「がんばって!」って、言っちゃいけないと思ってた。
励ますのって、簡単なようで難しいですよね。
だって、
自分以外の誰かの気持ちを本当に理解できることなんて
できないと思うんです。
喜びも悲しみも、楽しいことも苦しいことも
感じた気持ちは、その人だけの大切なものですから。
もし、当人以外の誰かが
何かできることがあるのなら、
それは「寄り添う」ことくらいです。
10代の頃、
「がんばって」と安易に言ってはいけない
ということを初めて聞いた時、
ちょっとした衝撃を受けたのを憶えています。
もう精一杯がんばっている人に、
「がんばって」と言うことは危険な場合があると。
励まそうと思ってかけている言葉が、
逆にその人を追い詰めてしまうことがある、と。
なるほど、と思いました。
以来、
私は「がんばって」と言うことに慎重になりました。
思い返すと、
これまでの子育ての中でも「がんばれ」という言葉は
あまり使ってきていないと思います。
でも、
模試を受けに行く長男に
ふと「がんばってね!」と声をかけた時、
ちょっと嬉しそうな顔をしたんです。
「なんでもいいから解答欄を埋めてくるんだよ。
最後まであきらめないでね」
って言ったら、
「しゃーないなあ、今日だけ特別やで」
って笑ってました。
・・・なんで今日だけなのよ(苦笑)
まあ、長男のおちゃらけはさておき。
その時に、
あ、がんばれって言っていいんだ。
と思ったんです。
自分自身が、黙々と努力を積み重ねることがさほど苦ではなく、
心配性なこともあって、何事もしっかりと準備して臨みたくて。
要するに、
とても頑張り屋さんでした。
そういえば、母からは
「がんばれ」なんてあんまり言われた記憶がありません。
私が十分がんばっていたことを知っていたからだと思います。
代わりに、
「もう休んだら~」「その辺でいいんじゃない」とか
緩める言葉をかけていてくれたように思います。
でも、そう言われても
子どもの私はなかなか休めませんでした。
でも、
長男は、私とは違うタイプです。
ほしいものを素直に親に言ったり、嫌なことがあったら家で愚痴を言ったり
怒ったりできます。
自分のやりたいことを優先できるんです。
そう、親子は似てるところもあるけど
別の人間なんですよね。
違う人間なんだから、物事の取り組み方も、
捉え方も違って当然。
だから、適した声かけや方略も違うんです。
この子には、
がんばれって応援してあげてもいいんだ。
もちろん、その時々の状況は考えないといけないですが。
そんなことに気づいた、日常の一コマのお話でした。
読んでくださって、ありがとうございました。
何かお役に立つことがあれば、幸いです。
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