見出し画像

可愛い名前から想像もつかないモチリンのパワー

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

今日の午前中に、盛大にお腹が鳴りました。

11時を少し回ったくらいの時間だったと思いますが、一度鳴り出した僕のお腹は、その勢いが衰える事はありません。
幸いにも、ウチの社内にいたので事なきを得ましたが、これが出先だったとしたら、さすがの僕も恥ずかしさに赤面していたかもしれません(いや、「赤面などするはずはない」と思った方は勘が鋭い)。

お腹が鳴ったと同時に、僕の頭の中には「お腹がへったなあ」という言葉が浮かび、それをそのまま口に出しました。まあ、いつもの事です。

でも、これを口に出したと同時に、「ちょ、まてよ」とキムタクの物真似ばりに自分に突っ込みました。

なぜなら、今しがたお腹は鳴ったのに、あの空腹時特有の「お腹が空いた」という苦痛にも似た身体感覚が、微塵も伴っていなかったからです。

確かに、「お腹が鳴る」という現象が起きた事は間違いない。
という事は、その瞬間の僕の「胃の中は空っぽ」だったのは間違いない。
だけど、僕の身体感覚としては「空腹感は無い」感じ。
なので、何かを食べたいという「食欲は湧いていない」状態だった。

これが、その時の僕の体の中で起きていた現象です。
ロジカルに考えたり、言葉そのものの意味を考えてみても、胃の中が空の状態を空腹と言うはずであり、体は間違いなくその状態だったのに。
言うなれば、「プチ飢餓状態」だったとも言えるはずなんですが、それにもかかわらず、僕の頭と体は「お腹は空いていない」と感じていたんです。だけど、自分のお腹が「グー」と鳴いているのを聞いた僕の口からは、「お腹がへったなあ」という言葉が出てきた。

これを人体の不思議と言わずして、何と言うのか。

何しろ、空腹感を感じてすらいないのに、お腹が鳴った音を聞いたら、お腹が空いたと言葉を発するなんて、自分自身について「どれだけ自動化が進んでいるのだ?」と疑問を感じずにはいられませんでした。

この後、自分の体に対して人体実験を行ってみました。
「昼休みまで、まだ時間があるから、ご飯を食べずにお腹の音を止める」という実験です。

お腹の音について調べてみると、こんな事が書いてありました。
「胃が空っぽになると十二指腸から『モチリン』というホルモンの分泌によって胃壁が収縮して動く際に空気が移動して音が鳴る」らしいのです。
さらに、「『モチリン』を制御するには、ブドウ糖の摂取が必要」とあります。

という事で、「ブドウ糖の摂取でお腹の音が本当に止まるのか?」セルフ人体実験の始まりです。

実験で用意したのは、『森永製菓 大粒ラムネ』2粒。
これを口に入れます。

すると、この2粒がまだ口の中に残っている時点で、見事にお腹の音が止まりました。
体感的には恐らく1~2分程度。

そして、お腹の音が止まると、やっぱりお腹が空いたなんて微塵も感じていない事が、よりクリアに理解できました。

で、この時に思ったんです。
「今まで、自分が感じてきた「腹減ったなあ」は、もしかしたら、その多くが、お腹の鳴る音によって想起されただけの、勘違いだったのでは?」と。

そう考えると、思い当たる節があるような。

例えば、「お腹が空いた」と思ってご飯を食べ始めたのに、思ってるほど食べる量が進まなかったり。
例えば、「空腹が最高のスパイス」だと思っているのに、いつもと同程度の美味しさに感じたり。
例えば、「食べられる喜び」を噛みしめられると思ったのに、特別な感情は起きなかったり。

「腹減ったなあ」と思っていたはずなのに、こういう肩透かし的な事が、そういえば過去に何度もあった事が思い出されました。

自分が、如何に自分の体や感覚について無頓着であり、自分の頭で考えた既成概念に縛られて生きてきていたのかという事を、あらためて考えるきっかけになりました。

お腹が鳴ったからと言って、空腹感があるかどうかはまた別の話であるという、「体の中で起きている事実」と「頭が情報と知識から導き出した解答(らしきもの)」と「体で感じる感覚」という、とても物理的でとても具体的でありながら、ロジックだけで導き出されるわけではなく、目に見えない自分の内面の動きとでも言うべき事象を、どうやって捉えてどうやって解釈するのか、という「自分」にしか理解できない、自分固有の面白さを知る事ができましたし、加えて、『モチリン』というホルモンを抑制する『ブドウ糖』の働きの優秀さも知る事ができました。

こうやって考えると、「物理的」とか「科学的」という汎用性や再現性の高い現象のパワフルさと、そこだけに囚われてしまうと「体感的」とか「感覚的」という極めて繊細で固有性の高い現象という、どちらかだけでは成り立たないし、どちらかだけでは説明のつかない、「人体」というか「人間」の面白さを知れた時間でした。

そんなこんなで、いつものお昼ご飯が、今日はいつも以上に美味しく感じました。


あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/


#ビジネス #仕事 #群馬 #高崎 #対話ベース #組織開発 #人材開発 #外部メンター #哲学対話 #P4P #知的アクティビティ #挑戦と達成をデザインする #主役から主人公へ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?