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シントーはメンドーでシンドーだ

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「“基準”になるモノがあると、自分が何をすべきかが考えやすくなる」

“企業の経営理念”について語ってくれる経営者の方と話をしていると、こんな意味合いの話を聞かせてもらうことがよくありますし、僕たちも経営理念についてはこんな意味合いの役割が最も「役に立つ」性質なんじゃないかと考えています。

ただ、「経営理念がなかなか社内に浸透しなくて・・・」なんて話も同時に聞かせてもらうこともよくありますし、その頻度の多さから「これは“中小企業あるある”なんじゃないか」とも思っています。

そんな、優れた点や難しい点を兼ね備えている(?)経営理念ですが、その扱いの難しさに焦点をあてた時に、「なにが原因で生まれている難しさなのか?」をちょっと考えてみると、真っ先に思い付くのは「形の無い概念である」というところなんじゃないかと考えています。

“形の無い概念”だからこそ、その解釈を各人に任せてしまって、人によってとらえ方が変わってしまい、それが組織内に混乱を生む原因になっている場合が散見されますし、それが組織のメンバーという「理念を作ったわけでは無く、誰かが作って、それを渡されて使う人達」からすると“基準”になりづらい部分の最たるものでもあるように感じられます。

例えば、こんな理念があったとします。

「私たちの仕事で、お客様の幸せと従業員の幸せと地域の幸せを創り出す!」

即席で書いてみたので色んな突っ込みはいったん置いておいていただいて、この理念の中に出てくるそれぞれの単語ー“お客様”とか“従業員”とか“地域”とか“幸せ”という言葉ーについてそれぞれの具体的なイメージというのは“それ”をイメージする各人によってその範囲が大きく異なる場合がよくあります。

と言うか、組織の中でこれらの各単語についてのイメージを一人ずつ確認していった時に(事前の打ち合わせを一切しなければ)全員のイメージがぴったり合致するということは絶対にありません。それぞれのイメージは、その程度の大小はわかりませんが、必ずズレています。

組織内で行う日常のコミュニケーションを思い返してみれば簡単に想像できる程度の“こんなズレ”ですら、なぜか想定されることがほとんどないままに組織の中ではこれらの“概念”が「各人のイメージするモノに任されたまま」運用されていることが多いんです。

そう考えると、例え立派な“経営理念”があったとしても、このままの状態で「理念を“基準”にする」というのはとても難しいことである、というのは誰の目にも明らかです。

じゃあ、「どんな取り組みをすれば理念が浸透していくのか?」ということを考えたいわけですが、それを考える前にもう少し考えないと「どうしたらいいの?」を考えるだけの材料が足りないような気がします。

なので、例えば「理念が浸透しているというのはどういう状態を言うのか?」とか「理念が浸透すると何が良いのか?」とか「“理念が無い状態”と“理念が在るけど浸透していない状態”とでは何がどう違うのか?」とか、まだ色々と考えないといけないような“問い”がたくさんありそうなので、そのあたりを考えてみることで「どうしたらいいの?」への結論を創って行くだけの材料が集まるってくるかもしれません。

そうやって考えていくことで、「理念の浸透」についての必要性の有無から、それをやるための道筋なんかが見え始めてくれば、あとはそれを行動として実践してみて、その結果を検証してみて、また進めていって・・・の繰り返しをやっていくだけです。

こうやって理念について考えてみると、「組織における理念と同じように、浸透させるのが難しいけど、浸透するとみんなが“基準”にすることで上手く回っていくモノってなんだろう?」なんてことが思い浮かんできます。

そうすると、同じように“概念”だけど、企業で働く人たちよりもはるかに多くの人達が“基準”にしていて、経営理念よりも遥かに浸透しているモノが思い浮かびます。

いわゆる“規則”とか“ルール”とか“礼儀作法”とか“マナー”とか“エチケット”のようなモノなんじゃないかと。

とはいえ、これらの“概念”も、世代の違いや性別の違いや文化の違いや思想の違いなどで共有できないこともよくありますが、それでも企業のように“トップの誰か”が音頭をとってやっているわけではないモノが多いはずです(“誰か”が流行らそうと音頭を取っているような気がするモノもあったりはしますが…)。

だけど、一企業の経営理念よりも遥かに多くの人たちが“基準”にして行動をしている場合が多いのは事実です。

ということは、「(企業の中で)経営理念を浸透させる」というのは、実はそれほど難しくないんじゃないか?

そんな風に捉えることもできるような気がします。

そして、現に、「以前に比べたら、経営理念の浸透ができたきて、その結果、社員が成長している」という話をしてくれる経営者の方もーそれほど多くはありませんがー確実にいるのを知っています。

ということは、「現実的には、そこまで困難を極めることではない」ということが明確なんじゃないかとも思っています。

ただ、“現状からのギャップ”を考えると、「それは、かなり難しいこと」と感じる場合もあるかもしれません。

そんな時は、こう考えてみると突破口が見えてくるかもしれません。

「自分は、自分の周りの人たちは、“規則・ルール・マナー・礼儀作法など”をどうやって周囲の人と共有して、自分の身に付けてきたのか?」

これを各自が振り返ってみて、その内容を複数の人たちで“対話”してみることで、「理念の浸透」については、ずいぶんと考えが前進していくんじゃないかと思っています。

ちなみに、僕たちも“これ”について過去に何度もやってみたことがあってこんなことを書いていますし、実際に「“こんなようなこと”をウチはやった」という他社の話を聞かせてもらった経験もプラスしたうえでの“おすすめの方法”です。

これをやった後で“有効なコト”もあると考えていますが、まずはここからやってみることをおすすめします。


あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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