熊本県立甲佐高校での対話型キャリア教育に携わりテンコジに思いを馳せました
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
今年度から、僕と仲間も一スタッフとして参加させてもらっている熊本県立甲佐高校での対話型キャリア教育の2学期初の回が、昨日スタートしたところです(この授業の詳細については、『誰ひとり取り残さない対話型キャリア教育「熊本県立甲佐高校」』の記事内容を読んでいただければ詳しい様子がとてもよく分かりますので是非ご覧ください)。
1学期とは、学生のグループメンバーが変わり、ファシリテートをする側の編成も変わったりして、新しい刺激を学生も大人達も双方で感じながら新鮮な気持ちで2学期のスタートが切れたように感じています。
“現在の高校生”となると、リアルでは僕の身近には存在していません。
昨年は群馬県内の高校1年生のインターンシップを(オンラインではありますが)受け入れをしたり、今年の1年生からは“経営者インタビュー”というモノを受けたりしたのもあって、そこまで“現在の高校生”と縁遠い感じはしていませんし、ウチがずっと継続していたオンライン対話イベントにも時々は高校生の参加者がいたりして、なんとなく“現在の高校生像”みたいなモノが少しだけ把握できているような気はしていました。
でも、いざ“あまり関りの無い世代の高校生たち”と対話をするとなった時には、いい歳をしたオッサンであってもそれなりに緊張はするもので、「まあ、こればっかりは性分だから仕方ないよな」と思いつつ、オンラインでこれから対話をする高校生の皆さんに向けて「今、緊張しているので、皆さんの協力をよろしくお願いします」なんて事を、恥も外聞もなく正直にありのまま伝えるところからスタートしました。
僕ともう一名の方でファシリテートの役割をしつつ、高校生3名とで「夏休みを振り返って」というようなテーマで対話を進めます。
幾つかのグランドルールを参加者全員で守るという事以外は、基本的には非構成で進めていく対話なので、その場がどうなっていくのかは当然ながら予測は立ちませんし、そもそも、参加している高校生の皆さんが「口を開いてくれるんだろうか?」という不安は、開始してみるまではずっと頭のどこかにちらついているような状態です。
始まってみると、それが杞憂だった事はすぐに明らかになりました。
参加してくれた高校生のみなさんが、それぞれの中でしっかり考えながら自分の言葉で話をしてくれているというのが、オンラインを通してでもしっかり受け取る事が出来ました。
何しろ、その3人ともが「1学期が楽しかったから、この時間を楽しみにしていた」という事を冒頭で話してくれたというのが、僕にとってはとても有り難いし、とても嬉しい事でした。
その3人とは、僕はこの2学期のグループ編成で初めてお会いしましたので、1学期にこの3人がそれぞれ所属していたグループの各ファシリテーターの方々が、この3人がそれぞれ「楽しい」と思える時間と対話の場をしっかり提供してくれていたという事を知る事が出来ました。
また、この対話の授業について、少なくともこの3人は「楽しみにしている」という事がわかって、この時間やこの対話の場には、意味も価値もあるんだという事が明確になった瞬間でした。
そして、それと共に、個人的にはとてもプレッシャーを感じてしまったのも事実です。
「自分は、この3人がこの時間と対話の場について「楽しみにしているモノ」をちゃんと持って帰ってもらう事が出来るんだろうか…」って。
そんな事を考えると、益々、自分の中の緊張感は高まりますし、何だか色々考えようとしちゃいます。
だけど、対話の時間が始まっってしまえば、「如何に話しやすい場にするか」を考えてファシリテーターとしての役割を考えないといけないし、話をしてくれている人の話を聴いている瞬間は聴くことに全集中する必要がありますし、聴きながら浮かんでくる自分の想念は“脇に置く”を実践する必要がありますので、僕にとっては対話中はやる事が満載なので、「プレッシャーや緊張感に囚われている暇が無い」というのが実際のところだったりしています。
なので、「いつの間にか残り時間が1分を切っていた」というのが、ファシリテーター当事者としての実感に近いところです(もちろん、しっかり考えながら取り組んでいたハズではあるんですが)。
最後に、残った時間で駆け足にはなりつつも、「今日この時間がどうだったか」について、高校生のみなさんの感想を聞かせてもらいました。
すると、3人がそれぞれ「楽しかった」という感想を、それぞれの理由から話してくれたんです。
そこで、数十分ぶりに、戻ってきました。開始当初に感じていた、あの緊張感とプレッシャーの記憶が。
そうして、順序が逆になりつつも、ホッと一安心できました。
(実際には、緊張感もプレッシャーも忘れて、ただファシリテートをしながら話を聴くしか出来ていなかっただけではありますが)。
久しぶりにこの対話型キャリア教育の授業に参加させてもらって思ったのは、「“対話”と言っても、本当に色んな対話があるんだなあ」という事でした。
僕や仲間が仕事として取り組んでいる組織開発の文脈での“対話”については、ルールも多く、目指す場所がある程度固まっている中での対話を行う事で“役に立つ”を目指す、というかなり『構成的な対話』というモノになっています。
また、ウチの会社が主催しているオンライン対話イベントの“哲学対話スタイル”も“オープンダイアローグスタイル”も、やっぱりルールを重視して逸脱しない事で“対話の良さや意味や価値”を皆で享受して、“役に立つ”を目指す、というこちらもそれなりに『構成的な対話』になっています。
そんな、『構成的な対話』という“制約の中の自由”を試行して実践している僕たちからすると、この授業のように“極力少ないルール”で行う『非構成的な対話』という“制約を取り外した自由”は、とても新鮮に映ります。
“制約を取り外した自由=自由の中の自由”から生まれる参加者それぞれが独自に受け取る意味や価値というものが、本当に様々な形で見えてくるのが、混沌に繋がっていたり、(ファシリ側からすると)やりづらさの要因にもなっていたりするのを間近で見聞きしていると、何と言うか『構成的な対話』ではなかなか出会えないのを実感しますし、「“本当の意味での面白さ”とうのは、もしかしたらこういう事なのかもしれないなあ」なんて事を考えさせられる機会になっています。
とは言え、この“本当の意味での面白さ”っていうのは、何と言うか、「キャンプ場でするキャンプ」ではなくて「整備されていない森の中でするキャンプ」みたいなモノと同質な印象を受けるので、僕からすると、途轍もなくレベルの高い“上級者向けの楽しみ”であり、どちらかと言うと、“ガチなサバイバル”的な楽しみ方に繋がっているんじゃないだろうか?なんて感じていたりもしています。
そんな環境に身を置けるこの機会を、自分のサバイバル能力向上のチャンスととらえるとともに、今後もこの授業で出会う高校生の皆さんに「楽しかった」と思ってもらえて、且つ、自分自身も楽しく対話が出来るように取り組んでいきたいと考えています。
そんなわけで、プロタゴワークスは、2021年下期も変わらずに色々な“対話”を軸にして、様々な年代や様々な属性の方々と一緒に、PlayfulなDialogueを引き続き繰り広げて参ります。
これまで同様に、『Playful Work , Playful Life , Playful World』というコンセプトに基づいて、対話で“人”と“組織”の未来をデザインしていきます。
もしも、「こいつらと一緒に何かやったら面白そう」と思ってくれる方がいたとしたら、お気軽にお声かけいただけると嬉しいです。
このnoteを読んでくれるような物好きな方であれば、一緒にお話をさせてもらう事で、きっと、お互いに楽しくて“役に立つ”ような事を考えていけるんじゃないかなと思うんです。
とは言え、僕は一人では大した事は何もできません(その出来なさ足るや多くの人が目を見張る程です)。
だけど、対話の力を借りて、誰かと一緒に何かを考えたり行動したりするのはまあまあ得意なんじゃないかなと自認しています。
「出来ればいつかはこのくらいまで人と一緒に何かが出来たら」
そう思う程に、僕の好きな名台詞を書いて締めたいと思います。
「1+1は2じゃないぞ!オレたちは1+1で200だ!10倍だぞ、10倍!」
僕が目指しているのは、在りし日の“テンコジ”くらいの突き抜け方です。
あかね
株式会社プロタゴワークス
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