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どうか無事にとお月様に祈りつつ

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

色んなところでで色んな人が言っていると思うんですが、今日から3月が始まりましたね。

ウチの会社にとっては、2021年3月1日は、3期目の始まりの日です。

3期目に入ったという事は、通常であれば「3年目」に突入という感じでしょうが、ウチの場合は会社を起ち上げてからまだ2年経過もしていません。わけあって、決算を2月末と決めたので期初が3月1日になっているわけで、初年度はかなり短めな1期目でした。

今のところ、今日が期の始めだからと言って特別な何かはしていません。いつも通りに打合せから始まった月曜日でした。

とは言え、今日実施した打合せの内容は、タイミング的にちょうど定期的にやっている目標設定をやる日に該当していました。

ウチが社内の目標設定でやっているのは、「OKR」という手法です。
ものすごくザックリ言えば、「会社の目的を叶えるために、直近の四半期で取り組むべき定性的な目標(O)を立てて、それを定量的な数値目標(KR)に落として、実行するための予定を立てる(OKRはムーンショットであることが条件)」というものです。

これを自社で実施するためにOKRについての本を読みこんで自分たちなりに勉強をし、それを実際に自分達で運用してみる事でOKRの効果を試すという事を、前期の第二四半期から取り入れてやってみています。

やってみての感想としては、「本にある通り、最初からうまくはいかないけど、ムーンショットで立てる目標のおかげで色んなモノが前に進む実感がある」という感じです。

なにしろこの方法だと、「そもそもの会社の目的」を考えるところから始まります。ウチの場合は、まだ始まったばかりの会社だし社員もいないので「そもそもの目的」をズレて捉えているって事はありませんでしたが、それでも「完璧な一致をしているか」となると、そんな事は全然ありませんでした。なので、毎回そこのズレが起きていないかどうかの確認を行っています。

それができたら次は、「そもそもの目的」を叶えるために「この四半期の目標(定性的なもの)を立てる」わけです。
ここでは、この「目標(定性的な)」が当初はネックになってきました。何しろ、「目標」と言えば「定量的なモノであること」という世界観でずっと生きてきていましたので、どうしたって最初から「定量的な目標設定」を行おうとしてしまっていたんです。しかも、ここには「ムーンショットであること」という条件がついてきています。これもなかなか大変です。

それでもなんとかこれをクリアすると、更なる難関が待っています。

「ムーンショットの定性的な目標」を立てた後は、「それを定量的な数値目標に落とす」わけなんです。でも、これがなかなかの難関です。なぜなら、「ムーンショットの定性的な目標」という事は、「自分達が、未だかつて実現した事の無い未来」について語っている目標という事なわけで。「未だかつて実現した事の無い未来」を「定量的な数値目標に落とす」っていう事は、「未だかつて実現した事の無い未来」を「未だかつて誰も設定した事の無い指標に表す」という事なわけです。つまり、「未だかつて誰も実現した事の無い未来を、未だかつて誰も表した事の無い指標として、数値で計測できる状態に表現し直す」という事なんです。

僕は、これを「自分達が未だ言語化できていない“理想”を、全く新しい表現として創造する」という作業だと認識しています。
なので、毎回このOKRを作る時には、いわゆる「生みの苦しみ」を体験している感覚です。

だからこそ感じる、とてつもない難しさなんだろうなと思っているんです。

ここまでの作業は、本当にクリエイティブだし、とてつもなく大変です。
だけど、これが出来ると、そこから導き出される「目標に向けてやるべき事」はとても明確に見えてきます。それを、各々の役割として認識してそれを進めていくだけになってくるので。
もちろん、途中途中で(僕たちは毎週ですが)それがズレていないか、現状はどうか、とチェックは必須です。

こんな風に僕たちは進めています。

このOKRの良いところは幾つも実感しています。

1つは、「ムーンショット」がもたらす効果です。
「ムーンショット=現状では到底届かないと思われる目標(月に到達する事を目標にしたアポロ計画からきているそうです)」を立てるわけなので、それに届くには「何が必要なのか?」などの「問い」が必須になってきます。そして、考えて、実行して、検証して、修正して取り組むが自然に回っていく中で、当初は考えてもいなかった「何か」が生まれる可能性が高いわけです。

1つは、「定性的な目標」を「定量的な数値目標」にする作業がもたらす効果です。
この作業を通じて、「抽象的なモノを具体的なモノに変換する」という、いわゆる「抽象と具体の行き来」をスムーズに行う訓練が必然的に行われます。もうちょっと言えば、「抽象と具体の行き来」には、「抽象と具体の間に存在する容易には超える事のできない壁を、自在に超えていける力」が必要なわけです。なぜなら、「抽象」と「具体」は全く異なる性質だから。でもこれは訓練によって向上させることが出来る性質を持っています。つまり、ここには、「抽象化力」と「具体化力」を向上させる場が存在しています。となれば、それらが向上する可能性がとても高いわけです。

1つは、「そもそもの目的」を「定性的な目標」にする作業がもたらす効果です。
これは、さっきの「抽象的なモノを具体的なモノに変換する」と、とてもよく似ています。違いは、その組織の中の誰もが「そんなの知ってるよ」と普段はあまり見向きもしない「そもそもの目的」から「この四半期で目指すべき定性的な目標」への細分化が必要になってくるわけです。で、この「細分化」がポイントだと思っているんですが、細分化の際には「誰もが受けとれる大きさで、誰もが理解できる内容で、さらにムーンショットであること」が絶対に必要になってきます。これは、言うなれば「創造」です。何しろここには、「そもそもの目的」を、「どのように分解して、どのように再構築するのか」という事が必須になってきます。これは、もはや「創造」と言っても過言ではないと思っています。つまり、クリエイティブ能力を向上させる可能性が高いわけです。

こんなメリットだらけの目標設定を実践しているわけですが、自分達でOKRをやってみて最も感じている最大の特徴は、「とても対話的な手法だなあ」というモノです。

考えてみれば当たり前なんですが、「そもそもの目的」を確認してズレが無いかどうかの把握から始めるので、「対話的である」は絶対に必須になってくるんです。

さらに、「対話的である」だけでは、そもそもOKRを立てる事すら不可能なんですが、仮に適当に作ったOKRを運用してみようとなったとしても、そこにもう一つ“絶対に”必要な要件が出てきます。

それは、「主体的である」という事です。

これも考えてみれば当たり前なんですが、「ムーンショット」を何とか叶えようとして全員が動くわけなので、そこには「主体的である」が無ければ、そもそも「OKRを作る事」も「OKRで求められる成果を出す事」も「上に書いたようなメリットを享受する事」も、絶対に不可能なわけなんです。そりゃそうです。そもそもが、「月への到達」と同じレべルの端から到底無理目な目標を掲げているわけです。そんな大それた事、それに関する全員が、その「月への到達」を本気で信じて行動初めて「出来るかどうかわからない。でも、やるんだよ」って言えるわけで。

ここから考えると、むしろ、「対話的」で「主体的」でなければ、絶対に不可能な手法とも言えるわけです。

そして、この「対話的」「主体的」という二つのフレーズは、ご存じかもしれませんが、現在の「学習指導要領」(教育で最も重要な物)の中で、「最も重要である」と位置付けられていて、これこそが「生き抜く力を育むモノ」とされている、つまり、教育界で育む必要があるとされているモノです。その「対話的」「主体的」な「生き抜く力」とも言えるモノを、教育を終えて「仕事の現場」である実社会の中でも涵養できるんです。これ、めちゃくちゃ有用ですよね、と言いたいわけです。

だからこそ、「めちゃくちゃに難しいし大変だけど、楽しく仕事をする」って事を実現するには、とても向いている手法だなあと思うんです。


とは言え、このOKRという新しい手法も、もう既に「色んなやり方」が存在している中で、ウチはこういうやり方をしているというだけで、ウチとは全然違うやり方のOKRというモノも存在しています。ここには、まだまだ勉強の余地があるわけです。色々なOKR流派の内容も少しずつ試しながら進めているんですが、上に書いたような副次的な効果が得られる方法については、大変だけど今後も続けていきたいなと思っているところです。

今回のOKRミーティングで掲げた「ムーンショット」も、めちゃくちゃ大変だけど面白そうだなと思っているところなので、これからまた、3期目も月に向かって計画を進めていこうと思っています。

自分達の会社で、自分達を実験台にしながら、月への到達計画を立てて、それを実行していくという、まさにサバイバル。

どうか無事に生き残れますように。

自分達の事ながら、そう願わずにはいられません。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/


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