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あっちもこっちもどうにかしたい時

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「今まで現役でスタメンとして活躍していた人が、年齢的にスタメンから外れてしまって、プレイヤーとして以前のような活躍ができなくなって評価されなくなっちゃうとしたら、それって何だかなぁと思うんですよね」

“人事評価制度づくり&賃金制度づくり”で関わらせてもらっている企業の社員さんが、例え話として野球のチームになぞらえてこんな話をしてくれました。

年齢的にも現場の第一線で活躍し続けていくということは、あまり現実的ではなくなっていくことが想定される年代のベテラン社員の先輩方が“今までのように”評価されなくなってしまうとしたら、これまでの会社を支えてきてくれた貢献は一体どうなってしまうんだろうか?という問題提起をしてくれました。

その社員さん曰く「これから先の未来に入社してくるであろうまだ見ぬ若者達のためにも、実力がしっかりと評価される制度を作るのは必須だけど、もしも、実力がメインの評価になると、今まで貢献してくれた人達が年老いていって若い人と同じような実績が出せなくなると評価されなくなってしまうんじゃないか?それはあまりにも世知辛いんじゃないだろうか?」というようなニュアンスでしくれた話のようでした。

その話を聞いて、僕は「この会社の社員さん達は本当に優しい人達なんだな」と感じました。

確かに「完全実力主義」的な評価制度になると、熾烈な生き残り合戦のような状態になることが想定されるでしょうし、完全なる弱肉強食の世界に突入してしまうかもしれません。

かと言って「完全年功序列主義」的な評価制度になると、極端な話をすれば“ただ居るだけ”でどんどん賃金が上がっていくので「仕事をして成果を挙げ会社に貢献する」ということよりも「いかに波風立てず会社に長く居るか」に尽力する人が生み出される危険性もあるでしょう(実際にそうなってしまっている企業を見聞きすることもあります)。

だから、「どういう評価制度がよいのか?」を考えるのが途轍もなく難しくなるんでしょうし、あっちを立てればこっちが立たずみたいにどんどん深みにはまっていきそうになるのかもしれません。もちろん、完全無欠でありとあらゆる人達が全員完璧に賛同して一切の不満が発生しない制度なんて、恐らくどこにもありはしないんだろうとも思っています。だからこそ、色んなところで迷いが生じるでしょうし、たくさん考えることになるわけです。

ただ、「とっても難しい」と僕も思いますが、そこまで複雑では無いんじゃないか?とは思っています。案外と、とってもシンプルに考えられるんじゃないかと思うんです。

何しろ、その社員さんのしてくれた話にはその場にいたメンバーもみんなが賛同していました。ということは、その考え方に基づいて考えていけばいいだけなんだと思うんです。

ただただ、「どちらも評価できるようにする」でいいんじゃないかと。

若くてガンガン動けて成果を挙げて貢献できる人が評価される。
これについては、何をどう考えても「その通り」としか言いようがありませんので、評価制度には当然盛り込まれるべき指標でしょう。

問題は、若い頃はガンガン成果を出していたけど年齢とともに段々と今までのように成果を挙げられなくなってきたベテランをどう評価するのか?

それについては、例えば野球チームで考えるのであれば、“ピンチヒッター”とか“コーチ”や“トレーナー”といった役割を担ってもらえばいいんじゃないかと考えています。
どうしたってスタメンになるのであれば、若さに裏打ちされる体力的な部分が必要になってくるのは仕方ありません。でも、若い人には無いベテランなりの“経験”に裏打ちされる“知識”や“知恵”というものがあるはずです。
ただ、持っているはずの“経験ベースの知識・知恵”というものに、本人が気が付いていないケースが意外とたくさん存在するのを知っています。
だけど、その“経験ベースの知識・知恵”に本人も気づかないままであれば、当然ながらそれらが組織内に残されていくことも無く、その人がいなくなった時点でただ消え去っていってしまうことになるわけです。そして、そういう“もったいないこと”が起きているのを、多くの中小企業で見聞きしてきました。
もしも、その“経験ベースの知識・知恵”を本人が自覚して意図的にそれを組織に還元するための取り組みができたとしたら?
そうなれば、当然ですが「会社に貢献する」ということは充分にできるわけです。

それが、野球チームで言うところの“ピンチヒッター”や“コーチ”や“トレーナー”なんじゃないかと思っています。

つまり、年老いたから若者と同じようには動けないけど長年の経験や知識や知恵によって成果に繋がるサポートによって貢献できる人が評価される。

「そんな仕組みが出来たとしたらどうでしょうか?」

冒頭の話をしてくれた社員さんに、こんなようなことをもう少し詳細に伝えてみると、深く頷いて笑顔で賛同してくれました。

「“今まで無かったモノ”について考える」というのは、いつだって、それが何であっても、とっても難しいことだと感じます。

だけど、それを考える必要があるという状態になったわけだからこそ、今こうして考えているという現実に直面することになっています。

そうして、難しいしよくわからないし初めて取り組むことに向かっていくと、段々と複雑な迷路みたいなところに迷い込んでしまうような気がしてくる場合があったりします。この時の社員さんのように。

だけど、実は「どうしたいか?」というのは意外と誰も見失っていなかったりするので、複雑なところに迷い込んでしまったらまずは「どうしたいか?」という“そもそも”の部分に立ち返ると、「進むべき道筋は、実はシンプルだった」ということに気が付く場合があったりします。

ただ、それってこの時みたいに“欲張りな選択”になっている場合もあるかもしれません。当然ながら、そうなると“シンプル”ではあるけど“難しい”ということになるわけです。そして、“難しい”ということはたくさん考える必要がありますし、ともすれば“めんどくさい”し“疲れる”ということにもなるわけです。そして、“めんどくさい”“疲れる”ことは“避けて通りたい”と無意識で思ってしまって、“簡単”で“疲れない”で“やりやすいモノ”を選ぶために、「進むべきシンプルな道筋」以外の道筋を歩もうとしてしまうことがあったりします。

だから、一旦立ち止まって「どうしたいか?」を考えると効果的だと思っています。

そこで出てきた「こうしたいよ、やっぱり」を大事にして、それを叶えるためのシンプルな道筋を選んでいきましょう。

例えその道筋が、どれだけ大変そうに見えたとしても。

もちろん、そんな大変そうなことに「たった一人で立ち向かいましょう」とは言いません。

そんな大変そうな“適応課題”への取り組みをサポートするのが僕達の役割であり仕事です。

「自分だけでやるのは大変そう」「誰かのサポートがあれば」そう思った時には、一声かけて下さい。一緒に考えて取り組むことで、その“適応課題”の解決に向かって今よりも前に進むことがきっとできると思っています。

そして、あなたの「こうしたい」を、一緒にジタバタしながらちょっとずつ実現していきましょう。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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