見出し画像

何をもって憶えられたいか?

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

先日、ある方からお声掛けをいただいて、僕と仲間にとっては全くの“新しい学びの場”である勉強会に参加させてもらいました。

そこでは、とある本を一冊題材にしてその内容を少しずつ読み進めながらその内容について、先生から解説をいただいたり、参加者が読んでみた感想を話し合ったりしながら、対話形式のような形でススメながら、参加者全員で相互に学び合っていくようなスタイルでした。

僕にとっては今までに体験したことのないような学びの場でしたし、似たような形式のモノを体験したことも無かったんですが、「こういうのを“読書会”と呼んだりするのかもしれないなぁ」なんてことが頭をよぎったりもしました。そもそも“読書会”というもの自体にも参加したことが無いので全くの空想ではありますが。

ただ、この勉強会でテーマになっていた本は、ウチの会社の蔵書には無かったモノだったので、「参加させてもらえる」と決まった時から約1か月程の期間で、群馬県内の大きめな本屋さんを何軒も探し回りながら、ようやく僕と仲間の分の2冊を手に入れることができました。何しろ、群馬県民であればだれもが思い浮かべるであろう一番メジャーで大きな本屋さんにも1冊しか置いてなかったような本でした。

そうして手に入れてから、勉強会の当日まであまり日が無かったのもあって、指定されていた範囲の部分からまずは読み始めることにしました。基本的には、買った本は最初のページから読み進めることにしているんですが、この時ばかりは時間の制約もあるし、そもそもその本自体の内容が「自分にとっては難しいモノだ」というのは読む前からハッキリとわかりきっていたものでした。

なぜならその本は、『非営利組織の経営』(著:P・F・ドラッカー/訳:上田惇生)だったので。

ただ、この本を、それも指定されていた範囲である第二部から読み進めたことは、僕と仲間にとって「本当にラッキーだった」としか言えないような出来事でした。

そもそもこの本は『非営利組織の経営』という題名です。

だけど、僕も仲間も“営利組織の経営”をしている経営者です。

なので、この本を読み始める前までは「勉強会に出られるのは楽しみだけど、非営利組織のことについての本を読み進めるのかぁ。自分達は営利組織の経営に興味関心があるから、それだったらドラッカーの別の本が題材だったらもう少し前のめりになれたのかもなぁ」なんてことを思っていました。

でも、この本を読み始めてみてから文字通り1行目を読み進めた瞬間に、「ああ、自分はなんて浅はかだったんだろうか…」という強めの後悔をすることになりました。

「この本は、完全に自分に向けて書かれているんじゃないか。それを題名だけ見て“非営利組織”って書いてあるからこの本は自分には関係ないだなんて遠ざけようとしていたとは。自分が捉えていたと思い込んでいた“学び”なんてモノが如何に浅はかで薄っぺらくてしょうもないもんだったことを、こうやって人に薦めてもらって読んだ本で思い知ることができて本当に良かったな。この未熟者が」

あの瞬間に自分の中に湧き上がってきたモノをこうして文字にしてみると、まだまだ全然足りていないような気もしますが、でも確かにここに書いたようなことを自分自身に感じてガッカリしたのは間違いありません。

でも、それと同時にとっても強い“希望の光”を感じたのも間違いありません。

「これで、まだまだ先に行けるんじゃないか」って。

僕がそんなことを感じたところにはこう書いてありました。

非営利組織は単にサービスを提供しているのではない。人を変えようとする。サービスを提供することによって人を変えようとする。

『非営利組織の経営』 第Ⅱ部 マーケティング、イノベーション、資金源開拓/第1章 マーケティングと資金源開拓/非営利組織のマーケティング 1行目 p.58より 

この勉強会に参加させてもらうことになって、課題であるこの本を読んで、それによって“自分自身の至らなさ”とか“思い込み”とか“料簡の狭さ”とか“価値観の強張り”とか“思い上がり”とか“自己陶酔感”とか、そういうようなモノを目の当たりにさせられて、途轍もない「痛みと喪失感」を味わうことになりました。

でも、心の底から「この本に出会えてよかった」と思っていますし、この勉強会に参加させてもらうことが無かったら「一生手に取ることが無かった」と断言できるので、「この勉強会に出せてもらえてよかった」と思っています。

僕の敬愛する先生も仰っていましたが、「ドラッカーは後から効いてくる」という言葉があります。

この時からの僕にとっては、まさにこの言葉通りです。

「ドラッカーが後から効いてきました」

時代を超えて。

時間を置いて。

ドラッカーは、僕にとってのチェンジ・エージェントです。

読む度に、学ぶ度に、その度に、途轍もないド直球で鋭い“問い”と“痛みと喪失感”をたくさん携えて、僕の前に立ちはだかってきてくれます。

いつだって痛いし苦しいし切ないけれども、絶対に真正面から受け止めて咀嚼して嚥下しなければいけないモノを差し出されるので、逃げるわけにもいきません。

その度に、考えて、考えて、また考えて、そうしてそれらを材料にして仲間と対話をすることで、なんとかギリギリまた前に歩き出せているような気がしています。

そう考えると、やっぱりドラッカーは僕にとってのチェンジ・エージェントなんだなと思います。

でも、いついかなる時も、

手加減なし。遠慮なし。忖度なし。
真剣に真剣を振り下ろしてくる真剣そのもの。
でも躱して逃げたらそれで終わり。

そんな、「やるか、やられるか」の空気感や覇気や怒りをビシビシ感じますが、正面から受け止めて傷だらけになった後には、ほんのり温かいような優しいような感じもあったりするような気もしています。

しばらくは、この『非営利組織の経営』を読みながら、じっくりとドラッカーとの“真剣勝負という名の対話”を味わっていこうと思います。また次の勉強会が楽しみだぜ。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

#ビジネス #仕事 #群馬 #高崎 #対話 #組織開発 #人材開発 #外部メンター #主役から主人公へ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?