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そこからはどんな景色が見えるんだろう

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「経営理念が社員になかなか浸透しなくて…」

そう嘆く経営者の話を聞かせてもらうことが度々あります。

一方で、全く別の話を聞かせてもらうことも多々あります。

「理念が大事ってよく言ってるけど、何言ってるのかよくわからないんですよね」

そう話してくれるのは、「経営理念が社員に浸透しない」と嘆く経営者の方の会社で働く社員の方々だったりするんです。

これは、ウチが関わらせてもらう企業だけではなくて、それ以外の多くの中小企業でもよく見聞きされる“中小企業あるある事例”だと認識しています。

どうしてこんなことが起きているのか?

全ての企業をくまなく調査したわけでは無いので原因は様々あるのかもしれませんが、ウチが大なり小なり関わらせてもらっている範囲で見えてきたその最大の原因を一言で表すとしたら「ギャップ」です。

そもそも、冒頭のように「経営理念が社員に浸透しない」と嘆く経営者は、当然ですが“経営理念”をとても大切にしています。
なぜなら、“経営理念”を会社の仕事をするうえでの中心に据えることで、考えることや行動する時の判断基準になってくるからこそ「経営理念の浸透」が大きな問題になってくるわけです。

だけど、そんなに大事な「経営理念の浸透」が上手くいかない現状がある。

そこには、「経営者にとっては“自明であり自分の血肉にも等しい程の経営理念”が、社員からすると“会社に入ったその時から神棚に飾ってある金科玉条としての経営理念”くらいのギャップの存在」が大河の如く横たわっているわけです。

これを解消するための第一歩としては、一方の川岸から対岸へ渡ってそこから景色を眺める必要があるわけです。そうして、「なるほど。こっちの岸からはこういう景色が見えるのかぁ」と納得する。

そこからしか、この「ギャップの大河」を渡る方法を作り出す手立ては見出せません。

どちら側の人も、対岸からの景色が見えていない状態のままでは、どんな事に取り組んでみたとしても「ギャップの大河」を渡るのは困難を極めてしまいます。

だから、例え「ウチは、毎朝の朝礼で経営理念を全社員で唱和するんだ」的な取り組みをしたとしても、それが「経営理念の浸透に繋がるか否か」については、“そもそも”のところから考えられた施策かどうか?が大きく影響してきます。

ということは、逆に言えば、“そもそも”の部分である「ギャップの大河」の両岸からの景色が見えている状態なのであれば、それほど特殊な取り組みをしなくても「経営理念の浸透」はそれ程ムリなくできるわけです。

例えば、“経営者側の川岸”から対岸の“社員側の川岸”に渡れる“橋”を架けることができたなら、あとはその“橋”を通って行って、「この“大河”を渡るには、ここからこうやって歩いて行って、あの部分にこんな“橋”を架ければ渡ることができるんだ」という話を、相手が受け取れるように、言葉選びとテンポやリズムに気を付けて伝えることで、今までは“全く手が届かない距離”にいたところから、徐々に“手の届く距離”になってきます。

そうなったところで、「経営理念とはこういうモノで、こうやって使うと便利だよ」と、これまた気を配りながら言葉を届けると、「今までの浸透しなさは何だったの?」と思えるくらいに、すんなりと社員の皆さんに受けとってもらうことができたりするんです。

そうすると、例えばこんな感想が聞こえてきたりするんです。

「経営理念と会社の様々な施策が、こんな風に結びついているとは思わなかった」

今までは、会社の施策に対して「言われたからやる」とか「なんでこんなことやらなきゃいけないの?」と思って取り組んでいた状態から、「この施策は、こんな風に経営理念と結びついている」というのがわかって取り組む状態への変化です。

たったこれだけの変化ですが、これだけの状態の変化があると、当然ながら行動にも変化が出ますし、そうなれば成果にも変化が出てきます。

恐らく、こんな変化が出てきた状態を「経営理念が浸透している」と言うんじゃないかな、と思っています。

会社にとって経営理念は大事です。

経営者にとって想いが込められた経営理念は大事です。

そんな大事な“経営理念”だからこそ、経営者はそれを会社の中心に据えるわけです。

でも、そうやって経営者が創り出して据えた“経営理念”を、「そこにあるから。大事だと言われているから」ということだけで、社員も経営者と同じような想いを持って自分の中に持てるのかと言えば、そんなことは不可能です。だって、社員は経営者ではないからです。

「どうしてココで働いているのか?」

そんな“自分が働く目的”が経営者と寸分違わない社員はいませんし、そもそも、“自分が働く目的”は誰であっても固有です。

であれば、“自分が働く目的”は個々で大事にした状態で、それに加えて、経理理念という“その会社の仕事の目的”も同時に持って、そのどちらの目的も叶えられるようにするにはどうすべきか?

それを一緒に考えてあげることでしか「経営理念の浸透」を果たすことはできないでしょう。

でも、それさえできれば、そこまで困難なわけでも無いんじゃないかな、とウチが関わらせてもらっている企業を見ていると感じます。

以前は冒頭の言葉と同じく、「経営理念が社員になかなか浸透しなくて」と嘆く事がよくあった経営者の方も、今ではその言葉を口にすることが無くなっているんです。

当人がそのことに気付いているのかどうなのか、今度聞いてみようかなと思っています。


あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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