心の「在り方と生き方」-日本人の【義】
【義】正義を貫くに素直にあれ
日本人らしさである「義の心」、正義。
これは私たちの行動規範とも言えます。
孔子が『論語』の中で著した、
「義を見てせざるは、勇なきなり」
(人の道として当然行うべき事と
知りながら、これを実行しないのは
勇気がないということ)
との言葉は余りにも有名です。
この語の意は私利私欲に囚われず、
人として成すべき事をすることです。
中国思想では、
常に利と対比される心の概念です。
利己主義(自分主体の生き方)即ち、
自己中心的で利己な言行態度を取り、
他者の存在を二の次とする利己的な
行為を行わない事であり、利他的な
行為をすることを促す意味の本質を
探し出す「在り方」意識を持つことで
ないかと受止めています。
武士道での中心に在り、克つ最も厳格
な徳目はこの「義の精神」と言われます。
柔道の「自他共栄」の精神も似ています。
さて、「義」とは、
打算や損得のない人としての正しい道、
即ち正義を指すものであり、その「義」
から派生した言葉に、大義・道義・節義
忠義・仁義・信義・恩義・律義、義務・
更に義理・義憤・義侠・義士・義民・
義挙などがあります。
日本人としての心の生き方と在り方
捉え方を変えると麓から見上げる実像、
即ちマクロな視点であり大局的な視点
で捉えた心の本質である「心の在り方」
と、言えるのではないでしょうか。
また、
同じマクロな視点であっても俯瞰的視点は、
どちらも物事の全体を見渡す様子を表わし、
物の見方や捉え方を表現する言葉です。
この「大局的な視点」と「俯瞰的な視点」の
二つの言葉は同じように使われてますが、
厳密には意味は異なると受止めます。
私見ながら、大局は
全体を広く見渡した時の物事の成り行き
「大局的な視点」は物事の全体の有るべき
成り行きの本質を見通す「心の在り方」で
見据え、考える立場を表すと解します。
一方、俯瞰(フカン)は、
高い所から事象を見下ろすことを意味し、
「俯瞰的な視点」は広い視野で物事を考える
「心の生き方」の立場を表すと解します。
詰り、
大局的にはこれから起こるであろう変化≒
在り方である本質を見通すことも一緒に
考えに入れるニュアンスがあます。
俯瞰的にはこの様な今後の心の在り方を
見据えるニュアンスでなく今の「生き方」
を表す意であるのでは❓と解します。
この点が、
大局的と俯瞰的という言葉の違いです。
さて、私達は「武士道」の「義」を
このどちらで解せば良いのでしょうか❓
日本で武士と言われる古の人たちは、
この「義」を武士道精神の中心に据え、
これを踏み外した者は卑怯者として
社会から糾弾の対象とされました。
「義」には人の在り方である正しい行いと
同時に「打算や損得から離れた」との意が
含まれ人間の根源的なエネルギーとなる
欲望を制御しなければ成し得ないの意を
持ち、一方現代人が行動判断の基準(礎)と
している合理的精神はそれを突き詰めれて
見れば「どちらが得か」と言う相対的なこと
の精神を意味しると解せます。
それに対し武士道における「義」は、
普遍的な「良心の掟」「心の在り方」に
基づいた絶対的価値観を基本とする、
言わば不合理の精神でありこの「義」を
遂行するには余程の自立心(自律心)を
養わなければならないとされました。
新渡戸稲造はその著『武士道』で、
武士道の基本は「フェア・プレイ」の精神
と言い、武士らしさの根源は「義を貫く」
と言うことで武士は戦いに如何なる手段
で勝ち得としても、不正行為の勝利者は
全く賞賛されませんでした。
「敵に塩を送る」との諺の元となったとされる
上杉謙信の有名なエピソードですがこうした
話が美談として長年伝えられて来ましたが、
その裏を返せば、このような侍たちが意外と
少なかったのでは?、と考えられます。
武士道が「義」を最高の支柱に置いたことは
言い換えれば、そうした人の心の在り方が
至難の「義」を追求することによって日本人の
「精神の美学」を求めたのではないでしょうか❓
生死をかけた戦いに望む際、
武士の全てが上杉謙信の様にフェア・プレイ
の精神を守ったわけではないと思われます。
生きるか、死ぬかという場面で、
例え卑怯者と蔑まれようとも勝ちたいと
思うのが人情であり、またいつの時代で
あったとしても、人の本能は美学よりも
強く理想は現実の前に打ち砕かれるのが
世の常ではないでしょうか。
だからこそ、武士道は
そのことを十分に弁え知りながらその現実を
超越する己の理想の人の心の指針である武士
の規律と厳しく求めたのでしょう。
人間としての資質を問われる行為や発言をし
国民や市民からの信頼を失う人、失職する人
も寂しいかな年々増え続けています。
このような状況を打破するには、
私達ひとり一人がこの武士道の義の意識=
コンプライアンスの理解と自覚認識が必要
不可欠である、と考えます。
誰もが、日々進歩し続ける情報過多の
社会環境で仕事をし生活していると言う
意識を以って何事にも取り組まなければ
ならない社会の到来です。
と同時に、現況に見合った和の国の日本人
としての倫理的判断力を備え、日々触合う
周りの人を思い遣る心(気持ち)で自らの心
を守り律する自制(自律)心が必要と思います。
また、
東京2020オリンピックでは和の心からか
「調和」の精神が提唱されたことは皆さん
も記憶に新しいと思います。
これを機に
今まで日本社会全体が目を向けなかった
海外の労働者を含むジェンダーの取組み
【男女平等の課題=ジェンダー】について
本気で真剣に向き合う時がいま来ています。
これを機に今まで日本社会全体が目を
向けて来なかったジェンダーの取組み
【男女平等の課題=ジェンダー】について
本気で向き合う時が来ていると思います。
コンプライアンス⇒「義」の心
日本の礼・義・和の精神は
コンプライアンスに大切な心と活動です。
この度の新型コロナウイルス感染症によって、
社会全体に大きな不安が広まった中での国政
を司一部のる人や管理する人の個人重視では❓
と受止められる心無い人の身勝手な言行により、
益々社会全体に不安や国政への不信を拡大する
残念な発言・行為が少なからず見られました。
また、
昨今日本の社会で起きている、一般組織(会社)
政治家・行政・スポーツ界のコンプライアンス
意識の認識不足が原因で様々な問題や事件犯罪
が以前に増して多発しています。
このようなことは、国の予算に多大な影響を
及ぼす大きな社会問題となって来ています。
これは、
対象と成る国民や組織・団体・会社で働いたり
活動したりする人々を第一に思う「思い遣る心」
=△△△ファーストの意識、顧客(ファン)目線で
思考する意識など、触合う相手を第一に思考し
「思い遣る心」(≒おもてなしの心)の欠如と職責
の認識不足、或いは自己保身や利己的な心を
抑制するコンプライアンスの理解と認識の欠如
により生じることであると受け留めています。
極端に言えば、
「日本人の心」である【おもてなしの心】
と風土文化・国民性(特質=武士の義)の
素晴らしさとプライドの自覚不足に拠る
ことではないかとも推測します。
コンプライアンスは大きく捉えれば日本人の
「義の心」であるとも言え、Nippon人力でも
あると捉えても良いと考えます。
🔳コンプライアンスの概要
※コンプライアンスは、
社会的立場・職責により異なります。
1.コンプライアンスの認識
職業人として社会的な責任を自覚すると
共に、国の定めた法令、人として必要と
される最低限のモラルや職場の規定、
ルールを遵守し、誠実且つ公正公明に
職務を遂行する能力と取組姿勢を言う。
2.法令・諸規則(規定)の把握と認識
イ)企業・組織(店舗)の社会的責任について
把握し、認識をしている。
ロ)社内生活上で必要とされる法令及び
法定の知識を理解し、認識している
ハ)企業・組織(店舗)で定めた就業規則や諸ルール
及びコンプライアンスの遵守上で問題となり易い
関連法令の知識とその内容を熟知している。
ニ)職業人としての確りとしたプロ意識を備え、
社会的責任感、職業の倫理意識を保有する。
ホ)経営理念、ビジョン・社是・モットー・社訓、
倫理憲章、行動様式規範等の内容を熟知する。
ヘ)企業活動全般に関連する法的・倫理的問題への
具体的事例を知りそれが自社(自店舗・組織)に
及ぼすであろう影響力を理解する。
3.法令・諸規則(規定)の遵守
イ) 公の利益と企業の利益が相矛盾する際に、
企業倫理感の下公正且つ適切な判断をする。
ロ) 公私の区別(≒規律性)の適切な基準を保有し、
それを明確化した言動をする。
ハ) 日常業務の遂行において法的或は、
倫理的な要素の問題に直面した際は、
上司同僚に積極的に相談するなどで、
より良い的確な解決策を模索する。
ニ) 日常の業務に関連する法定、又は倫理的な
問題についての具体的ケースについて自ら
の明確な見解・意見を保有している。
ホ) 社会道徳的に望ましいモラルや意識を有し、
その言動を率先して行い日常業務上で経営理念、
ビジョン・社是・モットー・社訓、倫理憲章や
行動規範(指針)を自ら具現化している。
ヘ) 部下・後輩の倫理的な相談に対してアドバイス
やサポートをすると、共にその解決に向けて
一緒に考えるなどして取組んでいる。
チ) 営業上の不測の事態や事故災害に関しても
冷静沈着な現状分析に基づき、必要とされる
適切な問題解決力を保有し、実行している。
4.コンプライアンスマネジメント
イ)現在に至るまでに発生した問題の事例や
他社の出来事などについてその要因や誘因
となる背景や構造を分析し、運営陣、主管の
部門と連携して担当部門の倫理規定や行動の
規範規定などの企画立案を行っている。
ロ)倫理規定や行動規範規定を現場への伝達、
及び指導の徹底など、コンプライアンスの
マネジメントの運営管理に関する中心的な
役割を遂行し、役目を果たしている。
ハ)コンプライアンス・マネジメントの効力を
あらゆる観点から予測分析し結果の評価する。
いま、地球温暖化、少子高齢化社会に入った
現在の日本ではいつどこで起こるかもしれない
未曾有な自然災害や非常事態などに備えるため、
また、年々増え続けている高齢者を支えるため、
と共に国内で起きている悲しい出来事や犯罪を
少なくするためにも、誰でも今から直ぐ出来る
「人と和し人との繋がり」を深め行く意識を持ち
活動・言行するはことが必要と思います。
近年、頻繁に起きている自然災害、並びに
人としてあるまじき自己中で刹那的な行為や
犯罪の多発などの要因・起因・原因、要素、
それは、I.Т..や個人主義が広まることと共に
日本の素晴らしさを軽視しビジュアル重視に
なっている社会への天から日本人への警鐘、
ではないか、とわたしは受け留めています。
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