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本当はどこからどこまでなんだろう

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「ここからここまで」

自分のやっていることについて“権限の範囲”とか“引き受けるべき責任の範囲”ということについて考えることがよくあります。

特によく考えるのは、やっぱり“仕事”についてです。

ウチの会社は僕と仲間の二人で共同経営をしている会社なので、会社に関わることは基本的には「二人の合意が無ければ進まない」ということを取り決めています。

例えば、僕が「“これ”はいいぞ!是非、ウチの会社で取り入れよう」と一人で色々考えて盛り上がったとしても決定権はありません。必ず仲間に相談をして詳細を説明して「なぜ、それが良いと思ったのか?」の理由も説明したうえで仲間の納得が無ければ進めることはできません。

なので、僕は肩書こそ“代表取締役”なので「法的に言えば」この会社のあらゆることを一人で決定する権限があるのかもしれませんが、ウチの会社ではそこまでの“権限の範囲”はありません。
ただ、“引き受けるべき責任の範囲”は法律の範囲のことは全て引き受けるべきだと考えています。

今の僕の場合はこんな風に、自分の状況がわかりやすいので“権限の範囲”や“引き受けるべき責任の範囲”を考えることがしやすいんですが、“過去の自分”はこんな風にスッキリと考えることが出来ていたかと言えば「全然そんなことは無かったよなぁ」というのが正直なところです。

過去、会社員として働いていた時には「そもそも、社内に“権限の範囲”や“引き受けるべき責任の範囲”を明文化しているモノは存在しない」という状態にいることがほとんどでした。
それこそ、仕組みも存在しないし、相談する相手も存在しないし、協力してくれる人も存在しない、なんていうような状況にいたこともたくさんありました。
また、そんな“無いない尽くし”から一転して「あらゆる仕事の分掌が明確になった状態」で働いたこともありました。
ただ、今から考えてみると、どれだけ役割の範囲が明確になっていようが何一つ明確になっていなかろうが、「自分自身の中で“権限の範囲”と“引き受けるべき責任の範囲”を明確にすることが重要だったよなぁ」と感じています。

なぜそう感じるかと言えば、過去を思い返すと“役割”が明文化されていようがされていまいが、いわゆる“一人前”として仕事をするのであれば、どちらにしても“自分の仕事の現場”に直面した時には「自分でやれるところまで全力でやる」ことしかできなかったからです。

特に、会社員として仕事をするのであれば、その仕事が自分の目の前に存在しているということは必ず“顧客と会社との間での取引”が成立しているわけで、ということは仕事における契約というのが“相手方の会社”と“自社”との間で成立しているわけです。そのうえで、会社員としての自分に割り当てられている状態です。
となれば、その時の自分にできるのは「与えられた役割について、自分でやれるところまで全力でやる」だけしかありません。

それでどうにもすることが出来なければ、「自分ではない誰かの力を借りる」しかありません。

例え、そうすることによって「なんだコイツ、使えねーな」と思われたとしても、「コイツ無能だな」と思われたとしても、「任された仕事を完遂するためにその時の自分にできることを全てやる」というのが“権限&責任の範囲”なんじゃないかなと思うわけです。「自分でダメなヤツだなぁ」とか「失敗したくない」とか「自分の評価が下がる」とか「誰かからどう思われるんだろう?」とかは二の次三の次で、組織の中でどんな役割を任されているとしても、それが“権限&責任の範囲”なんじゃないかと考えています。

もちろん、これはあくまでも僕個人の考え方ではありますが、こうやって考えていると、例えば部下を持って仕事をしていた時も「任された範囲の仕事を、自分でやれるところまで全力でやる」ということだけを考えて、部下のした仕事によって起きた“問題”は「上司が責任を引き受ける」だけでしたし、部下のした仕事の成果は当然ながら「部下の手柄として認める」だけでした。もちろん、自分ではやることができないことばっかりだから「力を貸して下さい」とお願いすることもいつもやっていました。上司という役割をするうえで“権限&責任の範囲”は、その程度だと考えていました。
“上司”としての僕に任されていたのは「部下に動いてもらって仕事の成果を挙げる」ということであり、毎年求められていた成果は出せていて、部下も年々成長して、それに伴って会社も成長していたし、今のウチの会社もスタート時と比べれば成長しているので、少なくとも僕の観測範囲内では“この考え方”でも十分に役に立つ考え方だったし「これで(も)良かった」ということだったんだろうとは思っています。

とは言え、様々な組織の中で起きていることを見聞きしていると、この“権限&責任の範囲”というモノについて、そこで働く個々の人の内側に在る“価値観”に大きく左右されてしまっている現状がたくさん確認されます。

「私は、こうするべきだと思っている(だから私の権限は“ここからここまで”)。」

「自分は、こうやりたいと考えている(だから、自分の責任は“ここからここまで”。」

そんな“個人的な想い”__特に言語化されていない()内の線引きが__がぶつかり合って様々な“問題”が起きているんじゃないか?そう感じることが多々あります。

「仕事の中で、“個人的な想い”がどこまで尊重されるべきなのか?」については、僕もウチの会社としても仕事でサポートさせてもらう場合には“役に立つこと”として意見を伝えることはありますしそれなりに考えていることはありますが、それを聞いて納得して行動にうつすかどうかはその人次第なところもありますので、意見を求められない限りは「こうです」と伝えることはあまりしていません。

ただ、“問い”として投げかけることはあります。

「その想いやその考え方は、あなたの仕事で成果を出すことについて役に立つことですか?」のように。

もしも、組織の中で「ここからここまで」と“権限&責任の範囲”が明文化されていなければ、自分自身が考える範囲について上司に質問をしたり、それを題材にみんなで対話をしてみたらいいんじゃないかと思っています。もしかしたら、それによって“権限&責任の範囲”が徐々に出来上がるかもしれません。もしもそうならなかったとしても、自分自身が考えている“権限&責任の範囲”を一緒に働く人達と握り合うことができるかもしれませんし、それについて他者からフィードバックがもらえるかもしれません。

もちろん、「そんなめんどくさいことをしたくない」という気持ちもわかるつもりですし、「それは自分の役割ではない」という人がたくさんいるのも知っています。

ただ、もしもそうだとしたら“それ”は一体、誰の“権限&責任の範囲”なのか?

なんてことについても、一緒に働く人達と対話をすることができたら面白いのかもしれないなぁ、なんてことも「ここからここまで」と同じくよく考えています。


あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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