ナニジン?
小中学校での勤務の際に、
「先生ナニジン?」と聞かれることは多々あります。
大抵は
「地球人」と答えてはぐらかします。
なぜ、はぐらかすのか?
民族名をはっきりさせると、
個々人のイメージに囚われた人物像に
私が演じることを強制されるからです。
そして、この種の質問をする人にとって、
人種について、とても興味があるわけでもない
ということを、私の経験上知っているからです。
それでも、子供が興味を示す場合には、
「なんのために知りたいですか?」ということを丁寧に聞いた上で、
「ナニジン?」と聞くリスクについて話します。
時として人権問題に発展しやすい質問であるということを
子供たちには理解してほしいと思います。
民族名を聞いてはいけない質問ではなく、
聞きたい理由と、
相手が答えない選択肢を与えること、
を伝えましょうと教えます。
何より
真摯な態度と
境界線と
相手の立場への配慮
を必要とする大切な会話である
と、
子供がわかる言葉で、時間をかけて話します。
大人も子供も「ナニジン?」に含まれる危機感を兼ね備えつつ、
優しさが充満するような対話が広まりますように。
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