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明日はきっと晴れるから

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

会社の経営について、特に“組織運営”について悩んでいる経営者の方のお話をじっくり聞かせてもらう機会がありました。

以前にも、その悩みの“さわり”程度は聞かせてもらっていましたが、その時は初対面だったのもあってか、話が色んなところに及びながらの話だったのでそこまで深くは聞けていませんでした。

ただ今回は、どうやら“組織運営についての悩み”について話をしてくれるためにわざわざ来てくれたようだったので、僕としてもできる限り深掘りしながら聞かせてもらおうと臨みました。ただ、時間があまり無かったので「どこまで聞けるのかはやってみないとわからないなぁ」と思いながらではありましたが。

そうして話を聞きながら、ところどころで質問をさせてもらっていると、徐々にではありますが、この方はどうやら“こんな感じのこと”をベースに考えているようだぞ、というのが見えてきた気がしてきました。

それは、「経営者の自分に至らない部分がたくさんあるから人が育っていなくて組織の力も発揮できていないらしい」というベースです。

言ってみれば、「組織運営の良し悪しについて、その責任は全て経営者に在る」ということを内面化している状態にあるということです。

ただ、この考え方ができるようになるまでにはどうやら紆余曲折があったようだというのも、そこまでの話で見えてきました。

その方は、どうやら以前は現場でバリバリとやっていて、そこで周囲に実力を認めさせて親から事業を承継したという経緯があったそうです。
そんな経緯だったのでーここからは“中小企業あるある”になってしまうんですがー当初はこんな風に考えていたそうです。

「俺にだって出来るんだから、これが出来ないってことはみんな努力が足りないんだよ」と。

つまり、「成果が出ていないのは従業員にその責任がある」という考え方をしていたんです。

でも、“会社の経営”ということを俯瞰して考えてみることが出来れば、この考え方にはこんな疑問がわいてくるわけです。

「成果が出ていないのが従業員の責任だとしたら、その“成果を出せない従業員”を“成果の出せない状態のまま放置していること”と、“成果を出すことが必要な仕事を、成果の出せない従業に任せていること”の責任は、一体全体誰にあるんでしょうか?」

そして、この経営者の方は、どうやらこの“問い”から逃げることなく、自分の意志で真正面から向き合ってきたんだろう。それが、話を聞きながら見えてきました。

“対話の会社”であり対話を用いて組織開発を手掛けている僕たちからすると、最初に確認させてもらう最も重要なポイントがこの「経営者が“この問い”に向きあっているのかいないのか」に焦点があたってきます。

正直に言えば、“この問い”に向きあえているかどうかで、そこから先で組織開発の方向性やら質やらが、途轍もなく大きく変わってきてしまいます。

敢えて強めの表現をするなら、「経営者が、“現状の組織の状態”についての責任が自分自身にあるのではないか?という“問い”を自分自身に向けられるようになるまでは、例えどれだけの予算を費やしてどんな取り組みをしたところで、そこでの変容なんて全く本質的では無い」と断言できるでしょう。

逆に言えば、「経営者が“その問い”を自分自身に向けて真正面から向き合って、考えて、行動しているのであれば変容は起きるし、既に“望む未来”に向かって前進している」とも言えるわけです。

だから、「“その問い”に向きあっているかどうか」が見えてくれば、この方の“悩みごと”がハッキリとした輪郭を伴って見えてきます。

そうして見えてきたのは、(本人からすればとても大きな問題に映っているかもしれませんが)僕たちからすれば“それほど大きなモノ”ではありませんでした。

なぜなら、その経営者の方が“悩み”として話してくれたのは、“手法”の話だったからです。

「手法がわからない」というのは、言い換えれば「どんなことを、どうやったらいいのかわからない」という話です。

これを、僕がいつも使う例え話で置き換えてみるとこうなります。

「体を鍛えたいんだけど、筋トレの種目とかフォームがわからないんだよ」と。

僕たちからすると“筋トレの種目”や“筋トレのフォーム”に該当するモノは知っていて当たり前ですし、知らなかったら「理念を実現するためのサポート」なんてことを生業にすることはできません。なので、幾らだって伝えて教えることはできます。

ただ、“筋トレのやり方”なんて今やネットを少し検索すれば無数に情報発信がされていて、もはや「体を鍛えたいけどやり方がわからない」と言っていたら「なぜググらない?」と言われてしまうくらいには情報が氾濫しています。

もちろん、組織開発や組織運営などについては“筋トレ情報”ほど無料の情報が氾濫しているわけではありませんが、ちょっとだけ情報に課金をすれば、それこそ処理しきれないくらいの有用な知識や他社の事例や様々な知見を、「誰でも、いつでも、すぐに」手に入れることが可能です。

そんな有益なモノがこの世界にあって、さらに「手法がわからない」という悩みを抱えていて、その“手法”がわかることで悩みが解消するのであれば、そんな有益なモノを使わない手はありません。

そして、その方も自身の“悩み”を「最も“本質的に”解消する方法」が自分で既に理解できていたようでした。

なので、その方が話の終わりにこんなことを言っていました。

「色々見えてきました。まずは、自分で色んな本を読んで、そこに書いてあることを試してみます。それでも行き詰まって、どうしようってなったら、その時は、プロタゴさんにお願いしてもいいですか?」

「もちろんです。その時はお願いします」

形式的にそう答えましたが、僕は「きっとそんなことにはならない」と予想しています。

なぜなら、その方は「乗り越えることが極めて難しい“適応課題”」を既に2つも乗り越えているからです。

1つは、「“組織運営の良し悪しについて、その責任は全て経営者に在る”ということを真正面から受け止めたうえで、“役に立つこと”は何かについて考える」という“適応課題”に取り組んだこと。

もう1つは、「既にこの世界に無数に蓄積されている先人たちの知見が詰まった“本”を読んで、そこに在る知見を自社の組織で実践してみる」という“適応課題”に取り組むと言っていること。

こうやって書いてみると“たったの2つ”に見えますが、これを継続して行うことができれば、その組織は確実に変容します。

ただ、この2つを継続して行うためには、「現状を変えたい」という“切実さ”と、「絶対に“望む未来”を創り出す」という“固い決意”が必要です。

この経営者の方のように“こんな話”をしてくれる人は、大抵は、この“切実さ”と“固い決意”が備わっているから口に出して“宣言”として僕たちに聞かせてくれるんじゃないかなと思っています。

だから、今後も「で、今はこうなってる」なんて話を時々聞かせてもらえるととっても嬉しいなぁと思っています。

「あの時は、あんなことで悩んでいたこともあったよね」なんて言いながら。

その時は“悩み相談”の時のような表情じゃなくて、一緒にお酒でも飲みながら、思いっきり笑顔で、そこから先の未来についても語って聞かせてもらえたりすると最高です。

自分の中の適応課題に真正面から真摯に立ち向かい続ける。
そしたら、そんな日は、そのうち必ずやって来るから。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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