少し不思議な息の長いロボット
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
毎週土曜日は、『ドラえもん』の放映日なので、とても楽しみにしています。
とは言え、放映時間の午後5時にリアルタイムで見ることが出来る時はあまりないので普段は録画したモノを子どもと一緒に見る事にしています。
ドラえもんは、僕が子どもの頃から漫画とアニメで楽しませてもらっていました。あれから35年以上経っても同じ作品を見ているなんて、当時の僕は想像すらしていませんでしたが、子どもが毎週放映される『ドラえもん』を楽しみにしているのを見ると、子どもの頃の自分が楽しみにしていたのと同じ作品を、今の世代の子どもも同じように楽しみにしているんだなあと言うことを毎度毎度思い知らされます。
『ドラえもん』をはじめ、他にも僕が子どもの頃から続いている“子ども向け作品”は幾つもありますが、そんな時代を超えて子どもに愛される面白い作品は、一体どんなところが子ども達に支持されるのか?
そんな「問い」が浮かんでくるのは、僕自身が漫画とアニメが好きだった子ども時代を経たからこそなのかもしれません。
大人になってから見る『ドラえもん』は、なかなか凄い作品だなと思い知らされる事がよくあります。
何しろ、登場人物のほとんど全てのキャラクターが、大人の僕から見ると贔屓目に見たとしても「かなりのロクデナシ」ばかりだからです。僕の目から見ると、ドラえもん・のび太・ジャイアン・スネ夫は言うまでも無く、しずかちゃんもなかなかのロクデナシぶりを発揮している場面を多々見かけます。そんなロクデナシばかりのレギュラーに混じって、準レギュラーの出来杉くんが出てくる回は安心できるんです。
なぜなら、出来杉くんだけが唯一の「まともさ」を持ち合わせているように見えるからです。
とにかく、自分の事ばかりではなく、周囲の人や社会の事を考えているように描写されている人物です。出来杉くんが、例え“勉強が出来る”キャラじゃなかったとしても、あれだけ「まともな振る舞い」が出来るのであえば、きっとこれから先の社会に出て行ったとしても、それがどんな社会だったとしても、彼が人間関係で苦労するという事はあまり想像しずらいなあと思っています。
ほんの数人を取り上げただけでも、これだけ様々な魅力に溢れるキャラが登場するあの作品。現役の子どもとして見ていた時代と、今とではまた見え方が違ってくるのも毎週楽しみにしている理由の一つだと自覚しています。
だけど、それ以上に、これだけの多種多様な人間が織りなす物語の中で、主役であるであろうのび太が、毎度毎度繰り広げる「いつも通りの失態」をベースに巻き起こる様々なアクシデント混じりの日常が、あの頃の僕と、今の子どもと今の僕を惹きつけてやまないのかもしれないと思っています。
毎週見ていると、その昔、自分が子どもの時に見ていたエピソードがリメイクされて流れる事がよくあります。当時のアニメで見たものや、当時のコロコロコミックで読んだものだったりして、懐かしさも覚えますが、それの細部を現代風にアレンジし直して放送していたりして、昔のファンも今のファンも楽しめるように作られていたりして。
そんな、リメイク作品を見ながらも、子どもは真剣に集中してその作品を見ているのを傍から眺めていると、原作者である藤子不二雄先生が亡くなってからも、『ドラえもん』という不滅の子ども向け作品は、どの時代でも全然色あせないんだなあというのをいつも実感させられます。
作った自分自身がその瞬間その場に居なくても、例え場所を超えて時間を超えても、作ったその時と同じように、作ったその時の想いを載せて、作ったその時のターゲットと同じような反応を、別の時代のターゲットが受け取る事が出来る。
こんな仕事が出来るとしたら、その時に自分自身がいないんだとしても、もちろん知り得る事は出来ないんですが、それによって自分が会うことも無い人達の笑顔が生まれるなんて。何というかそんな仕事って、本当に凄いものだなあと打ちのめされるような感覚と同時に、羨ましさを覚えたりしています。『ドラえもん』を子どもと一緒に楽しんで見ていながら。
場所も時間も超えて、自分がそこにいなかったとしても、それでもそれが引き継がれて今から見た未来において生き生きとその瞬間に“現役”のモノとして、多くの人の役に立つ。
『ドラえもん』と、それを生み出した藤子不二雄先生はやっぱり凄いなあと、あれから35年以上経った今でも思い知らされながら、「そんな凄い仕事を自分も出来るようになりたい」なんて、あの頃考えもしなかったような事を大人になった自分が考えているのを自覚しているこの瞬間に、何というか、とても不思議な感覚を覚えます。
「未来に思いを馳せる」って言うのは、こういう事なのかもしれないなあ。
なんて思いつつ、こんな事を考えるようになったのも『ドラえもん』のおかげなのかもしれません。
そんな、“すこしふしぎ”を感じています。
あかね
株式会社プロタゴワークス
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