれていながらも他の就活イベントにはあまり協力的じゃなかった企業さんが、「内定辞退が相次いで計画を大幅に下回りました。またこういう機会があったら是非声かけて下さい」なんて言って、他のイベントにもかなり協力的になってくれたりするくらいには大きな変化がありました。
当時、群馬県内で“群馬県の企業だけが参加する新卒学生向けの合同企業説明会”を実施すると、そこに参加してくれる学生達のほとんどが「地元の群馬にある企業で就職を考えている」という学生ばかり。
「就活について考えたり行動したりするのは、この日のこの会場から」という学生も多数いたのが実情でした。
そんな就活イベントをやっている中で、「本当のこと」として思い出すのは、当日の会場での各企業ブースのことです。
自分の将来についても、就活についても、右も左もわからない学生達に向けて、“とてもきらびやかな装飾”を施したブースに、(恐らく自社の社員なんでしょうが、もしかするとアウトソーシングで連れて来ている可能性もありそうな)数人の若くてシュッとした印象で“リア充”風な雰囲気を纏った感じの男女と、若くてイケている装いの経営者(or重役)が、ブース前を通りがかる学生に片っ端から声をかけて、「自社の社風㏚」をグイグイと行って、その後の就活の流れに学生達を乗せていく。そんな企業が少しずつ増えていってる時期でした。その頃は、まだ今みたいに動画を手軽に低予算で作れるようにはなっていない時期でしたが、そういう華やかな自社PRをする企業は既に動画にも手をつけていたのは記憶しています。
そうして、毎年行う合同企業説明会にも毎年参加する度に若い社員がどんどん増えていくのを目の当たりにしていました。
ただ、それを見ていた僕としてはずっと懸念していた事がありました。
「あのイベントであの企業に就職を決めた学生たちは、その後もちゃんとあの会社で定着して働き続けられているんだろうか?」と。
僕は、その企業の担当ではなかったので、その企業の動向を直接知る機会があるとしたら毎年の就活イベントに参加してくれた時だけだったので、1年を通してその企業の事やそこに就職していった学生達の事を思い出すのは、また次の年の就活イベントでその企業を見る時だけだったんですが、ある時期を境にパタッと若い社員が就活イベントに来なくなりました。
その企業を担当していた当時の同僚に聞くと、「あの会社の若手、ほとんど辞めちゃった」との事でした。
そして、それからしばらくして、風の噂で聞いたのは、あまりの離職率の高さで色々問題が起きたらしい、との事です。
もちろん、「就活イベントでブースを飾る事がいけない」だなんと思っていません。ある程度は、しっかりと学生の目を引く事に注力するというのは絶対に必要です。
だけど、それはあくまでも手段の一部分なだけであって、本当に必要なのは、その会社の中身なんじゃないかなと、その当時から思っていましたし、今でもそれは変わりません。
就活時点で“華やかな印象”だからと言って、それはあくまでも学生が就職を決める際に参考にする一部分にしかすぎませんし、就活の時に聞いていた話と入ってみてからのギャップがあるというのは、ある意味では、「学生にとっては必ず起きる事」だと言ってもいいんじゃないかと思っています(とは言え、今はインターンシップが当たり前になっているのでそのギャップもかなり小さくする事が可能だとは思いますが)。
入る前に感じた“華やかさ”と、入ってから味わう“現実”、そのギャップこそが「本当のこと」なんじゃないかなと思っています。
そのギャップを、学生側があらかじめ埋める事は原理的に不可能です。
だって、そのギャップ自体の存在を知らないわけですから。
もちろん、知識や情報として知っている学生はたくさんいると思います。
だけど、学生が、その知識や情報として知っているギャップというのは、例えるなら、僕たちがテレビ番組の『SASUKE』を見て、「SASUKEの全貌を俺は知っているから、出たらクリアできる自信あるぜ」って言ってるのと全く同じなんじゃないでしょうか。
でも、実際にあのSASUKEを完全制覇した人というのは、39回開催されてたったの6人(延べ人数)しか存在していないそうです。
SASUKEの例からもわかるように、全貌や注意点をこの目で見ておきながら、失敗する人の例や成功する人の例まで確認しておきながら、クリアするのはほとんど超人技であるというのが「本当のこと」なのかもしれません。
であれば、就活における企業側の取り組みとしては、「どれだけ学生の立場になって考えるか、どれだけわかりやすく会社と仕事について伝えられるか」という事に、まずは最大限注力して、注力し続けていく事が、何を差し置いてもするべき事なんじゃないかなと思っています。それが、企業側にできる最初にして最大の「本当のこと」なのかもしれません。それ以外のことは単なるオマケなんじゃないかと、僕は考えています。
学生を採用して、定着してもらって、戦力になってもらう。
中小企業や小規模事業者の中でも、学生に不人気な業界業種の企業にとっては、これは、きっと、SASUKE完全制覇と同じくらいの難易度の事柄なのかもしれません。
そう思って取り組むのであれば、これまでにSASUKEを完全制覇した人達と同じように、全く抜かりのない準備を継続して行うという、決して派手ではなく、むしろ、地味の極致かもしれないけれども、戦略として一切間違いのない準備を整えて、その時を迎える事が出来るのかもしれません。
過去を思い出し、現在を考えて、今考えているこれが、今の僕の中では「本当のこと」なんだろうなと思っています。
あかね
株式会社プロタゴワークス
https://www.protagoworks.com/
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