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照明係という誰かを照らす主人公だっているわけで

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

組織開発を仕事としてやっている者として、「組織のパフォーマンスが最大限に発揮される状態」というのを常に目指して、様々な組織とその組織を構成している人に関わらせてもらっている日々を送っています。

今日はいつもと違って、どうしてこんな真面目な書き出しで、“仕事にまつわる話”を冒頭からしているかと言えば、「基本的にはこんな事ばっかり考えているから」
と言いたいところなんですが(言いたいというか、実際にそうなんだと自分では思っているんですけどなかなかうまく伝わってはいないかもしれない自覚もありつつ)、今日はいつもと比べても特別にその色が強い一日だったかなあと思ったからこんな書き出しになっています。

ご存じない方もいると思うので一応書いておくとウチの会社は、「対話」をベースに組織開発を行っている会社です。

大雑把に言うと「様々な状況やその組織に合わせた「対話」を、どうやって実施するのがその組織のパフォーマンスを最大限に発揮する事に繋がっていくのか?」という「問い」を立て、それに対する様々な見立てをもって関わって、それを検証して、新しい道を一緒に創っていくという流れで組織開発を進めています。

その中で、最も大切にしているのは、(その組織が企業だと仮定すると)その企業を構成している社員の方々が考えるそれぞれの“働きやすさ”を実現する道筋を一緒に作っていく、という事です。

こんな話を、関わらせてもらう前にも、関わらせてもらいながらも、組織を構成する人(経営者と社員)に、常に伝えながら進めていくわけなんですが、そうすると必ずこんな質問が出てくるんです。


「みんなの“働きやすさ”なんてそれぞれ違うし、極端な話、仕事なんてしないで寝ながら給料欲しいっていう人がいるかもしれない。それを全部叶える事なんてできないんじゃないの?」


そんな、これまでの過去の出来事や、今ある現状起きている事柄などによって“諦め”とか“希望を失った”とかの感情が強く滲んでいるような質問です。

そういう状態におかれている組織や、その状況の当事者からすると、確かに当然に湧いてくる疑問かもしれません。

僕自身、自分がこの組織開発というモノに携わっていなかったらと想像してみると、例えば、自分が勤めている組織や仕事の内容に大き目な不満を抱えながら働いているところへ、外部から全然知らないし有名でも何でも無い何だかわからないような誰かが来て、「みなさんの“働きやすさ”を一緒に実現しましょう」なんて言われたら、これと同じような疑問を持つんじゃないかなあと思うんです。
そして更に酷い事に、僕だったら、こんな疑問を持ったとしても、恐らくこれを質問として聞いてみたりしないかなあとも思うんです。
自分で思っただけで終わりというか、そう思ったまま、その誰かに反感のようなモノを抱いたまま、ただそこにいるんじゃないかなとも思います。

だから、こんな質問を直接ぶつけてくれる方には、その勇気にいつも感謝していますし、敬意すら抱いています。「よくぞ聞いてくれました」と。

そのうえで、次のように答えたりしています。もちろん、これはほんの一例なんですが、僕とウチの会社の基本的な考え方はこの回答で伝わるんじゃないかなとも思っています。


“働きやすさ”は人それぞれ違います。
だけど、全然違うかもしれない“働きやすさ”を持つ人達が集まって、会社が掲げる“目的”を共有して成し遂げる為に、円滑なコミュニケーションを行って、協力するのが“組織”です。
そして“目的”を成し遂げる為の“段階的な目標”を達成していくために、細かく分割した役割が“仕事”です。
つまり、この“仕事”に取り組んで、“組織”として“目標”を達成して“目的”を成し遂げようとする事は、「必ずやらなければならない大前提」です。
その大前提を持ったうえで、各自が考える“働きやすさ”を叶えるというのが大切です。
言うなれば、組織の“目的″と自分の“働きやすさ”の「最大公約数を見つける」という事です。
その「最大公約数」によって、「己自身と己の家族を含めた“自分”と、経営者も他の社員も含めた“組織”と、協力業者や取引先やお客様を含めた“社会”の『三方よし』を実現しましょう。


こんな風に答えたりしています。
もちろん、その時々で話の流れも文脈も違う事があるので全く同じ言葉を使うわけではないんですが、ベースにしている考え方は「今の時点では」ここに書いてある内容かなと思っています(『三方よし』の切り分けについては、その組織に合った切り分け方があると思いますし、『三方』じゃなくて『八方』の方がしっくり来るかなと思ったりもしています)。

まずは、自分の幸せについてしっかり考えましょう。
これが無ければ、その先の「誰かの幸せ」なんて考えられるはずもないと僕は考えています。
だけど、自分の幸せだけじゃあ、他の誰かも一緒に幸せになれるかどうかはわからない。
じゃあ、どうしたら他の誰かの幸せを考える事ができるのか。それには、まず、「他の誰か」って誰なのかを考える事が必要です。
「他の誰か」は、まずは同じ組織で同じ目的を共有して一緒に日々頑張っているはずの部署部門を問わない同僚や上司先輩後輩と、会社の経営陣及び経営者である事は間違いない。
自分とその人達の幸せを望むのであれば、当然、自社に協力してくれている協力会社や取引先はもちろん、顧客の幸せを望むのは当たり前。
それが実現されれば、自分と組織の人達と関係企業の人達と顧客に繋がっている「その家族」という存在にも当然ながら幸せになってもらいたい。
そうなると、至極当然の話として、社会全体の幸せに繋がります。

今更こんなnoteに書くまでも無いような、当然と言えば当然の話を、いつだって考えて仕事をしているのは、組織開発に携わる人であればそれこそ「息を吸うように」考えているんじゃないかなと思います。
もちろん、組織開発なんて知らないという人であっても、こういうような事を日頃から考えて取り組んでいる人達の存在は、自分の周囲にもいるので知ってはいます。

だけど、現在の環境や人間関係の悩みによって「考えるリソース」が費やされる事で、上記のような事を日常的に考える事ができない人達がたくさんいるというのも、痛いくらいに知っていますし、そういう人達に出会う機会がたくさんあるのが現状です。


現状に諦めるのも選択肢ですし、現状を諦めないのも選択肢です。

どうせ変わらないと考えて何もしないという行動をするのも自由ですし、
もしかしたら変わるかもと考えて何かの行動をするのも自由です。

その組織を構成する一人として、どんな選択をしてどんな行動をするのか、それは当事者だけに与えられている権利です。

選択と行動は当事者にしかできないし、その選択と行動によって現状に影響を与える事ができるのも当事者だけに与えられているんです。

つまり、

「当事者の選択と行動によって、その組織の状況は成立している」というのは動かしがたい現実です。

ということは、「組織の現状は、当事者による今この瞬間からの選択と行動によって全て変える事ができる」とも言い換えられます。

これを、「希望」と解釈するのか、それとも「希望以外の何か(例えば絶望など)」と解釈するのかすらも、当事者が全て決めて良いし、決めるべき事柄です。

最終的には、僕みたいな組織開発を手掛ける外の人間ができる事と言えば、その「きっかけ」を提示することだけ。これだけしかできないんです。

そんな、一見「虚しい」ように見えなくもない自分達の仕事だけど、当事者としての影響力を持たない外部の人間だからこそ、「伴走者」として一緒に走り、その完全なる客観的な視点から様々なサポートという伴走ができるというのは、組織開発という仕事の醍醐味かもしれません。

だから、もうすぐ3期目に入るウチの会社の事業内容は、今のところ変えるつもりはありませんし、今後も更に全力全開で組織開発に取り組みたいなと思っていますし、その「大変さ」とその「面白さ」は、始めた当初よりもグングン加速している実感が得られているのかなあと思っています。

伴走者という主人公として当事者と一緒に走るという面白さ。

こればっかりは、やってみたからわかる事かもしれませんが、やってみなけりゃあわからない事なのかもしれません。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/


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